TVerのウェブサイトより
10月28日、民放公式テレビ配信サービス「TVer」と在京民放5局が初めて合同会議を開催し、見逃し配信からの脱却を宣言した。しかし、これまで無料で番組を楽しんできた利用者からは、サービスの変化を懸念する声が相次いでいる。
今回の会議のなかで注目されたのが、TVerの代表取締役社長・大場洋士氏による発言だ。
「大場氏は『いまが生まれ変わるときだと考えています』と語り、見逃し配信中心のサービスから、テレビ番組との新たな出会いを生み出すプラットフォームへの転換を宣言しました。TVerはドラマやバラエティなどを無料で視聴できるサービスです。とくに、自分の住んでいる地域では放送されていない番組も楽しめることから、放送エリアの壁を越えてテレビ番組に触れられる貴重な存在となっています。それだけに、『脱却』という言葉に戸惑った利用者も多かったようです」(芸能ジャーナリスト)
実際、Xでは、
《余計なことしてサブスク代とか取らないでよ》
《脱却したらTVer価値無いよ》
といった厳しい声があがっている。
今回の発表では、番組の短い動画から本編へ移動できる新機能「シーン」の導入や、ホーム画面の刷新も示された。
「新機能の狙いは、利用者がふだん見ない番組にも興味を持つきっかけを増やすことでしょう。これまでTVerは、見たい番組を探して視聴するという使い方が中心でしたが、今後は短い動画を入り口に、これまで知らなかった作品にも触れてもらおうというわけです。一方で、利用者が求めているのは、必ずしも新しい機能ばかりではありません。放送終了後に好きなタイミングで視聴できるという手軽さが支持されてきただけに、今回の方針転換が従来のサービスにどのような影響を与えるのか、気になる人もいるのでしょう」(前出・芸能ジャーナリスト)
さらに、サービスの拡大によって将来的に有料化されるのではないかという不安も広がっている。
「現時点で見逃し配信の廃止や有料化が発表されたわけではありません。近年はドラマやバラエティ番組の人気を測るうえで、視聴率だけでなく、TVerの再生回数やお気に入り登録数も指標のひとつになっています。リアルタイムの視聴率だけでは見えてこなかった支持や話題性が可視化され、番組の評価にも影響を与えるようになりました。テレビ局側にとっても、その重要性は増しているはずです。今後は新規利用者の獲得だけでなく、既存ユーザーの満足度を維持できるかも課題になると思われます」(同前)
テレビ離れが進むなか、新たな視聴体験を打ち出したTVer。今回の改革が、利用者にとって歓迎される進化となるのか、注目される。
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