芸能・女子アナインタビュー

【相川七瀬×矢井田瞳】いまだから明かせる“ステージハプニング”ライブ中に「ビビビッ」感電し「涙のバラード、痛くて泣いていたんです(笑)」

インタビュー 記事投稿日:2025.12.13 06:00 最終更新日:2025.12.13 06:00

【相川七瀬×矢井田瞳】いまだから明かせる“ステージハプニング”ライブ中に「ビビビッ」感電し「涙のバラード、痛くて泣いていたんです(笑)」

ほぼほぼ“初対面”という相川と矢井田(写真・福田ヨシツグ)

 

 2025年、デビュー30周年を迎えたボーカリストの相川七瀬と、25周年のシンガー・ソングライター矢井田瞳。これまで接点がほとんどなかったという2人が、「FLASH」で相まみえた「BIG BANG対談」後編は、なぜかプロ野球、横浜DeNAと阪神タイガースの対決からスタートです!

 

――相川さんは、横浜DeNAベイスターズの“勝利の女神”と呼ばれ、矢井田さんは、甲子園球場で阪神タイガースが勝利したときにのみ大型ビジョンで流れる『六甲おろし』を歌っていて、この対談はもうひとつの“リーグチャンピオン決定戦”ですね。

 

矢井田 たしかに。そう言われるとそうですね(笑)。

 

相川 ウチは父親が、昔からバリバリの阪神ファンなんだ。ヤイコちゃんが『六甲おろし』を歌っている映像を観たことあるよ(笑)。

 

矢井田 いや、でも私は阪神が勝ったらめっちゃうれしいし、負けたら悔しいという、いわば普通の関西人の阪神ファン。それに比べると相川さんは、足しげく横浜スタジアムに通っている熱烈なファンですから。

 

相川 そうなんだけどね……行きすぎていて、最近はちょっと疲れてきた感じがあるんだよね(笑)。

 

矢井田 えっ!? どういうことですか?

 

相川 女のコが、彼氏の家に通いすぎている感じ(笑)。最初は楽しいんだけど、そのうち通いすぎて、ちょっとしんどくなってきたぞ、みたいな、幸せなしんどさ(苦笑)。

 

矢井田 ははははは。わかります、わかります!

 

――お2人は、これまでほとんど接点がなかったということですが……。

 

相川 ディレクターが一緒だったり、スタッフ同士が知り合いだったりするんだけど、私とヤイコちゃんは、不思議なくらい一緒になる機会がほとんどなくて。

 

矢井田 いまツアー中とか、アルバムの制作に入っているとか、相川さんの情報は耳に入ってくるんですけどね(笑)。やっと今回、きちんとお会いできました。

 

■ボツ、ダメ、やり直し、を何百回も繰り返した

 

――近いような、遠いような、不思議な関係のお2人ですが、お互いの音楽をどう感じていたんですか。

 

矢井田 相川さんのヒット曲一覧を見ると、数の多さもすごいですけど、それが自分でも全部、歌えちゃうんですよ。タイトルを見たら、歌詞とメロディが自然に出てきて、その曲を聴いていた当時の自分の映像まで頭のなかに出てきちゃうんです。それって、すごいことだなと思います。

 

相川 でも私の場合は、歌詞を含めて全部、織田(哲郎)さんがジャッジしてくれるけど、シンガー・ソングライターは、全部、自分で判断しなきゃいけないわけでしょう?

 

矢井田 そうですね。だから、私は曲を書いたら一度寝かせて……お風呂に入ったり、ランニングしたりした後に聴き直します。そして、直すところは直す、切り捨てるところはバッサリと捨てる、という作業を何度も繰り返して、自分自身が “うん、これだ!” と思えるものができるまでチェックを繰り返している感じです。

 

相川 私が織田さんとやってきて、すごく勉強になったと思うのは、ボツ、ダメ、やり直し、というのをつねに何百回も繰り返したことかな。

 

矢井田 本当ですか!? 私はそれだけダメ出しされたら、心が折れちゃいます。

 

相川 でも最後、作品になったとき、なぜダメだったのかの答えがそこにある、という経験をさんざんしてきているので、文句を言えない(苦笑)。

 

矢井田 たしかに(笑)。

 

相川 それもあって、自分でジャッジすることができる人をうらやましいな、と思う半面、責任は全部自分だから、精神的にはきついんだろうなと思ったりするんだよね。

 

矢井田 それは難しいところですね。どっちも大変だし、どっちも楽しいし。

 

相川 ヤイコちゃん的には、最終的にこれでOK! と判断する基準はあるの?

 

矢井田 歌詞、メロディ、アレンジ……総合的にいちばんその楽曲が輝く方向を目指しているので、これがいちばん輝いていると思えたらOKで、これといった基準はないです。

 

相川 すべてが“カチッ”とハマる瞬間がある?

 

矢井田 そうです、そうです。カタカナ、ひらがな、漢字……歌詞の字面も気にするほうなので、それも含めて頭のなかで“カチッ”と音がする瞬間があるんです。

 

相川 そういうのを聞くと、全部自分で判断するのも悪くないと思うし……。

 

矢井田 で、相川さんのなかで、結論は出たんですか?

 

相川 答えは永遠に出ないと思うんだけど、いま思っているのは、織田さんとやるときは織田さんの判断に身を委ねて、そうじゃないときは楽曲のなかでは、等身大の自分に正直でいたいということかな。

 

矢井田 それ、めっちゃよくわかります。昔はカッコつけた歌詞を書いていて。それはそれで、その瞬間に思ったこと、感じたことを表現したいと思って書いたものなのでいいんですけど、いまは等身大の自分、カッコ悪いところも、だらしないところも、そのまま書きたいと思っているので。

 

相川 リアリティがあったほうが、ステージに立ったときに一曲一曲、納得しながら歌えるしね。

 

矢井田 それがあると、さらにステージが楽しくなります。

 

■2人のライブ中のいちばんの失敗は?

 

相川 失敗して痛い思いもするけどね(笑)。

 

矢井田 たしかに(笑)。私も数えきれないほどたくさんの失敗をしてきましたが、相川さんのなかでのいちばんは?

 

相川 ライブの途中で、メロディがどうやっても出てこなかったとか(苦笑)。

 

矢井田 歌詞じゃなくて?

 

相川 うん、メロディ(苦笑)。

 

矢井田 それもすごいな。で、どうしたんですか?

 

相川 途中で止めて、ステージの袖に行って、スタッフに歌って教えてもらった(苦笑)。

 

矢井田 メロディが出てこないというのはないですけど、でもライブって、本当に思いもしなかったことがちょいちょい起きますよね。

 

相川 若いころはすぐにパニクっちゃっていたんだけど、歳を重ねてごまかし方がうまくなってきて。トラブルを装って、スタッフを呼び込むとか(笑)。

 

矢井田 わかります(笑)。

 

相川 でもねこの前、この30年で初めて、歌いながら後ろ向きに転げたときは、ごまかしようがなかった。

 

矢井田 後ろ向きに? それ、ヤバいやつじゃないですか!

 

相川 そうなんだけどね、ギタリストの股の間に落ちていきながら、それでもマイクを離さず歌い続けている自分に笑っちゃった(笑)。

 

矢井田 私は、ライブ中に泣きながら歌い続けたことがあります。

 

相川 感動で?

 

矢井田 いえ、感電して。

 

相川 何それ!? どういう状況?

 

矢井田 水のカーテンのなかで歌うという演出だったんですけど、なぜか本番で、水のカーテンが揺れてしまって、それでビビビッと。相川さんは感電したことないですか?

 

相川 ない、ない、ない。

 

矢井田 ビリビリビリッときた瞬間は、このまま死んじゃうんじゃないかと思うくらい痛かったんですけど。

 

相川 マイクは絶対に離さなかった?

 

矢井田 それだとカッコいいんですけど、離さなきゃと思っても指が離れなくて。しかも、唇がどんどんマイクにくっついていっちゃって。

 

相川 本当に?

 

矢井田 本当です。バラードを歌っているときだったので、観ている人は感動して泣いていると思ったかもしれませんが、本当は感電して泣いていました(笑)。

 

相川 大丈夫だったの?

 

矢井田 いまもこうして生きているので大丈夫です(笑)。

 

――最後にお2人に質問です。これからの自分に期待していることを教えてください。

 

矢井田 新しいことにどんどんチャレンジして、新しい扉を開けていければ、次につながるのかなと思っています。

 

相川 私は、やりたいことがいっぱいあって。いまできないことは未来の自分にまかせるようにしているんだけど、ヤイコちゃんとのコラボもそのひとつです。

 

矢井田 えっ!? そうなんですか?

 

相川 11月8日に、いろんな人とコラボした『FIREWORKS』というアルバムをリリースしたんだけど、そのなかに、ヤイコちゃんとのコラボを入れたかったんだよね。

 

矢井田 おーっ! それは、うれしいです!

 

相川 でね、ディレクターに相談したら、「ヤイコはデビュー25周年のアルバム制作中で、相川さんと同じくパニクってるから無理です」と一刀両断にされて(苦笑)。

 

矢井田 ははははは。たしかにそうでした。

 

相川 次の周年のときにと思ったんだけど、ちょうど5年違いだから、どこまでいっても周年のタイミングは一緒なんだよね。

 

矢井田 5年後、私が30周年のときは相川さんが35周年で、10年後、私が35周年のときは――。

 

相川 私が40周年(笑)。だからね、そのときになって「しまった、もっと早く頼んでおくんだった」と後悔しないために、いまから頼んじゃおうかなと思って。

 

矢井田 ぜひぜひ!

 

相川 じゃあ、約束ね。

 

矢井田 5年後、一緒に楽しみましょう。

 

やいだ ひとみ
1978年7月28日生まれ 大阪府出身 19歳でギターと出会い曲を作り始め、2000年5月『Howling』でインディーズデビュー。同年7月『B’coz I Love You』でメジャーデビュー。2007年に結婚し、2009年に長女を出産。2025年8月に、デビュー25周年記念アルバム『DOORS』をリリース

 

あいかわ ななせ
1975年2月16日生まれ 大阪府出身 1995年『夢見る少女じゃいられない』でデビュー。その後もヒット曲を数多く世に送り出し、現在までのCDのトータル売り上げは1200万枚を超える。2020年に國學院大學神道文化学部を受験し合格。卒業後、同大の大学院に進む。2025年11月8日、ミニアルバム『FIREWORKS』をリリース

 

ヘアメイク・久保フユミ(相川)
取材&文・工藤 晋

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出典元: 週刊FLASH 2025年12月23日号

著者: 『FLASH』編集部

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