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財前直見“故郷”大分で農業に向き合う日々「イノシシ、アナグマの被害も」子育て卒業で向けられた「在来作物」への思い

芸能 記事投稿日:2026.10.25 06:00 最終更新日:2026.10.25 06:00

財前直見“故郷”大分で農業に向き合う日々「イノシシ、アナグマの被害も」子育て卒業で向けられた「在来作物」への思い

大分県の農園で作業をする財前直見(写真・竹藤光市)

 

「夏休みに帰ったらとても居心地がよくて、居座っちゃったみたいな(笑)。女優ではなく、娘でいられるのも心地よかったんですよね」

 

 2007年に故郷の大分県に移住した財前直見は、笑いながらこう話す。

 

「食育や、自然のなかで育てたいという思いも含め、子育てに集中できる環境でした。たまたま職業が女優なだけで、みんなと同じ生活をして、現場に自分の足で行く姿を息子に見せたいと思っていたんです。生活の拠点はじいじとばあば(財前の両親)がいる大分で、東京へ仕事に行くスタイル。移動中に台本を読み、東京へ行けば女優さん扱いをしてくれて、大分に帰れば完璧なママでいられました。オンオフが切り替えられた環境もすごくよかったです」

 

 曲がっているきゅうりもあれば、3本足の大根もある。そんな、スーパーの店頭には並ばない野菜を息子に見せられたのも利点だったと振り返る。現在は、ライフワークとして農業に取り組んでいる。

 

「季節ごとにとれる食材が入ったコンテナを1個、ドンと目の前に置かれたら、やらざるを得ない(笑)。じいじの手伝いをしていたら、いつの間にか日常になってしまった感じです。農業の楽しさは旬の食材、その季節でないと食べられないものをいただけること。一度食べると、舌が覚えちゃうというか、本当においしいからまた作りたくなる。その繰り返しですね。季節ごとにやることが多くて、東京にいるより忙しかったりします」

 

 日焼けした笑顔で話す彼女からは、大分での充実ぶりが伝わってくる。逆に、苦労したことや、たいへんなことはあるのだろうか?

 

「いちばんしんどいのは(畑の)雑草取り。あっという間にジャングルになりますからね(笑)。イノシシやアナグマに芋を食べられたり、カメムシが異常発生したり。そんなことはたくさんあります」

 

 そんな彼女が力を入れて取り組んでいるのが、希少な在来種(在来作物)の栽培だ。

 

「いま出回っているのはF1品種というもので、種をとるのが難しいので、毎回、苗を買うんですね。でも在来種は種がとれるので、種の循環ができます。私はとうもろこしの一種のもちとうきび、日本最古のかぼちゃといわれる宗麟南瓜(そうりんかぼちゃ)、通常のきゅうりの倍以上はある青長地這胡瓜(あおながじばいきゅうり)などを育てています。この夏、大分はぜんぜん雨が降らなかったんですが、元気に育ちましたし、保存食としても持ちがいいんです。でも市場に出回らないから、ほとんど知られていないのが現状。もともと大分に伝わる種を知ってもらいたいと思っています」

 

 ともに活動する仲間たちが増え、その輪は広がりつつある。財前自身が交渉して、大分駅前に「財畑」という小さな畑を作り、在来作物の普及に取り組んでいる。

 

「財前の“財”を“たから”と読ませて“たからばたけ”と読んでいます。『財畑』でとれた食材で、シェフに料理をしてもらったりと、どんどん活動が活発化しているので、忙しくなっちゃって(笑)。でも、基本にあるのは、ご先祖様が大事にしてきたものを1回、私のところに留めて、それを未来の人にどう伝えていくか。これが私の大きなテーマになっています」

 

 農作業を通じて「自分の体は食べたもので作られる」と痛感する日々。作物が芽吹き、実るまでの過程を見守ることが、「こんなときはこんな感情かな」と、女優業のヒントにもなっていると語る。2026年1月に還暦を迎えた彼女に、今後について尋ねた。

 

「40歳で産んだ息子が、12月で20歳になります。子育て中は自分のやりたいことを我慢しがちになりますが、親の役目もほぼ終わり、いままで息子に注いできたこの愛情を、次はどこに向けたらいいの? って(笑)。そんな折に、在来作物と出合いました。作物に『見ないうちに大きくなって!』と話しかけたりと、育てる対象が変わった感じですね。今後は、たとえば在来作物のみとり豆を使った『財前さんちのぜんざい』なんてできないかな、とか。この愛しい作物を商品化していけたらと思っています。女優としても、いろいろな役を演じることが大好きなので、新しい役に挑戦していきたいですね」

 

 日々のなかで今いちばん大切にしていることを尋ねると、笑顔でこう語ってくれた。

 

「自分で自分の機嫌を取るというか。これからは、自分自身を楽しませる自分でいたいなって思っています」

 

 

ざいぜんなおみ
1966年1月10日生まれ 大分県出身 ドラマ『お水の花道』シリーズ(フジテレビ系)など出演作多数。『なおみ農園』(BS日テレ)が放送中。10月26日から放送のドラマ『青の花 器の森』(NHK)に出演。著書に『直見工房2 それからのこと』(宝島社)

 

 

写真・竹藤光市

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出典元: 週刊FLASH 2026年11月3日号

著者: 『FLASH』編集部

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