
黒スーツ姿の横浜流星
豪華キャストが揃った話題作、“かなりおもしろくなりそう” で今後が楽しみな第1話だった。
10月16日(金)にスタートした横浜流星が主演、小栗旬が共演のヒューマンサスペンス・エンタテインメント『LOST10』(TBS系)。前クールの『Tシャツが乾くまで』が大ヒットした金曜ドラマ枠の作品だ。
大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺』(NHK)に主演し、実写邦画の興行収入記録を塗り替えた映画『国宝』で準主役を演じて、いまや国民的俳優と言っても過言ではない横浜が主人公。そして、自身も大河ドラマや日曜劇場(TBS系)で主演経験のある小栗が準主役。
この2人のタッグだけでも十分豪華なのだが、飯豊まりえ、市川実日子、松下洸平とそれぞれがGP(ゴールデン・プライム)帯の連ドラ主演経験のある役者も脇に揃えている。
さらに、今年放送された『銀河の一票』(フジテレビ系)の準主役を演じたことで俳優としての格を上げた野呂佳代、音楽業界から引っ張ってきたKing Gnu・井口理など、キャスティングにずいぶんと気合いが入っているのだ。
これだけのメンツを集めただけあり、『LOST10』初回の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は、世帯9.0%・個人5.0%と好スタートを切っている。
■横浜流星と小栗旬、役者のすごみ
初回で描かれたのは、北海道の山中で起こった遭難事故。
ツアーガイド1名と参加者5名が遭難し、主人公である所轄の刑事(横浜)は捜索に加わっていた。最初に遺体で発見された遭難者に多額の保険金が掛けられていたことを不審に感じた保険調査員(小栗)も、残された遭難者の捜索に参加。
第1話後半で、主人公の中学時代の恩人である女性教師(中村アン)が無事に救助されたものの、そんな恩師にも不審な点が浮上したため、ますます保険金殺人事件の疑惑が深まったところで初回は幕を下ろした。
まず言及しておきたいのが、横浜流星と小栗旬という役者のすごみ。
横浜演じる刑事は、正義感が強いがクールという役どころで、けっこうボソボソとしゃべるタイプ。だが、横浜の演技の塩梅が絶妙だったためだろう、ボソボソしゃべるナチュラル演技なのにセリフが聞き取りやすく、エンタメ作品としてきちんと成立させていた。
また、小栗演じる保険調査員は、正義感などはあまり見せずに仕事に徹するスタンスのようで、掴みどころのない怪しげなタイプ。小栗によるひょうひょうとした振る舞いによって、どこか不気味な雰囲気をまとっており、最高だった。
このように俳優陣の演技がめちゃくちゃいいし、不穏な空気感が漂い続けるストーリーや演出によって、“かなりおもしろくなりそう” というのが第1話の感想である。
■一抹の不安がよぎってしまうワケ
しかし、正直なところ、一抹の不安もよぎっている。というのも、この金曜ドラマ枠で昨年と今年、同じように第1話が “かなりおもしろくなりそう” だったにもかかわらず、期待を裏切られたことがあったからだ。
2025年1月期放送でヒューマンクライムサスペンスを謳っていた『クジャクのダンス、誰が見た?』と、2026年4月期放送でクライムサスペンスを謳っていた『田鎖ブラザーズ』。
筆者はこの2作品に対して、第1話の視聴後は “かなりおもしろくなりそう” という感想を抱いていた。
だが『クジャクのダンス、誰が見た?』は、第2話以降の展開が遅々としていたため没入できず、さらに最終話の真相に粗が目立つ駄作だった。『田鎖ブラザーズ』は最終話直前までSNSなどで高評価が飛び交っていたが、ラストシーンの結末を曖昧にしたことで酷評の嵐となった。
『LOST10』のストーリーはまだ始まったばかりで初回は導入にすぎない。第1話は役者の演技や制作陣の演出によって “かなりおもしろくなりそう” ではあったのだが、まだおもしろい作品かどうか判断ができない段階なのである。
■俳優陣だけでなく制作陣も豪華だが
実は俳優陣だけでなく、『LOST10』は制作陣も豪華だと言われている。
それぞれが多くのヒット作を手掛けてきた脚本家・奥寺佐渡子氏、監督・塚原あゆ子氏、プロデューサー・新井順子氏によって制作されている。この3名は共作することも多く、これまでも『Nのために』(2014年)、『最愛』(2021年)、『下剋上球児』(2023年)とTBS系の連ドラで3人が組んでいる。
筆者は『最愛』にめちゃくちゃハマっていたため、この3人が作るドラマへの期待値は高めなのだが、『下剋上球児』は物語途中で主人公が隠していたある重大な秘密が発覚し、賛否両論を巻き起こしていた。
また、前述の『田鎖ブラザーズ』は新井順子氏がプロデュースしていた作品だった。横浜流星が準主役で出演していた2021年の恋愛ドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS系)も、塚原あゆ子氏が監督、新井順子氏がプロデュースの作品だったが不発に終わっている。
要するに、アタリ・ハズレの激しい布陣で、初回が “かなりおもしろくなりそう” であっても、中盤や最終話でガッカリさせられるのではないかという懸念があるのだ。
当たり前といえば当たり前のことなのだが、初回がどんなにおもしろそうでも、その作品が本当におもしろいかどうかは別問題。
『LOST10』は今夜が第2話。5年前の『最愛』のように、最終話までぐいぐいとのめり込ませてくれる名作になることを期待しているが、はたして……?
![Smart FLASH[光文社週刊誌]](https://smart-flash.jp/wp-content/themes/original/img/common/logo.png)







