
初対談の場所は、相川七瀬お気に入りという都内のBARでおこなわれた(写真・福田ヨシツグ)
魂がシャウトする相川七瀬(51)の「BIG BANG対談」第11弾は、同時期にデビューしたロックバンドSOPHIAのボーカリスト・松岡充(54)を迎え、同期しか知らない、同期だからこそ話せる、ここだけの話を全面開放! 何が飛び出すか、本人たちもハラハラ、ドキドキの初対談が今、幕を開ける。
ーーお2人は、ともに1995年デビューの同期生です。
相川 私が1995年11月8日で、SOPHIAが10月2日だから、松岡くんのほうがちょっとだけ先輩。
松岡 まぁ、そうなんだけどね。あのころはデビューっていっても、何か派手なイベントがあるわけじゃなくて。ツアーの真っ最中だった俺らは、北海道に渡るフェリーの中でデビュー当日を迎えたからね。
相川 えー! 本当!?
松岡 2等船室の畳の上でメンバー5人がゴロゴロ、ゴロゴロ転がりながら「今日、デビュー日ちゃうか?」「ん!? そうやな」っていう会話を交わしたのを覚えてる(笑)。
相川 SOPHIAとは同じ番組に出たことはあるけど、仕事で絡んだことって、ほとんどないよね。
松岡 SOPHIAは群れない、つるまない、フェスにも出ない、コンサートは単独でというのが、当時の事務所の基本方針やったこともあって。だから、七瀬ちゃんと2人でというのは今回が初めてかも!?
相川 テレビ、ラジオでもないし、雑誌の対談もなかった。これが、記念すべき初仕事だよ(笑)。
松岡 当時は、LUNA SEAの(河村)隆一くんと3人でよくご飯を食べに行くことがあったから、そういう感じは全然せえへんけど、よ~く考えてみたら初めてや(笑)。
■真っ白なツーシーターの高級車で現われて……
相川 当時、SOPHIAは東京・狛江市にあるワンルームマンションを5人分借りていたじゃない。隆一さんと3人でご飯を食べた後、松岡くんを送って狛江まで行ったことが何回かあったよね。
松岡 記念すべき初対談で、そういう話をする?
相川 あったでしょう、送って行ったことが何回か(笑)。
松岡 あったけどさ。送ってもらったというのはカッコ悪いやん(苦笑)。
相川 そうかな?(笑)
松岡 当時、俺は頑張ってローンで買ったマツダの真っ赤なRX-7に乗ってたんやけど、まず隆一くんがフェラーリでやって来てーー。
相川 そうそう。真っ赤なフェラーリね。
松岡 で、ミリオンセラーボーカリストの七瀬ちゃんは、車種は言わんけど、真っ白なツーシーターの高級車。横に並べると、自分の車がミニカーみたいに見えて、「俺の車に乗ってく?」とは言われへんやん(笑)。
ーーお互いの第一印象を覚えていますか?
松岡 え~~~~~っ!? 初めて会ったのは……いつ、どこやったんやろう? 七瀬ちゃんは覚えてる?
相川 思い出せない。覚えてないかも。
松岡 初めて会ったのがいつ、どこだったのかは覚えていないんだけど、強烈に覚えているのは、ジュディマリ(JUDY AND MARY)のYUKIちゃんとPUFFYの(吉村)由美ちゃんと七瀬ちゃんという、俺から見たら3大DIVA(歌姫)のメシ会になぜか呼ばれたときのことやね。
相川 (東京・世田谷区)三宿ですね(笑)。
松岡 そう。呼ばれて行ったら、そのDIVAたちが業界の話題で超盛り上がっていて。俺は3人の間でピンボールのようにあっちに飛ばされ、こっちに飛ばされ。黙って頷いているしかなかったのを覚えてる。
相川 まったく覚えてないけど、ありそう。
松岡 ありそうじゃなくて、実際にあった話やから。で、さんざん盛り上がった後、「で、SOPHIAはどうなん?」って言われたんやけど、そんなん答えられるわけないやん、3大DIVAを前にして。しようがないから「うん。まぁ、そうだね」みたいな返事をするしかなくて(苦笑)。
相川 えー、そんなことあったっけなぁ(笑)。
松岡 あった。とにかくもう、えげつないメシ会やった。また誘われても、絶対に行かんとこうと思ったくらい、強烈やったから。
相川 YUKI姐さんは、青春していました。
松岡 いえいえ。あなたも由美ちゃんも、相当なものでしたよ。ドン、ドン、ドンと座っていて、その横で俺がちょこんといるという。そんな感じやったから。
相川 何を話していたんだろう?(笑)
松岡 俺は明確に覚えていますけど、内容が壮絶すぎてここでしていい話じゃないから絶対に言わない……というか、言えない(笑)。
相川 わかった。じゃあ、後で個人的にこっそりと聞くことにするね(笑)。
ーー相川さんは、松岡さんのことをどう見ていたんですか?
松岡 そこや。そこを聞きたかったんや。CDを渡しても感想を聞いたことはないし、もしかして聴いてなかった?
相川 そんなアホな、ちゃんと聴いてるよ!! 全部、聴いているけど「今回のアルバムよかったよ」とか「この曲が……」とか、あんまりアーティスト同士言わないでしょう?
松岡 まぁ、そうね。お互い言わないかな。
相川 こういう詞を書くんだとか、こういう詞の歌をソフトタッチで歌ったりもするんだとか、どういうチャレンジをこのアルバムでしているのかとか、めっちゃくちゃ聴いていたけど、それを言葉にしては伝えていないかも。
松岡 じゃあさ、この際だから聞くけど、七瀬ちゃんは俺のことどう見てたの?
相川 松岡くんのほうが3つかな、年上なんだけど、限りなく同い年みたいな感覚でいたような気がする。
松岡 ほぅほぅ。そんな感じやったんや。
相川 私は歌詞を書くのがすごく苦しくて、いつも追い詰められた気分になっていて。YUKIさんや隆一さん、(L ’Arc~en~Cielの)HYDEさんとかに当時アドバイスをもらっていたけど、みんなすごく上手に困難を乗り超えていっているように見えて。
松岡 で、俺だったわけや。
相川 松岡くんは、苦しいときは苦しいってちゃんと言える人だから。クリエイティブな悩み、苦しさを言い合える人、いちばん近いところにいる仲間という感じだったかな。
松岡 歌詞は言葉の羅列ではあるんだけど、そこに心がないと、どれだけ書いても誰の心にも届かないし響かない。
相川 心の断片が折り重なって、歌詞になっていくものだもんね。
松岡 作詞は自分の嫌なところ、他人には見せたくない感情をさらけ出して、心の扉をグイッと開けて、その心の中にあるヒダをつぶさに言葉に置き換えていくという残酷な作業だからね。当時、七瀬ちゃんはそこで苦しんでいたのを覚えてる。
相川 それそれ。そういう話を松岡くんとはよくしてたね。
松岡 七瀬ちゃんは当時、織田(哲郎)さんと一緒にやってたから、七瀬ちゃんが描く世界観と、織田さんがこうなってほしいと思う “相川七瀬” の間にあるちょっとした誤差、うまくいってるときはまるで気にならないけど、何かあったときに気になっちゃうよね、という話とかね。
相川 そういうとき、松岡くんはいつもアイデアをくれるんですよ。「あの映画がよかったよ」とか「この本はおもしろかったで」とか。
松岡 俺からすると、最初に悩んでいると聞いたときは、 “マジか!? あの相川七瀬でも悩むんや” という感じやったんやけどね。
相川 松岡くんと話をする前までは、自分の感性を刺激するということを知らなかったから、ためてきたものを吐き出すというアウトプットの一方通行だった。そうやってどんどん疲弊して、枯渇していく一方の私に、心に刺激を与えること、インプットの大事さを教えてくれたのが松岡くんだったと思う。
■活動休止のまま消えてなくなるのはファンに失礼
ーーそこから30年。お2人とも、ずっと走り続けてきました。
松岡 SOPHIAのキーボーディストで、学生時代からの仲間でもある都啓一(54)が、がんに侵されたとわかったとき、僕の中でがむしゃらに走ってやってきたことが一度終わりになって。幸い都は無事に生還してくれたんですけど、みんなで話し合って、一度SOPHIAとしての活動を休止しているんですよ。
相川 復活したのが9年後の2022年。9年はかなり長かったよね。
松岡 長かったね。
相川 メンバーに声をかけたのは、松岡くん?
松岡 そう。この活動休止のまま消えてなくなるのはファンに対して失礼だから、SOPHIAとしてステージに立って、みんなに挨拶する機会を作ろうって。
相川 メンバーも「やろう!」って同じ気持ちだったんだね。
松岡 俺も含めてね。
相川 活動休止前と後、松岡くんの中では同じSOPHIA? それとも、生まれ変わった新しいSOPHIA?
松岡 う~~~~~ん。俺の中では、新しいSOPHIAかな。活動休止前は、SOPHIAというバンドをスタートさせた者としてバンドの全責任を自分が背負わなあかんと思ってたんだけど、今はそれぞれが自分の役割を担うべきだと思うし、肩の荷を下ろした感じかな。
相川 活動休止期間を経て、どういう形になったと思ってる? LUNA SEAは、隆一さんが “実家” って例えてた。
松岡 それともちょっと違っていて。言葉にするのは難しいけど、それでもあえて言葉にするとしたら “バンド” かな。
相川 バンド。それも、わかるような気がする。
松岡 デビュー当時は、マンションの同じ棟の中でワンルーム5部屋を借りていたけど、今は5つの家が並んで建っていて、それぞれの家族が住んでいる感じかな。
ーー9年の間に音楽業界も大きく変わって、CDから配信の時代になっています。
松岡 問題はそこやねん。七瀬ちゃんは、今でもCDを出してるの?
相川 出してますよ、一応。
松岡 出してるのか……。
相川 昔は車でCDを聴くのが普通だったけど、CDを入れるところがなくなって、Bluetoothが当たり前だし、家で自分の曲を聴くときも、iPhoneからBluetoothを飛ばして聴いているけどね。
松岡 そうやねん。マスタリングも、以前は世界最高峰のスタジオといわれるロサンゼルスのバーニー・グランドマン・マスタリングまで行って、ドキドキしながら聴いていたのに、今はパソコンの画面で、「はい、できました!」やからね。
相川 え~~~っ!? だよね。
松岡 そう、え~~~っ!? なんよ。
相川 でもね、中学生の娘に言わせると、ファンにとってCDは尊いグッズなんだって。
松岡 へぇ、そうなんや。それは知らんかった。
相川 「配信でいいんじゃないの」って言ったら、そんなの絶対にダメだって。「推しにとってCDは “神グッズ” なんだから、絶対に出し続けなきゃダメだからね」って言われちゃった(苦笑)。
松岡 嘘や!? 聴かれへんものを出す意味はないやろう?
相川 だからね、そこは割り切って考えるしかないんじゃないかな。たとえば、形はCDなんだけど、中には皿(CD盤)はなくて、歌詞を見せるための写真集になっているとか。飾っておきたくなるようなものを考えていく時代がもう来てるかもしれないね。
松岡 なるほどなぁ、それはええかもしれん。この前、レコード会社と打ち合わせがあって、CDを出す意味はもうないから出すのはやめようかという話になったんやけど……考え直すわ(笑)。
相川 そうだよ! ファンにとっての大事なCDは出し続けて(笑)。
あいかわななせ
1975年2月16日生まれ 大阪府出身 1995年『夢見る少女じゃいられない』でデビュー。その後もヒット曲を数多く世に送り出す。2020年に國學院大學神道文化学部入学。2026年、同大学院博士前期課程修了。今年11月2日、30周年ツアーファイナルとして日本武道館でのライブが決定。現在、相川七瀬30周年を記念したオールタイムベストアルバム『Rock‘N’Roll Journey~30th Anniversary Best~』が発売中!
まつおかみつる
1971年8月12日生まれ 大阪府門真市出身 1994年にロックバンドSOPHIAを結成。翌1995年にメジャーデビュー。2002年に、ドラマ『人にやさしく』(フジテレビ系)で俳優デビューし、映画、舞台などに多数出演。2010年公開の映画『仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ』では、仮面ライダー史上最凶のライダー、「仮面ライダーエターナル」に変身し、話題を呼んだ。7月10日~名古屋を皮切りに、全国ツアーがスタート
写真・福田ヨシツグ
取材&文・工藤 晋
ヘアメイク・久保フユミ(相川)、戸倉陽子(松岡)
撮影協力・Jubilee ~LIVE Salon & BAR~
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