石原さとみ
10月7日(水)にスタートした石原さとみ主演の連ドラ『ポリティカルパン』(フジテレビ系)。
第1話の視聴者のなかには、「泥棒関係ないじゃん」「『銀河の一票』に似てない?」と感じた人も多いかもしれない。そんな人にこそ、今夜の第2話も観てみてほしい。
フジテレビ公式動画配信サービス「FOD」では、本作の最新回を先行公開しており、筆者は第2話も視聴済み。本稿では第2話のネタバレ最小限で、前述の第1話の疑問や違和感について言及させていただく。
■フジテレビで『アンナチュラル』タッグ
本作は主演・石原さとみと人気脚本家・野木亜紀子氏のタッグということで、放送前から注目を集めていた。
石原×野木タッグといえば2018年にTBS系で放送されてヒットした『アンナチュラル』が思い出されるだろう。
『ポリティカルパン』のプロデューサーに野木氏が信頼を置いていることから実現したようだが、TBSでヒットしたドラマの座組を、いまのフジテレビがよく引っ張ってこれたものだというのが、本作への第一印象だった。
第1話の視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は世帯5.6%・個人3.2%という結果。いまのご時世で考えればコケたというほどではないが、石原×野木タッグのドラマということを考えると、寂しい船出となった印象だ。
また、あくまで個人的な感想だが、期待値が大きかった反動もあるのか、あまりおもしろいとは感じられなかった。
政治腐敗に対しての説教臭さや、石原演じる主人公の言動のサムさが気になってしまった。たとえば、主人公・如月弥生が大物政治家の娘・雅(河合優実)に、札束を扇子のように持って「如月・ルパ~ン・弥生ですっ!」「初代やらせてもらってま~す」と自己紹介するシーンなどは、見ているこっちが恥ずかしくなってしまった。
ただ、それはあくまで筆者の好みの問題なので、本作に需要があっておもしろく感じる視聴者が多いのにも納得できる。
もともと緻密さや奥深さに定評がある野木亜紀子氏の脚本は、今作では政治に対して非常にシニカルに発揮されているし、その社会問題のテーマを背負う主人公を石原さとみが安定感のある演技で好演。そして準主役の河合優実がそんな石原を喰ってしまいそうなほど、生々しさと凛とした雰囲気を両立させて、強烈な存在感を発揮しているからだ。
■第2話で回収される伏線が張られていた!
『ポリティカルパン』は政界を舞台とした「怪盗エンターテインメントドラマ」と謳われている。
カネ持ちの家に忍び込んでは盗みを働いていた泥棒・如月弥生は、これまでとは桁違いの大金をゲットすべく、使途が不透明な “ポリティカル・マネー=官房機密費” に狙いを定める。そこで目をつけたのが政界のキングメーカー(草刈正雄)の娘ながら、夜遊びを繰り返していた雅。弥生は雅を国会議員にするためにスカウトし、衆議院選挙に彼女を出馬させるところまでが第1話で描かれた。
この第1話を観て、今年4月期にフジテレビ系(関西テレビ制作)で放送された『銀河の一票』を思い出した視聴者も多かったのではないか。『銀河の一票』は政治家秘書だった主人公(黒木華)が、スナックママ(野呂佳代)を都知事候補としてスカウトし、2人で東京都知事選に挑むという物語。視聴率などの数字がよかったわけではないものの、良質な政界エンタメとして高く評価された作品だった。
主人公が準主役を立候補させ、女性コンビで政界進出を目指すという構図が類似しているというわけである。
しかし、今夜放送の第2話を観てもらえれば、野木氏が『銀河の一票』の真似なんてしてないのはもちろんのこと、両作がまったく別ものであることがわかるはずだ。ネタバレを最小限にするため多くは言及できないが、『ポリティカルパン』第2話はかなりスピーディに物語が進んでいき、早くも『銀河の一票』とは違うルートに進んでいくことが示される。
また「怪盗エンターテインメントドラマ」と謳っているわりに、第1話で主人公がやっていたのは選挙コンサルタントの立ち回りで、泥棒スキルはほとんど活かされていない。アニメ『ルパン三世』のような物語を期待して観た視聴者は、肩透かしを食ったことだろう。
けれど、第2話は主人公の泥棒スキルが活かされて物語が大きく動いていき、きちんと怪盗エンタメ風味が出てきているのである。ちなみに第2話で泥棒スキルが活用されるシーンは、すでに第1話で伏線が張られていて、それを回収する形となっているのも見どころだ。
いずれにしても、第1話で「思ってたのと違う」と感じた人こそ、今夜放送の第2話も観てみることをおすすめする。
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