
GACKT
GACKT主演の月9ドラマ『ブラックトリック~裁きを操る弁護人~』(フジテレビ系)。
今夜放送の第11話が最終回だが、先週放送の第10話で北村一輝演じるラスボスの大物政治家との直接対決が描かれ、闇を暴いて撃破済み。大物政治家がからんだエピソードは初回から “縦軸” として展開されていたので、第10話が本作最大のクライマックスだったと考えられる。
■視聴率だけでなくTVerの数値も悪かった
そんな『ブラックトリック』、フジテレビの看板ドラマ枠「月9」作品に、いきなり歌手のGACKTを主演に抜擢するという変化球で勝負したものの、大コケしてしまっている感は否めない。
まず視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)がかんばしくないのだ。第1話から第10話までの推移は以下のとおり。
【世帯視聴率】6.2%、4.7%、4.6%、4.0%、4.2%、3.9%、4.5%、3.5%、3.9%、4.9%
【個人視聴率】3.7%、2.8%、2.8%、2.3%、2.5%、2.3%、2.7%、2.0%、2.3%、2.4%
初回から低めスタートだったが第2話でさらに下がり、そこからは低空飛行が続いている。個人視聴率が2%台でぎりぎり踏みとどまり、1%台まで陥落しなかったのは不幸中の幸いか。
とはいえ、前クールの『サバ缶、宇宙へ行く』が世帯視聴率の全話平均が3.7%という惨状で、歴代月9作品のワースト視聴率を更新したばかりだが、『ブラックトリック』はそれに次ぐワースト2位がほぼ確定状態。
ちなみに近年はリアタイ視聴勢が減ってきているため、TVerでの配信も重視されているが、『ブラックトリック』は配信再生数でも話題になっていない。
TVerのお気に入り登録は9月26日時点で36.1万となっており、ヒットの目安となっている100万突破にはほど遠い。さらに言うと、中盤回が放送されていた時期である8月15日時点では39.8万だったため、最終話を前にして減少しており、TVerでも視聴者離れが起こっていることがわかる。
■テンプレキャラだらけで盛り上がりに欠けた
前述したとおり、第10話でラスボスの大物政治家との対決が描かれたが、正直、トリックは想定内のレベルで驚きは薄く、いまいち盛り上がりに欠けるクライマックスだった。最大の山場でこのストーリーは非常に残念。
せっかく演技巧者の北村一輝をキャスティングしていたのに、『地面師たち』(2024年/Netflix)のときのような怪演が見られるわけでもなく、大物政治家はよくあるテンプレどおりの悪役キャラで終わってしまっていたのがもったいない。
いや、北村が演じた政治家だけでなく、そもそもGACKTが演じた弁護士 兼 一級建築士も “型破り” という型にハマってしまっており、常にクールでなんでもスマートにこなすという食傷気味の主人公像だった。志田未来、神尾楓珠、戸塚純貴といった売れっ子たちが演じた主人公の仲間キャラもありがちな人物造形のオンパレード。
GACKTのパブリックイメージを投影したようなGACKT節全開のクール系主人公だったので、新鮮味がなくても彼自身は大満足かもしれない。けれど、この脚本では演技プランで個性を出すのも難しかっただろうから、ほかの俳優陣には同情してしまう。
率直に言わせてもらうが、こんなにテンプレキャラだらけのドラマが跳ねる(ヒットする)わけがないのだ。
■片岡愛之助、あの、鬼龍院翔が最終話出演
今夜放送の最終話は、すでにラスボスとの対決が終わってしまっているので、エピローグのような回になりそうだ。ラストのゲストキャラとして片岡愛之助、あの、ゴールデンボンバー・鬼龍院翔の出演が予告されているが、結局、平凡に終わりそうな予感がする。
ただでさえ “縦軸” の大きな事件が解決して一件落着しているので、視聴者の興味がそがれていないといいのだが……。鳴り物入りで始まったGACKTの「月9」ドラマは、はたしてどんなエンディングを迎えるのか。
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