
小池栄子
小池栄子主演の『さよならノワール』(フジテレビ系)が、9月15日(火)に最終話(第11話)を迎えた。“これでいい、これがいい”、そう思える終わり方だったように思う。
警視庁 西池袋署に新設された「犯罪被害者支援室」所属の元刑事・黒木夏海(小池)が、心理学者の白石絵梨子(北香那)とバディを組み、犯罪被害者や遺族らに寄り添いながら支援していく警察ヒューマンドラマ。
夏海の刑事時代の上司・山崎創(渡部篤郎)の失踪事件が、第1話から “縦軸” のエピソードとして描かれていた。
■“これでいい、これがいい” と思わせてくれた
第10話で山崎が記憶喪失になっていたことが判明したが、最終話で一連の事件がきれいに決着して大団円のフィナーレに。黒幕が誰だったのかもわかり、すべての謎が解き明かされた。
黒幕は少々意外な人物だったものの、率直に言ってとんでもないどんでん返しがあったわけではなかった。ただ、この『さよならノワール』というドラマは、そういったショッキングな展開で視聴者を取り込もうというタイプの作品ではないので、これでいいのだ。
ラストの約1分半で描かれたのは、夏海・絵梨子の主人公バディがいきつけの中華料理店でランチをしているシーン。
夏海がめずらしく「先生(絵梨子)、成長したんじゃない?」と誉めると、すかさず絵梨子が冗談めかして「なっちゃんも成長しましたね」と返し、夏海が「なっちゃん呼び?」と聞き返す軽妙な掛けあい。
そして夏海が、自分たちは被害者・遺族支援をしているが、「本当は私たちのほうがこの仕事に支えられてるよね」と絵梨子に語りかけ、気持ちを通じあわせる。最後は大事故が発生したという電話が入り、ランチを切り上げてすぐに職場に戻ろうとするシーンで終幕した。
他愛のない日常風景の会話劇を見せつつ、主人公バディはこれからも変わらず、「犯罪被害者支援室」メンバーとして邁進していくという超王道のエンディング。うがった見方をするなら、さまざまなドラマで使われている手法なので、特にひねりのない既視感のある終わり方とも言える。
けれど、“これでいい、これがいい” と思わせてくれる、いい余韻を残す終わり方だった。本作ファンは続編が観たいと思ったに違いない。
■後半は右肩上がりで一度も視聴率が落ちていない
しかし、続編可能なストーリーになってはいるが、シーズン2が制作される可能性は低いだろう。なぜなら、硬派で良質なストーリーが高評価を得ているものの、肝心の視聴者数が少ないからだ。視聴率がずっと低空飛行で、TVerなどの配信再生数でヒットしているわけでもない。
本作の第1話から最終話の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の推移は次のとおり。
《世帯視聴率》
3.1%、2.7%、2.9%、3.1%、2.9%、2.3%、2.5%、2.6%、2.7%、3.5%、3.7%
(全話平均2.9%)
《個人視聴率》
1.8%、1.5%、1.7%、1.7%、1.5%、1.3%、1.4%、1.3%、1.4%、1.8%、1.9%
(全話平均1.6%)
いくらTVerなどの配信で視聴する層が増えてきているとはいえ、ゴールデン・プライム帯の連ドラでこの低視聴率では、失敗の烙印を押されても仕方がない。
とはいえ、細かく分析すると好材料も見えてくる。
最終話が番組最高を記録しており、第10話がそれに次ぐ視聴率となっていることがわかる。さらに世帯視聴率に着目すると、第6話の2.3%が最低値なのだが、実はそれから最終話の3.7%まで右肩上がりで一度も数字を落としていない。V字回復を通り越して上昇を続け、最高視聴率を叩き出してフィニッシュしたのである。
所詮は2~3%台の微差であると言われてしまえばそれまでだが、少しずつだが後半戦で視聴者を増やしていったのは間違いない。前半で失速して尻すぼみになるドラマも少なくないなか、むしろ後半で数字を伸ばしていったのは『さよならノワール』のよさが浸透していった証拠でないだろうか。
シーズン2の可能性は低いだろうが、それでも一筋の光明が差し込んでいる状態でもある。いちファンとして、小池栄子・北香那コンビの続編を期待している。
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