4人組のロックバンドflumpool。左から2番めがギタリストの阪井一生(画像・『flumpoolmonohon』のInstagram「@flumpoolofficial」より)
人気バンド「flumpool」のギタリストの阪井一生に、“ゴーストライター疑惑”が浮上した。10月20日、「週刊女性PRIME」は、作曲家の大浦史記氏が阪井を相手に損害賠償などを求めて提訴したと報道。争点となっているのは、2025年放送のドラマ『対岸の家事〜これが、私の生きる道!〜』(TBS系)の劇中音楽『声にならない想い』の著作者をめぐる問題だ。
報道を受け、大浦氏は自身のXでも提訴を公表。阪井について《彼は私に作曲を依頼し、完成した曲を自分のものとしてドラマ劇伴に使用し、自分を著作者としてJASRACに届け出ていました》と主張した。
一方、阪井も同日、自身のXで声明を発表。《制作過程において双方に誤解が生じたことは事実です》と説明した。ただし、裁判が続いていることを理由に、具体的な内容や事実関係の説明は控えている。
「大浦氏は、楽曲の制作経緯やJASRACへの届け出まで具体的に問題視しています。一方、阪井さんの声明では、何について『誤解』があったのかは明らかにされていません。係争中という事情はあるものの、双方の主張がどこで食い違っているのか、この説明だけでは読み取れません」(芸能担当記者)
Xでは、報道に落胆する声や、裁判の行方を注視するコメントが寄せられている。
報道によれば、大浦氏は約8年間にわたり、阪井の依頼で劇伴制作に携わってきたという。『対岸の家事』に関しては、16曲を制作し1曲が採用され、公式サイトやエンドロールへの連名表記を求めたものの、実現しなかったと訴えている。今回の訴訟では、同曲をめぐる100万円の損害賠償に加え、謝罪文の掲載などを求めている。
もっとも、阪井側の認識は異なる。同誌の法廷取材によると、阪井はピアノのデータを作ること自体を「作曲」とはとらえていなかったという。また、過去の仕事でクレジット掲載を求められなかったことから、今回も大浦氏は名前の表記にこだわっていないと考えた、と報じられている。
本誌があらためて双方に確認したところ、大浦氏は以下のように主張した。まず『声にならない想い』の制作工程について、
「阪井氏から私に対して、楽曲のイメージに関する説明がありました。具体的には、『父と娘の仲直りのシーンで使用される可能性が高く、ピアノの単音から始まり、徐々に音数が増えていくイメージ』というものでした。
この説明を受け、私はメロディ、コード進行、楽曲構成のすべてを一から独自に考案し、演奏時間2分48秒のピアノ曲を制作しました。演奏および自宅でのレコーディングもすべて私自身でおこない、完成した音源データを阪井氏に送信しました。
その後、阪井氏はご自身の判断により、楽曲の約1分の時点にウィンドチャイムを追加し、1分から2分15秒の区間にストリングスの音色を加えました。
追加されたストリングスは、和音に厚みを持たせるとともに、ピアノの主旋律をなぞり、これに和声を重ねるような構成でした。この状態の音源が、サウンドトラックに収録されています。
一方、ドラマ本編において、本件楽曲は全10話を通じて計14回使用されています。そのうち8回は、ピアノ部分のみが使用されていました。また、第3話の41分32秒から43分08秒にかけては、サウンドトラックではウィンドチャイムおよびストリングスが加えられている部分についても、ピアノのみの音源が使用されています」
また、阪井が主張する「作曲ととらえていなかった」という主張については、疑問があるとしている。
「かりに阪井氏の考え方を採用するのであれば、私が別の楽曲においてピアノ演奏のみで参加した場合についても、作曲者として扱われるべきではないかと考えます。具体的には、同サウンドトラックの5曲めに収録されている『余白の声』が該当します」(大浦氏)
そして、次のように主張する。
「楽曲の制作内容によっては、ピアノの演奏やデータ制作が必ずしも作曲に該当しない場合があることは理解しています。しかし、本件楽曲については事情が異なります。
本件楽曲では、メロディ、コード進行、構成といった楽曲の根幹をなす要素を、すべて私自身が考案しています。そのため、ピアノによる演奏・制作であることを理由として、これらの創作行為が作曲に該当しないとする説明には、合理性を見いだすことができません。
阪井氏による楽器の追加については、一般的な音楽制作における『編曲』に相当する行為であると認識しています」(同前)
また、クレジット表記の問題については、そもそもサウンドトラックの発売を知ったのは発売の約1カ月前に流れたニュースだったとし、
「その後、ただちに阪井氏に連絡を取り、クレジット表記について確認したところ、本件楽曲がサウンドトラックに収録される一方、作曲者については阪井氏の単独名義となることを告げられました」
としている。大浦氏はその際、阪井からLINE上で「この1曲だけ参加したよりもピアニストとして参加してくれた方が幅が広がるかなと思って、独断でやってしまったのは申し訳ないです。」「今回は決して俺がゴーストで作曲者とかではないので!それは理解しててね!」という言葉を投げかけられたという。その後、大浦氏が正式に異議を申し立てた結果、
「『声にならない想い』のJASRACへの登録は、私の単独名義となりました。しかし、サウンドトラックCDについては、すでに製造が完了していたことから修正は不可能であると説明され、私の名前は作曲者ではなく、演奏者として記載された状態で発売されました。
また、配信サービスにおけるクレジット表記にも相違があり、発売当初はSpotifyでは阪井氏の単独名義、Apple Musicでは阪井氏と私の連名となっていました。
発売後も継続して異議を申し立てた結果、現在はSpotify、Apple Musicのいずれにおいても、私の単独名義に修正されています」
という。一方、CDについては、今後もクレジットの修正は不可能であると説明された。結局、大浦氏からすれば“誤表記”のままCDが流通しているため、損害を被っているというわけだ。
阪井は「名前の表記にこだわっていないと考えた」と主張しており、大浦氏もこれまでクレジットについて「説明や意思表示が十分でなかった部分がある」とは認めるものの、2025年1月18日にクレジットへの表記を希望したにもかかわらず、十分な対応が取られず、JASRACにも勝手に阪井の単独名義で登録された点については「重大な問題である」と考えているという。
阪井は「双方に誤解が生じた」と述べているが、これも大浦氏にとっては納得できる説明ではない。
「当初は、今回の問題が阪井氏個人の判断のみに起因するものではなく、制作に関わるほかの関係者との間で、何らかの認識の相違や情報伝達上の問題が生じていた可能性についても考慮していました。そのため、関係者から事情をうかがい、事実関係の確認を進めました。
その結果、私が把握した範囲では、阪井氏と私との制作に関するやり取りがおもにLINEを通じた個人間のものであったこともあり、私が作曲に携わっていた事実は、ドラマ制作側を含む関係者にいっさい伝えられていなかったと認識しています」(大浦氏)
あくまで阪井の個人的な判断が原因であると、大浦氏は指摘する。
「私が今回の裁判を通じて明らかにしたいのは、私の著作者としての権利が侵害されたという事実です。
また、阪井氏に対しては、公開の場での謝罪を求めています。今回の問題については、当事者間のみで解決するのではなく、楽曲を聴いてくださっているすべてのリスナーのみなさまに対しても、事実関係を明らかにし、誠実な対応をおこなう必要があると考えているためです」(同前)
と提訴の意義を説明した。
一方、阪井側はなんと答えるのか。代理人弁護士に確認したところ、訴訟係属中であることを理由に「回答を差し控える」とのことだった。
音楽業界関係者が語る。
「ひとつの楽曲が世に出るまで、表には出ないものの、作詞・作曲、編曲、演奏、制作全体の指揮など、多くの“裏方”の人たちが役割をこなしています。クレジットの表記は、こうした人たちの権利を守るためのもので、とても大切なものです。
また業界内では、『NHK紅白歌合戦』出場を果たしたこともある、まさに国民的なロックバンドであるflumpoolのほうが圧倒的に立場が上です。阪井さんには、大浦氏の主張に真摯に向き合う必要があるでしょう。裁判がどのような結末になるにせよ、双方がしっかりと納得できる着地点を見いだせればいいのですが……」
はたして結末やいかに。
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