
15歳でデビューした川栄だが、私生活ではいまや2児のママに(写真・中村 功)
「これ、“息子”が作ってくれたんですよ。私なんですって。かわいいでしょ!」
川栄李奈(31)が誇らしげに見せてくれたのは、ニッコリ笑うキーホルダー。映画『RYUJI 竜二』で息子の竜也を演じた子役の谷田部一心くんが作ってくれたのだという。
「一心くんは、今回が初めてのお仕事だったそうですが、純真でかわいらしくて……。いい意味で、普通の子供という感じがよかったですね。彼と一緒のシーンは楽しかったです」
プレゼントされたのは、映画の撮影が終わった昨年末。ちょうど川栄が、ドラマ『フェイクマミー』(TBS系)で金髪のベンチャー企業社長を演じていたころだったそうだ。
「だから(キーホルダーの私も)金髪なんです! 一心くんは絵が上手で、映画に出てくる絵も全部彼が描いたんですけど、細かいところまでよく見て描くコなんですよ」
と、“息子”の観察力を自慢げに語る様子は、すっかり母親の顔だ。
彼女が母親を演じた映画『RYUJI 竜二』は、1983年に公開された映画『竜二』を43年の時を経てリメイクした作品。俳優の故・金子正次さんが脚本と主演を務めた『竜二』は、封切りとともに高い評価を得たが、公開初日からわずか8日後に、金子さんは33歳の若さでこの世を去り、伝説のヤクザ映画として語り継がれている名作だ。
「今でもこの作品を愛している方がたくさんいらっしゃるので、プレッシャーを感じながらもすごく光栄だなと思いました」
1980年代、1990年代の新宿を舞台に、歌舞伎町で一目置かれるヤクザの竜二(柳楽優弥)は、まり子という女性と出会い、子供を授かったことで少しずつ変わっていく……。
「オリジナルを観てしまうと影響を受けるかもしれないと思って、あえて台本と監督との打ち合わせだけでまり子を演じさせていただきました」
川栄が演じるまり子は、切なくてかわいらしく、儚くて力強い。どんなことを大切に演じたのだろうか。
「まり子が生きている1980年代……昭和って、男性が働いて家族を養い、女性は家を守るというのが当たり前の時代だったと思うんです。一方、令和の現代は働いている女性も多いし、男性だからとか女性だからというのはあまり関係なくなってきている。ただ、どの時代でも女性は強いと、あらためて感じました。だから、登場人物の中で私が誰よりも強い、という気持ちで演じていました」
映画の中で際立つのは、母としての強さだ。自身も2児の母親だけに、子育ての経験が役立っているという。
「20代前半くらいのときにも、母親役をやらせていただいたことがあったのですが、当時は子供への思いがよくわかっていませんでしたね。でも今は子供が愛しい、守りたいという実感しかないです」
精力的に仕事をしながら、2人の子供を育ててきた。
「疲れているときに、家事がおっくうだなと思うことはあっても、大変だと思うことはあんまりないんですよ。基本的に、食事を作ったり、掃除をしたりするのは好きですし、手の抜き方もうまいんだと思います(笑)」
30代に入ってからは、自身のメンテナンスにも気を使うようになった。
「15歳でデビューしてから、ずっと休みなく働いてきたツケが一気にきたのか、自律神経が乱れた時期があったので、今はアロマセラピーの資格を取るための勉強をしています。ジムにも通い始めたので、めっちゃ忙しいです!」
体を鍛える目的は、リラックスではなくメンタルの強化だという。
「筋トレしたり走ったりとか、すごくつらいじゃないですか。つらいことをすることによって、メンタルが鍛えられる気がするんですよね」
お手本にしているのは、アスリート。
「アスリートの方は、強靭なメンタルを持っていらっしゃいますよね。ストイックに体を鍛えることで精神も強くなっているのだと思っているので、見習いたいです」
俳優として母親として、心身ともに元気でいることが、なによりも大切だと語る。
「やったことのない役柄を演じてみたいし、行ったことのない場所の景色が見たい。まだまだやりたいことが尽きません!」
かわえいりな
1995年2月12日生まれ 神奈川県出身 2010年にAKB48のメンバーとしてデビューし、2015年に卒業。俳優としてのおもな出演作は、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』(2021年)、舞台『千と千尋の神隠しSpirited Away』(2024、2026年)、映画『ディア・ファミリー』(2024年)など多数
写真・中村 功
取材&文・工藤菊香
スタイリスト・武久真理江
ヘアメイク・KOBA(PUNCH)
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