
家賃5万円のワンルームで暮らすビッグダディこと林下清志氏
『痛快!ビッグダディ』(テレビ朝日系)の放送から20年――。鹿児島で無一文となり、路上生活を経て現在は浅草で暮らすビッグダディこと林下清志氏。インタビューの後編では、元妻・美奈子との“意外なその後”や、孤独な暮らしぶりを語ってくれた。
合計5回の結婚を経て、現在は独身で彼女もいないという林下氏だが、今も恋愛は諦めていないという。
「浮気しない嫁をもらうことですね(笑)。俺はね、一回も浮気ってしたことないんですよ。されてばっかりだから、その辛さを知ってるからね。だからこれまでも既婚者は恋愛対象になったことがない。
まあ、浮気されるのは、俺に不満があるんでしょうね。だって、そうとしか考えられないんですよ。浮気する女って、新しい男ともっといい生活をしたいっていうことなんですよ。だから、そんな嫁はいらないんですよ。外で、年寄り夫婦が手を繋いで歩いてるのを見ると、『俺もあそこ目指さなかったわけじゃねえんだけどな~』と思っちゃうわけですよ」
だが、世間からは“女好き”の印象を抱かれている。
「そうだよね。子供が多いだけで、セックスが好きで、しょうねえ男だろうな、って思われてるでしょ。少し前に『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)に出たときにもスタッフに『あの番組(痛快!ビッグダディ)でどうやって儲けたんですか?』って言われたんですけど、『 一銭も儲かってねえよ!』って。だから、世間のイメージなんて、いい加減なんですよ」
既婚者は口説かないが、バツがついている女性は問題なしというのが、ダディの恋愛における美学。番組内で結婚した美奈子も、バツがついていた。
「バツは全然いいんですよ。美奈子だって、前の旦那の子供 5人連れて、俺と一緒になったでしょう。連れ子が懐くかどうかで、俺の親としての資質がわかるなって思ったけど、みんな『清志さん、清志さん』って呼んでくれて、懐いてくれましたからね」
じつは美奈子とは番組終了後も連絡を取り合っていたという。
「2年くらい前まで、たまに連絡取り合ってたんですよ。それである時、『俺と再婚しようか』って言ったら、『私は結婚は向いてないと思う』ってきっぱりフラれた(笑)。そこからは連絡は取ってないですね」
これまでの結婚相手には共通点があるという。
「どの嫁も、ほとんど料理作らなかったな(笑)。料理は基本的に俺が作ってましたね。しかも、番組に出ていたころもコンビニで買い食いする余裕なんてなかったから、みんなで草むら行って、野草を探しましたよ。
『今日はアロエを食おう』って言うと、子どもたちは『アロエって食えるの?』って目を輝かせてね。『ただ、公園のアロエを取りに行くから、人に見つかっちゃダメだぞ』って、子どもたちが楽しめるように、イベント性を持たせるわけです。公園にいる人に『林下さん、どうしたんですか?』って言われても、じーっと黙ってね(笑)。楽しかったなあ。そこらへんの草むらでも、探せば、結構食べられるものありますよ」
大家族での暮らしから一転、孤独なワンルーム生活となった林下氏。現在の楽しみは“酒とサボテン”だという。
「お酒はやっぱりやめられないですね。仕事終わりにひとりで飲む一杯が格別です。それから、小さなサボテンを育てていて、これを眺めるのも楽しいですね。ただ、完全に孤独というわけじゃなくて、それこそ女子プロレスラーになった詩美とか、子供たちもちょくちょく顔を出してくれるんですよ。『何かご飯作って』なんて言われると、本当に可愛くてしょうがないんだよね」
還暦を迎えた今、生き方はもう変えられないと悟ったようだ。
「しょっちゅう道端で絡まれるんですよ。以前、名古屋の中区で小雨が降る中、歩いていたら、3人組に『おい急げよチビ』って言われたんですよ。それでカチンときちゃって、喧嘩が強くもないのに『なんだ、お前、この野郎。こっち来い!』つって。気がついたら、雨降ってるゴミ袋の上に捨てられて、『あー、やられたなー』って。そんなことしてるから、ダメなんですよね(笑)。
でも、自分の人生は面白かったなと思いますよ。自分でも、面白い生き方をしてきたなと思ってます。だから俺、最後はもしかしたら、子どもら集めて『俺、明日首吊るけど、そんな悲しい話じゃねえからな』って言って、首吊るかもしれません。なんていうか、病院や畳の上で子供たちに囲まれて穏やかに……というタイプじゃないんですよ。周りの人にも『あの人は面白く生きたから、もう何の後悔もないだろうな』と思ってもらえればいいんです。それがカッコいいと思ってる俺もいるんですよね。
将来は地面に穴を掘って、そこでひっそり暮らしたいと思ってますね。だから、自画像代わりのイラストは、いつもモグラを描いているんですよ。とにかく世の中は、いろいろと生きづらくなってきましたけど、俺はもっと、みんな自分らしく生きるべきだと思いますよ」
林下氏は“世間の声”を過剰に気にする今の日本を憂いている。
「人に何かを言われたからって、それを気にして、自分の人生をぐちゃぐちゃにするとか、もったいないんです。世間の言うことなんか気にしなくていいんですよ、みんな想像でモノ言ってるだけなんだから。
うちの息子も、『お前の親父、テレビに出てすげえ金もらってるらしいな』って言われて、『いや、俺、そんな話聞いたことないよ。なんで俺の知らない、うちのこと知ってんの?』って言ったら、もう何も言わなくなったって。その子が小学校2年生のときの話だから、子供が自分の発想でそんなこと言うわけないんですよ。その親が言ってるんですよね。まったく世間の言うことなんて気にしなくていいんですよ。俺はよく自分の絵や書に『魂は武器なり』って書くんですけど、本当に魂が武器なんですよ。気持ちで生きるべきだと思いますよ」
ビッグダディの提言が心に響く人は少なくないはずだ。
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