
「当時は週刊誌や新聞を必死に読みあさっていた」と東ちづる(写真・保坂駱駝)
お茶の間で一緒に問題に挑み、彼女たちの地頭と洞察力にあこがれた日々――。黄金時代のクイズ番組を支え、いろどった女性たち。『象印クイズ ヒントでピント』で好成績をキープし、クイズ番組の常連になった東ちづるに、撮影秘話といま実践している“脳トレ”を聞いた!
「25歳で芸能界入りし、最初は大阪でレポーターなどをしていました。『ヒントでピント』には、しばらくは大阪から通っていました」
東ちづるは、『金子信雄の楽しい夕食』(朝日放送・テレビ朝日系)のアシスタントを5年間務めた。金子のきわどいトークをものともせず、番組を進行する臨機応変さは、クイズ番組に打ってつけだった。
「たとえば浅井慎平さんのような、博学な方を相手に太刀打ちできるのは旬の話題だろうと、週刊誌や新聞を必死に読みあさっていましたね。どんな記事を読んでも、クイズに見えるんですよ(笑)。月に2回の収録が終わるころには、頭の使いすぎでヘロヘロになっていました」
『ヒント~』には1988年から2年間、出演し、いまも忘れられない問題がある。
「手塚治虫さんの絵の一部から作品名を当てる16分割問題で、正解はたしか『リボンの騎士』か、『ふしぎなメルモ』だったはず。最初のヒントで当てることができ、すごくうれしかったんです。相手チームの動きを先読みするのが解答の秘訣で、浅井さんは答えがわかると前屈みになるから、一か八か、賭けに出るの(笑)」
その後も複数のクイズ番組で、司会やレギュラー回答者を歴任。なかでもっとも思い入れがあるのが、1995~2008年放送の、クイズドキュメンタリー『世界ウルルン滞在記』(毎日放送)で約10年間務めたレポーターだという。
「もとは解答者だったんですが、戦争被害に遭った子どもたちを引き取り、治療やリハビリをして母国に帰すための施設『ドイツ国際平和村』の活動を追いました。そこで、平和は祈るだけでは得られないと学んだんです」
東は以来、今日まで何度も現地を訪れ、ほかにも多くのボランティアを続ける。
2012年には一般社団法人「Get in touch」を立ち上げ、代表を務めている。目指すはすべての人を大切にする「まぜこぜの社会」だ。
【おすすめ「脳トレ」は?】ピラティス、ヨガ、パーソナルトレーナーによる筋トレをおこなっています。筋トレによって分泌されるホルモンが、脳の元気につながるんです。
『象印クイズ ヒントでピント』(テレビ朝日系、1979~1994年)
16分割問題など、パネルを駆使したビジュアル問題が画期的で、司会の土居まさるさんと出演陣の軽妙な絡みも見どころだった。
取材/文・鈴木隆祐
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