松下奈緒
単独の作品として観ても痛快なストーリーでおもしろかったが、さらに『ドクターX』主人公のゲスト出演や、『ザ・トラベルナース』第3シリーズへの期待感も膨らむ第1話だった。
松下奈緒が主演する医療ドラマ『アナログナース~デジタルってなんだよ!?~』(テレビ朝日系)が、10月22日(木)に放送開始。
初回の視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)は世帯10.1%・個人5.6%と高い数字を叩き出しており、TVerのお気に入り登録者数も44.1万(10月26日現在)とまずまず。上々の好スタートと言っていいだろう。
■流行りのシェアード・ユニバース作品
AIが急速に進化している近年、医療の現場も高度なシステムが管理する時代に突入していた。そんな時代に逆行するように、フリーランスの看護師・那須田灯(松下)がデータにもAIにも頼らず、患者たちを己の五感で救っていくという物語。
本作の最大の特徴は、複数の作品が世界観を共有するシェアード・ユニバースが採用されていることだ。
近年の国内ドラマ・映画では、ドラマ『アンナチュラル』(2018年/TBS系)、ドラマ『MIU404』(2020年/TBS系)、映画『ラストマイル』(2024年)がシェアード・ユニバース作品として有名。
とくに『ラストマイル』には『アンナチュラル』と『MIU404』の主人公含む主要キャラが登場したことが追い風となり、興行収入約60億円という大ヒット作になった。
今回の『アナログナース』は、米倉涼子主演で高視聴率を連発していた大ヒットドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズと、岡田将生・中井貴一のダブル主演作『ザ・トラベルナース』と同じ世界線の物語が紡がれていく。3作品ともテレビ朝日系で、すべて脚本家・中園ミホ氏が手がけている。
■『ドクターX』ゲストキャラが主役に!
そもそも『アナログナース』の主人公・那須田灯は、もとは『ドクターX』のキャラクター。2021年放送の『ドクターX』第7シリーズの第5話にだけ出演したゲストキャラだったが、「ナース版・大門未知子」とも称されるインパクトを残していた。
当然『アナログナース』の公式サイトでも『ドクターX』との関連性は記されており、ご丁寧に2021年当時に撮影された大門未知子(米倉)と那須田灯のツーショット写真も公開している。
『ドクターX』シリーズは2024年の映画『劇場版ドクターX FINAL』で完結を謳っているが、今度は逆に『アナログナース』に大門未知子がゲスト出演するのではないかと、期待を膨らませているファンも多いはずだ。
後述するが、『アナログナース』第1話ラストに『ザ・トラベルナース』の主人公2人がゲスト出演しているため、大門未知子登場の可能性は十分ありそうだ。
■『ドクターX』復活の可能性はあるか?
さらにうがった見方をするなら、テレビ朝日は『ドクターX』復活への “観測気球” 的な役割を『アナログナース』に託しているのではないかとさえ思える。
テレ朝としては高視聴率を連発していた『ドクターX』シリーズはできる限り続けたかっただろうが、主演の米倉が役柄のイメージが定着しすぎることを嫌って、シリーズが終了したというのがもっぱらの噂だった。
だが、その後、米倉の状況が一変。麻薬取締法違反などの疑いで書類送検されてしまったのだ。1月31日に米倉が自身の公式サイトで不起訴処分となったことを発表したが、イメージが悪化して俳優業に支障をきたしていることは想像にかたくない。
そのため、米倉自身も『ドクターX』で再起を図りたいと考えている可能性もあり、だとすればテレ朝サイドと米倉サイドの思惑が一致したことに。『アナログナース』に大門未知子がゲスト出演することは不自然ではないので、世間の反響を見て『ドクターX』を復活させるかどうかを検討するつもりなのかもしれない。
■『ザ・トラベルナース』と深い関係性
前述したとおり、『アナログナース』にはさっそく『ザ・トラベルナース』の那須田歩(岡田)と九鬼静(中井)の主人公コンビがゲスト出演。わずか1分半ほどのシーンだったが、2作品の関連性が強く匂わされたのが印象的だった。
『アナログナース』の主人公が那須田灯、『ザ・トラベルナース』の主人公が那須田歩という同じ苗字の時点で多くの視聴者が勘づいただろうが、2人が姉弟かもしれないというシーンが描かれたのである。
また、那須田灯が尊敬している人物が九鬼静であることも示唆されており、こちらの2人は師匠と弟子のような関係性なのではないか。那須田灯は『ザ・トラベルナース』主人公コンビとそれぞれ深い関係にありそうなので、那須田歩&九鬼静の再登場も濃厚だ。
さらに言うと、筆者は『ザ・トラベルナース』第3シリーズの計画が水面下で着々と進行しているのではないかと読んでいる。
2022年に第1シリーズ、2024年に第2シリーズが放送されているが、本作はスタート当初からシリーズ化を目指していた作品。実際、岡田は「続編をやれるようなドラマを作ろう」と意識していたことを公言していた。
■売れっ子・岡田将生の熱量高めコメント
今回の『アナログナース』ゲスト出演についても岡田と中井は公式サイトにコメントを寄せているが、特に岡田は次のように作品への愛情を隠さずに表現していた。
《撮影前日は、うれしくて眠れませんでした。僕にとって貴一さんはお父さんのような存在で、『ザ・トラベルナース』では本当に沢山のことを教えていただきました。僕の俳優キャリアの中でとても大切な作品なので、こうして『アナログナース』に『ザ・トラベルナース』チームとして出演させていただけるのはとても光栄です》(岡田将生コメント一部抜粋)
いまや超売れっ子で多忙な岡田が、ここまでの高い熱量を持ってくれているのだから、第3シリーズの制作は既定路線なのではないか。
『アナログナース』の放送開始により、くしくも『ドクターX』と『ザ・トラベルナース』の続編の可能性が見えてきた。いずれにしても、『アナログナース』は世界観を共有するこの3作品のファンに対して、サービス満点のドラマになることは間違いない。今夜は、第2話が放送だ。
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