
10月ドラマのロケをする上白石萌音
10月13日(火)に放送開始した上白石萌音主演の火曜ドラマ『いろはの恋は時代をかける』(TBS系)。初回の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は世帯5.5%・個人3.0%だった。
視聴率だけ見ると低調スタートの部類だが、近年は視聴率のよし悪しでドラマの評価はできない。実際、このドラマを視聴した人々のSNSの書き込みやネットニュースのコメント欄は高評価が大半を占めていた。
きちんと一定以上の需要があって、刺さる層にはちゃんと刺さったということだろう。
■約5年ぶり、火曜ドラマに凱旋主演
TBS系の火曜ドラマは女性主人公の恋愛ドラマ枠として定着しており、上白石は『恋はつづくよどこまでも』(2020年)や『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』(2021年)に主演し、いずれもヒットさせている。
『いろはの恋は時代をかける』で約5年ぶりに火曜ドラマに凱旋主演となったわけだが、今作では江戸時代中期からタイムスリップしてきたいろはと、令和の小学校教師をしている梨木彩葉(なしき・いろは)の一人二役。
男勝りでちゃきちゃきな江戸娘と内気でプレッシャーに弱い令和娘を演じ分ける必要があるが、上白石はさすがの演技力でしっかり2キャラの差別化をつけていた。
江戸娘のべらんめえ口調は、一歩間違えれば見ているこっちが恥ずかしくなりそうな脚本だったが、上白石が演じるとすんなり受け入れられるから不思議だ。もし、ほかの若手女優が演じていたら、多くの視聴者に共感性羞恥が発動しただろうから、上白石の “仁”(にん)と役柄がぴったりだったのだろう。
■ケレンミたっぷりのキャスティング
そんな『いろはの恋は時代をかける』だが、注目は上白石を取り巻く男性キャスト陣だ。
タイムスリップしてきた江戸娘・いろはに恋心を抱くようになる男性教師を演じるのは、2番手キャストのSnow Man・向井康二。そしてもうひとりの男性教師役にM!LK・山中柔太朗、また江戸時代パートに登場する和算家役にMrs. GREEN APPLE・大森元貴が抜擢されている。
よくも悪くもケレンミたっぷりのキャスティングではないか。Snow ManとM!LKは今年5月に活動終了をした嵐に次ぐ国民的アイドルグループ候補としてよく名前があがるし、Mrs. GREEN APPLEはバンドながら冠バラエティ番組を持つなどしているため、広義の意味で国民的枠に名前があがるグループだ。
さらにいうと、Snow Manは『それSnow Manにやらせて下さい』、M!LKは『M!LKの爆裂ミッション』、Mrs. GREEN APPLEは『テレビ×ミセス』とそれぞれが冠バラエティ番組を持っているのだが、実はこの3番組、すべてTBS系なのである。
timelesz・菊池風磨が降板したため向井が代役を務めることになったという報道もあったが、いずれにしてもこうも見事に3番組がTBS系で放送されているとなると、さすがに “大人の事情” がぷんぷん臭うというものだ。
■“大人の事情” が悪いわけではない
向井、山中、大森に役者としての魅力があるのかもしれないが、彼らが所属するグループの看板と、その看板でTBSが冠番組を持たせているというバックボーンが、いっさい無関係だとは考えにくい。忌憚なく評するなら、第1話を観たかぎりでは特に向井の演技力が高いとは思えなかったため、うがった見方もしてしまうのだ。
ただ、そういった “大人の事情” が必ずしも悪いと言いたいわけではない。
ドラマはどんなにおもしろくても、どんなに傑作でも、観てもらわなければ意味がないだろう。だから向井、山中、大森が出演していることを理由に、Snow Man、M!LK、ミセスのファンたちがこのドラマに興味を持って観てくれたとしたら、視聴者の裾野が広がるわけだから、エンタメ作品としては “正解” なのである。
いずれにしても、“大人の事情” で大量に詰め込まれたケレンミも、主演としての上白石萌音の存在感と演技力が上手に包み込んで成立させているから、問題ないのだ。
今夜の放送は第2話。初回視聴率は5年前の『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』より半減しているが、ここからうなぎ上りになれば『いろはの恋は時代をかける』もヒット作に名を連ねることだろう。はたして結果は…?
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