芸能・女子アナインタビュー

楽器初心者がわずか1年で急成長、沖縄アクターズスクール発バンド・E’sekaiの正体

インタビュー 記事投稿日:2026.09.18 20:00 最終更新日:2026.09.18 20:00

楽器初心者がわずか1年で急成長、沖縄アクターズスクール発バンド・E’sekaiの正体

E’sekaiのメンバー。左から結南、心優、愛音、波美

 

 沖縄アクターズスクールから誕生したガールズバンド「E'sekai(イセカイ)」をご存じだろうか。メンバーは心優(ベース&ボーカル)、波美(ギター&ボーカル)、結南(ギター)、愛音(ドラム)の4人で、平均年齢は16.75歳。「歌って踊れるガールズバンド」というコンセプトを掲げ、2026年4月に1stシングル『異世界』でデビューすると、わずか数カ月後には10代アーティスト限定の音楽コンテスト「マイナビ 閃光ライオット2026 produced by SCHOOL OF LOCK!」のコピバンステージで優勝を果たすなど、若手バンドとして急速に存在感を高めている。 7月には2ndシングル『TRIGGER』を配信リリースし、9月にはバンド初となるミュージックビデオが公開。SNSではライブ映像が100万回超の再生数を記録するなど注目を集めている彼女たち。結成から1年を迎えたタイミングで、音楽との出会いからバンド結成の裏側、そして今後目指す姿まで、じっくり話を聞いた。

 

●アニメを見て踊ったり、学校で習う歌を熱唱したり

 

――まずは音楽やダンスに興味を持ったきっかけについて教えてください。

 

心優「私は3歳の頃にダンスを習い始めました。テレビアニメ『それいけ!アンパンマン』を観ている時にずっと踊っていたので、お母さんが『ダンス教室に通わせてみよう』と。そこからずっとダンスを続けています」

 

波美「小さい頃から歌うのが好きで、NHKの子ども向け番組に出てくる“うたのおねえさん”に憧れていました。将来はそういった道に進みたいなと思っていましたが、ダンスはやったことがなかったため、小学5年生の時に仲良しの友だちに誘われてダンス部に入りました」

 

――小学校にダンス部があるんですね?

 

波美「はい。でも、沖縄ではけっこう珍しかったと思います」

 

――もともと歌が好きだったということですが、子どもの頃によく歌っていた曲はありますか?

 

波美「『琉神マブヤー』(沖縄で放送されていた特撮番組)を弟と一緒に観ていて、その主題歌をずっと歌っていました」

 

愛音「私も歌が好きで、たまに昔の動画を見るんですけど、変なダンスをしながら歌っているものが多くて。覚えているのは、小学校低学年の頃に学童でパーティーがあって、そこでダンスを披露していました」

 

――ちなみに、どういったものを歌っていたのですか?

 

愛音「学校で習う歌です。卒業式の曲とかも。家では『うるさい!』と言われるまでずっと歌っていましたね。今でも怒られていますが(笑)」

 

結南「小さい頃は人前に出るのが本当に嫌いで、音楽とは無関係だと思って生きていました。でも、小学5年生の時にお姉ちゃんに連れられてダンス教室に行き、ちょっと楽しかったから続けました。ギターもお姉ちゃんがやっていて、それで私もやってみようかなと」

 

――なるほど。皆さんそれぞれバックグラウンドは違うわけですが、そこから沖縄アクターズスクールに入るとなると、単なる趣味とはステージが変わりますよね。どういったきっかけで?

 

心優「ずっと本格的なダンスをやっていて、沖縄以外の大会、たとえば、東京や大阪などの大会にも出場していました。芸能界に興味があったので、中学生になる段階で、母から『沖縄アクターズスクールのオーディションがあるみたいだけど受けてみる?』と言われて受けました」

 

波美「2022年10月2日に開催された『沖縄アクターズスクール大復活祭』で、一般の子が出演できる『育成プログラム THE DREAM STAGE』という企画があり、それに応募しました。このステージでは最後にソロで歌わせてもらったパートがあったんです。そうした経験があったから、アクターズスクールのオーディションを受けてみようと思いました。私が好きな歌手の安室奈美恵さんがアクターズスクール出身だということも大きかったです」

 

結南「私は校長(マキノ正幸さん)が手がけた最後のオーディションに合格して、皆よりも3年ほど早くアクターズスクールに入っていました」

 

愛音「お母さんがアクターズスクール出身で、さっき話に出たTHE DREAM STAGEの公募よりも前におこなわれた体験レッスンにも参加しました。とても楽しくて、アクターズスクールが今でもあったらぜひ入りたいなと思っていたら、お母さんが『オーディションがあるよ』と教えてくれたのです」

 

――合格してお母さん喜んだでしょう。

 

愛音「喜んでいたと思います」

 

●ライバル意識よりも仲間意識が勝る

 

――アクターズスクールに入ってから、いろいろ大変なこともあったと思うんですけど、最初にぶつかった壁は何ですか?

 

愛音「『フリー』ですね」

 

波美「あー、フリーもそう」

 

愛音「フリーという、音楽に合わせて自由に踊るパフォーマンスがあって。私はそれまでのダンス歴が2年で、しかもフリーの経験もなかったから、どうすればいいか分からなくて……」

 

心優「今生までは振り付けだけだったもんね」

 

波美「そう、振り付けしか踊ってこなかったから、難しすぎて大変でした」

 

心優「私は逆にダンスしかやってなくて、歌に触れる機会がありませんでした。『歌いながら踊るって何?』みたいな。『歌詞を知らなくても、ラララでいいから歌って踊ってみて』と言われたけど、本当に歌が苦手だったので、最初はそこでめちゃくちゃつまずきました」

 

波美「それが今ではボーカルだから、すごいよね」

 

愛音「すごすぎる」

 

結南「私はグループ活動が苦手でした。たとえば、ダンスパフォーマンスに関しても、チームで話し合って作らないといけないんですよ。そういう時に知らない子と話すのにとても苦労しました。今も苦手ですけど、最初の頃はもっと『うわー、どうしよう』といった感じでした」

 

――ダンスや歌の方は特に問題なかったですか?

 

結南「もともとはダンサーになりたくて、ダンスには自信がありました。でも、歌があまり好きではなかったから、そこはちょっと苦労しましたね」

 

波美「私はダンス部でしたが、与えられた振り付けを踊るということが基本でした。アクターズスクールには、自分たちでグループを組み、構成や歌割りも全部自分たちで考えたパフォーマンスを親御さんなどに見せる『A LIVE』というイベントが毎年あります。最初はものすごく苦戦しました」

 

――各々の壁は異なりますが、どうやってその課題に向かい、乗り越えていったのですか。スクールの仲間といってもライバルですよね。助けてくれたりするのでしょうか?

 

波美「ライバル意識はもちろんありますが、アクターズスクールはそれ以上に仲間意識が強いです。だから、お互いに助け合って乗り越えたことをすごく覚えています」

 

結南「私は憧れのアーティストができたことが励みになりました。それは、シンガー・ソングライターのあいみょんさんです。『私もこうなりたい』という思いが強くなり、歌を歌えるようになったかなと思います」

 

――明確な目標ができると頑張れますよね。好きになるきっかけはあったんですか?

 

結南「私はアコースティックギターから始めたんですけど、アコギの弾き語りアーティストといえば、あいみょんさんですよね。ライブにも何回か足を運び、曲もパフォーマンスも素敵に感じましたが、何よりも人間性や人柄に惹かれたのがきっかけです」

 

――ちょっとこの流れで、それぞれの好きなアーティストを伺いたいです。

 

愛音「K-POPが好きで、中でもBTSの大ファンです。日本だとロックバンドのback numberですね」

 

波美「私はE’sekaiの活動を始めてからバンド音楽を聴くようになりました。Teechiさんという沖縄のバンドがあるのですが、歌詞が温かくて、メロディーは沖縄っぽさがあり、とても親しみを感じて好きになりました。あとはライブの盛り上げ方もいい。てぃーち(Teechi)というのは沖縄の方言で『一つになる』という意味なんです」

 

心優「私はロックバンドのクリープハイプさんとRADWIMPSさん。歌詞とメロディーラインが本当に天才的だなと思っていて、すごく尊敬しているし、めっちゃ好きです」

 

●宝くじ2等の当選率に匹敵するレアな才能

 

――E’sekaiが正式に結成されたのは?

 

波美「2025年9月半ばごろ。もうすぐ1年ですね」

 

愛音「もともとはダンス&ボーカルグループで活動していて、そのうちに『バンドもやったら面白いんじゃない?』となって始めました」

 

心優「最初は6人のグループでした。スクール内のコンサートのために組まれたユニットで、毎回メンバーが入れ替わっていきました。この4人の形になったのが昨年9月です」

 

――E'sekaiという名前もこの時に決まったんですか? それとも、ダンス&ボーカルユニットの時から?

 

全員「それまでは名前がなかったんです」

 

――では、本当にバンドを結成する直前に決まったんですね。いきなり「今日からバンドだ」と言われてどうでしたか?

 

心優「私は以前から楽器をやっていて、アクターズスクール内にも既にバンドがあったので、『おお!』と嬉しく思いました」

 

――楽器はいつから?

 

心優「中学2年生の時にベースを始めました」

 

――波美さんと愛音さんは楽器をやっていたんですか?

 

波美「やっていなかったです。ピアノは独学でちょっとだけ弾いていましたが、ギターは触ったこともありませんでした」

 

愛音「私は吹奏楽部に入っていたので管楽器は吹けるんですけど、叩くのは経験がなくて。ドラムをやることになり、『どうしよう』と不安でした」

 

波美「最初は愛音がギター担当だったんですよ」

 

愛音「そうなんです。ギターが全然楽しくなくて……。自分には合わなかったんですね」

 

波美「でも、本当に良かったよ、ドラムで。才能が開花したと思う。ドラムの先生からも、『宝くじ2等に当たるくらいの確率の才能の持ち主だ』と言われていて。だから最初から上達スピードがものすごく早かったです」

 

――そもそもバンドをやることに葛藤はなかったですか? 本当はダンスの方をもっと磨いていきたいという思いがあったのでは?

 

心優「最初は踊りたかったです。でも、ライブでも踊るシーンがあるので、今は特に葛藤はないです」

 

波美「私も同じ。バンド活動が100パーセントというわけではなくて、ダンスもきちんと両立できているから楽しいです」

 

――今もレッスンではバンドだけでなく、ダンスもやっているんですか?

 

心優「はい。ただ、最近はイベントがとても増えてきているので、バンドの練習時間は多いですね。夏休みはほぼ毎日でした」

 

――まだ結成から1年ほどですが、ライブもかなりこなしてきて、余裕が出てきましたか?

 

心優「いや、人前に立つと練習の時のようにはできず、いつも緊張して手が震えます。そうなるとうまく弾けないこともあり、まだまだ場慣れが必要だな痛感しています」

 

――はたから見ていると、とても堂々として見えますけど。 波美:「いまだに皆、本番前はものすごく緊張しています」

 

●楽器を持ちながら踊ることの難しさとこだわり

 

――バンドとしての強みは「歌って踊れる」ということもありますが、それ以外にE'sekaiというバンドならではの強みはありますか?

 

心優「やっぱりこのスピードだと思います。2人は楽器を始めてまだ1年程度しか経っていないのに、ここまでのレベルに到達できたのは、本当にすごいなと思います。成長スピードが速いだけでなく、失敗したら『次はこうしよう』と、決めたことをきちんと実行できるというのも強みだと思います」

 

――なるほど、きちんと反省して次に生かす。ライブ後には反省会を毎回やるんですか?

 

波美「本当にダメだった時は、より本気でやりますね」

 

愛音「ガチでやります」

 

心優「『次はセトリを変えてみよう』『ここが駄目だったから、もっとこうしよう』みたいなことは普通に話します」

 

波美「強みについては、全員が踊れるので、楽器を弾きながらもバンド的なノリだけでなく、ダンス要素を入れられるんです。ダンスが踊れるからこそできる動きがあります。私たちがカバーしているFLiPさんの『ワンダーランド』も、イントロの振り付けを皆で考えました。ギターを持ちながらだと手で押さえないといけない部分があるから、いかに上半身の動きと足だけで魅せられるか、いろいろと試行錯誤しました」

 

――そういう振り付けを話し合って決めるのに、どのくらい時間をかけるものですか?

 

心優「大体レッスンの時間が1〜2時間ぐらいあって、その中で決める感じです。これでOKと思って次の日やってみたら『ちょっと違うかも』ということもあるので、その都度変えています。少しずつ積み重ねて仕上がっていくイメージです」

 

――強みや特徴について、もう少しお聞きしたいです。世の中にはガールズバンドが山ほどある中で頭角を現すには、具体的にどこを強化しなければいけないと思いますか?

 

愛音「ドラムのスキルがまだまだ足りなくて。他のバンドを見ても、ドラムがとても安定していて力強くて上手いなと思います。もっとスキルを上げたいです」

 

波美「愛音も上手いけどね」

 

心優「皆が踊れて歌えるので、ボーカルの2人だけじゃなく、他の2人も歌に参加したり、全員でもっとダンスを踊ってもいいかなと思ったりします。演奏に集中している時も体を動かしたり、譜面や手元を見ないでお客さんと目を合わせたりして、お客さんと一緒にライブを楽しむことができるようになれば、E’sekaiとして成長できると考えています」

 

結南「一人一人のキャラクターをもっと生かせるようにしたいです。今はコピー曲ばかりをやっていますが、オリジナル曲になると伝わるメッセージが変わるはず。自分たちの思いをお客さんにきちんと伝えたい。単に楽しんでもらうだけでは、他のバンドに負けてしまうと思うんです。ライブを『楽しいから見たい』だけではなく、『グッと来るもの』を感じてもらいたい。それをどう作るかがこれからの課題です。4人それぞれ違う感性を持っているので、うまく発揮できればもっと上に行けると信じています」

 

――バンドとしてこういう風になりたい、こんなライブがしたい、というのはありますか?

 

結南「私は生で感じられるエネルギーとか、ライブでしか味わえないものを届けたいので、ライブパフォーマンスをもっと強くしていきたいと思います。バンドならではの空気感や一体感、それにプラスして歌って踊れるという特徴を生かしたライブを実現したいです」

 

波美「私たちはバンドだけじゃなくて、女優になりたい、ソロでやりたいといった目標があります。個々が力を持っていて、その4人が集まることで、私たちにしか出せない色というか、他とは違う空気をライブでも感じさせられるようなバンドになりたいです」

 

心優「歌いながら、踊りながら、演奏するというバンドはかなり少ないです。『別に踊らなくていいじゃん』と言われることもあるのですが、『E’sekaiといえば歌いながら踊るよね』というイメージが定着し、バンドが踊っても別に変ではない、そういうパフォーマンスもあるよね、と当たり前に言われるぐらいの存在になりたいです」

 

●同世代の子たちの応援がほしい!

 

――バンド音楽において新しいジャンルを切り開くわけですね。ちなみにそれぞれの個性を生かすという話がありましたが、お互いどういうキャラだと思っているのですか?

 

波美「心優はツッコミじゃない?」

 

愛音「そうだね。正しいことを言ってくれる」

 

波美「この子(愛音)は天真爛漫のニコニコちゃんです。結南は自分だけの世界があるタイプ。では、波美はどう?」

 

愛音「波美は明るい」

 

心優「波美さんは、ツッコむというより突っ込んでいくタイプ」

 

愛音「あー、突撃ね」

 

波美「私が暴走した時にも、皆がいい感じで止めてくれます」

 

――結南さんはどうですか? スクールに入った当初はコミュニケーションが苦手だったという話がありましたが、こうやってバンドで一緒にやることで変化は生まれましたか?

 

結南「多分コミュニケーションは取れるようになったと思います。最初の頃とは全然違います」

 

波美「めっちゃ怖かったんですよ、最初」

 

愛音「怖かった」

 

心優「最初は『誰とも話さない』みたいなオーラがあったけど、今はわざといじられに来たり、面白いことを披露してくれたりします」

 

波美「確かに。こないだ私と心優が待機している時に、お風呂から上がってきた結南が、緑色のパックを顔に付け、サングラスをかけて、『イエーイ!』と言って登場しました。たまに暴走します」

 

――最後に、こういったお客さんに音楽を届けたい、といった思いはありますか?

 

波美「同世代の子たちの応援がすごくほしいです」

 

愛音「うん、ほしい」

 

心優「同じ年代の子の支えになるというか、私たちを見て自分も頑張ろうと思ってもらえれば嬉しいです。E’sekaiという名前の由来は、辛いことやあまり良くないことがあっても、E'sekaiのライブに来たら少しでも楽になれる、そんな居場所になってほしいという思いが込められています。つまり、自分にとっての『異世界』であることと、自分の生きる世界が今よりもっと『いい世界』になってほしい」

 

波美「そうですね。今の私たちにしか歌えない歌があったり、響く言葉があったりすると思うので、それを同世代の子たちに伝えたいですし、そうしたメッセージに共感してくれるファンを今後増やしていきたいです」

 

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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