芸能・女子アナインタビュー

中山美穂さんは「いいちこ」20度、大鶴義丹がうなる「宇宙一うまい液体」…芸能人が愛した酒

インタビュー 記事投稿日:2026.08.28 06:00 最終更新日:2026.08.28 06:00

中山美穂さんは「いいちこ」20度、大鶴義丹がうなる「宇宙一うまい液体」…芸能人が愛した酒

肩肘の張らない焼酎を愛した中山美穂さん(左)、大鶴義丹は生ビールをグビリ!

 

 酒の呑み方ほど、その人間の素顔と生きざまが露わになるものはない。ひとたびグラスを傾ければ、それぞれの譲れない美学や秘められたドラマが見えてくる。

 

 女優の橋本マナミがこの日、訪れたのは東京・銀座のそば店「山形田」。故郷の酒と郷土料理を求めて、取材やプライベートで何度も訪れている店だ。

 

「私好みの甘口なんですよ。フルーティで飲みやすい!」

 

 女将がずらりと並べた十数本の一升瓶から、橋本が最初に口にしたのは「上喜元 純米大吟醸 つや姫」。山形で暮らす弟に「このお酒、おいしいよ」とすすめられ、飲み始めた酒田市・酒田酒造の銘柄だ。

 

 続いて指名した「朝日鷹」は、「十四代」で知られる村山市の高木酒造の普通酒。同じ蔵が醸す酒ながら、地元で日常の酒として親しまれてきた。

 

「もちろん十四代も大好きですよ。でも、ここで私が選んだら、『やっぱり芸能人は十四代なんだ』って思われちゃいそう(笑)。朝日鷹はするすると入っていく感じだけど、コクもしっかりあって、おいしいですね」

 

「くどき上手」は鶴岡市の亀の井酒造を代表する銘柄で、今回の「虹色 ばくれん」は夏向けの超辛口大吟醸だ。

 

「超辛口だけあって、切れ味はあるけど、やはりどこか甘みを感じるんですよね、山形のお酒って。山形人にそんなところがあるんだと思います。シャイで口下手なんですけど、根はお人好しであったかいんです。この店で山形出身の人と集まると、そう思います」

 

 橋本にとっての山形の酒のように、酒と土地との縁は、スターたちの人生にも刻まれている。

 

 三國連太郎さんが愛した「又兵衛」は、福島県いわき市の四家(しけ)酒造店の酒だ。名優の名をほしいままにした三國さんは、映画『釣りバカ日誌』シリーズでの西田敏行さんとの名コンビぶりが忘れがたい。いわき市もロケ地となり、打ち上げの席で出されたのが又兵衛だった。

 

 これを、下戸に近い三國さんがいたく気に入った、と耳にした四家酒造店の先代代表が大吟醸を謹呈。以降、息子の佐藤浩市もほれ込み、『とんねるずのみなさんのおかげでした』(フジテレビ系)出演時も、お土産に持参するほどだった。

 

「三國さんは酒粕もお取り寄せくださり、牛乳と混ぜて毎朝、召し上がったそうです。NHKの『世界・わが心の旅』でベルリンに行かれた際も、現地の方へのお土産に使っていただきました」(現代表・四家久央氏)

 

 西田さんもまた福島の酒をこよなく愛した。亡くなる数日前にも、同級生同士のSNSに県産の地酒の写真を添え、「福島の酒はうまいね」と投稿していたほど。ことにお気に入りは会津坂下(あいづばんげ)町の廣木酒造本店の「飛露喜」で、足しげく通った東京・世田谷の寿司店での定番だった。

 

 高倉健さんは、2004年ごろから長野県佐久市の橘倉(きつくら)酒造の甘酒を愛飲。東京支店長がたまたま洋服店で出会った高倉さんに大吟醸を贈ったところ、不器用ならぬ“不調法”である旨を記した丁寧な礼状が届いた。そこで甘酒を贈ると、毎月6本注文し、2014年に亡くなるまで飲み続けたという。また、盆暮れには親しい俳優や歌手、スポーツ関係者ら約150人にも同じ甘酒を贈っていた。

 

 また、噺で扱うだけに落語家には日本酒党が多いが、桂枝雀さんはその独特な飲み方で知られた。「鶴飲み」といって、首を伸ばして器に口をつけ、酒をじっくり飲み下すのだ。この奇怪な所作を偶然、居酒屋で目にしたファンも多数おり、その目撃談によれば、飲むのは大阪府池田市の「呉春」一本槍だったとか。

 

 ひるがえって焼酎では、肩肘張らない個性が見受けられる例が多々ある。

 

 番組プロデュースや美容本で大ヒットを連発するMEGUMIが行き着いたのは、誰もが知る三重県四日市市の宮崎本店の「キンミヤ焼酎」だ。レモンサワーにハマったことから、甲類乙類さまざまな焼酎との相性を試し、最後に残ったのがキンミヤだった。

 

 中山美穂さんが愛飲したのは大分県宇佐市の三和酒類の「いいちこ」。とくにアルコール度数20度が好みで、自ら公言した結果、同社の記事広告にも登場したほど。2025年に催されたお別れの会では、そのフラスコボトルが配られた。

 

 お笑いコンビ・納言の薄幸は、合同酒精が北海道旭川工場で製造するしそ焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」に特別な思い入れがある。初めてお笑いの仕事で稼いだ給料で、両親と居酒屋に行ってボトルを入れ、ご馳走した“運命の一杯”なのだ。

 

 松田優作さんの愛飲酒をあげれば、福岡県久留米市の紅乙女酒造のごま焼酎「紅乙女」や、スペインのドライシェリー「ティオ・ペペ」など幅広いが、バーボンなら「オールド クロウ」。1835年、米ケンタッキー州生まれの元祖バーボンだ。主演映画『処刑遊戯』の劇中にも登場させるぐらいで、亡くなる前に最後に立ち寄ったバーでオーダーしたのもこの酒だったという。

 

 巨匠・黒澤明さんが愛したのはスコッチの「ホワイトホース」。かつては珍重されたが、いまや大衆酒だ。自宅でも常飲したが、忘年会などでしょっちゅう使い、看板まで書いた横浜元町の和食店「梅林」(現・春鶯亭ひら)でも同様。亡くなって30年近くたっても、店には当時のキープボトルが残されている。

 

 小泉孝太郎は、埼玉県秩父市のベンチャーウイスキーが製造する「イチローズモルト」を好む。自宅に入り切らず、事務所にも集めたボトルを置くウイスキーマニアで、稀少品でも「酒は飲むものだから」とためらわずに封を開けるという。

 

 筋金入りのウイスキー通であるタモリがもっとも好むのは、アイラの「アードベッグ」という。そして、タモリの行きつけのバーで銘酒の数々をおごられ、ウイスキーに開眼したのが福山雅治だ。アードベッグのなかでもレアな「オールモスト・ゼア」を好み、ときには氷、グラス、そしてボトルをセットで持ち歩くほどのこだわりを見せるようになった。

 

 ビール党にはなぜか女性が目立つ。フリーアナウンサーの馬場典子は「ビール検定2級」や「ジャパンビアソムリエ」の資格を取得するほどの熱の入れよう。京都ビアラボの「茶ビール」など国産クラフトに傾倒している。

 

 また、比嘉愛未は地元・沖縄の「オリオンビール」を常飲するが、「東京と沖縄では、気候や湿度が違うから味が変わる。とくに沖縄で海を眺めながら飲むのが最高」と語る。

 

 元スピードスケート金メダリストの高木菜那は、Instagramに《やっぱりサッポロクラシックは美味しい》と投稿。北海道限定品で、訪れるたびに飲みたくなるという。

 

 サッポロといえば、本誌取材で「よく冷えた黒ラベルは宇宙一うまい液体」と語ったのが大鶴義丹。かつてはキリンラガービールのCMに出演し、本誌取材時にはスーパードライもうまそうに飲み干したが、「黒ラベル一択の老舗が多い」という理由で、中央線沿線に住み続けるほどのサッポロ派だ。

 

 ワイン通では、松任谷由実が知られる。山梨県甲府市の老舗ワイナリー・サドヤの「シャトーブリヤン」を自身のXで《特にここんちのはエクセレント!!》とベタ褒め。ボトルに頬寄せた姿を投稿して話題になった。

 

 稲垣吾郎も芸能界屈指のワイン愛好家。番組企画で100万円分の買い物権を得て、自身の生まれ年である1973年から1990年代までのボルドー最高峰「シャトー・ムートン・ロートシルト」を20本ほど一気に大人買いし、贅沢に飲み比べをした逸話を持つ。

 

 だが、ワインの伝道師の辰巳琢郎はさらに一歩踏み込んでいる。岩手くずまきワイン(葛巻町)とタッグを組んで、山ぶどうを素材に採用し、スパークリングの「今様」を生み出したのだ。

 

「1979年に当時の町長の呼びかけで、ワインを造って町の特産品にしようと、山ぶどう栽培に乗り出したんです。1980年代後半には製品化に成功していましたが、しばらくは評判になりませんでした。それが、20年ほど前から辰巳さんらが注目してくれたおかげで徐々に浸透し、2012年の最初の『今様』誕生に至りました」(同社・鳩岡明彦営業部長)

 

 辰巳は2011年の東日本大震災を機に、「東北のために何かできないか」とワイン造りに着手。生産者の顔を持つようにもなったのだ。

 

 選ぶ銘柄も違えば、飲み方の流儀も十人十色。酒にまつわる逸話には、表舞台とはまた違う、それぞれの素顔がのぞくものだ。

 

取材/文・鈴木隆祐

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出典元: 週刊FLASH 2026年9月1日号

著者: 『FLASH』編集部

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