
個展「The Blue Within」の作品がジャックした東急プラザ表参道「オモカド」の前に立つ伊東楓(写真・保坂駱駝)
「駆けずり回って、駆けずり回って、1年ぐらいでようやくこの形になりました」
東京・原宿の神宮前交差点に立つ東急プラザ表参道「オモカド」のエントランス部分に描かれたこちらに向かって駆け出してきそうな3体の巨大な馬の絵……。10月29日、TBSアナウンサーから画家に転身した伊東楓の個展「The Blue Within」が東急プラザ原宿「ハラカド」で始まった。
それに合わせ、神宮前交差点を挟んで向かい側に立つ「オモカド」のエントランス部分を作品がジャックし、さらに建物の液晶ビジョンにも個展の案内が映されるという大型企画だ。
作品の制作のみならず、展示に向けた調整などにも奔走したという伊東。2016年にTBSに入社後、朝の情報番組や『COUNT DOWN TV』などに出演していたが、2021年、退社とともに画家への転身を発表し、さらにドイツへ移住した。画家としてアパレルブランドのUGGやUNIQLOとのコラボなども実施するなど、「アナウンサー歴よりも画家歴の方が長くなった」伊東にとって、同展は一つの集大成だ。掲げたタイトルについて、伊東はこう語る。
「今回は2年ぶりの個展なのですが、その間に描いた絵の色彩が、とにかく青が多くて。それがたぶん、今の自分を反映している色なんだろうと思って、『The Blue Within』にしました。『内なる青』ですが、水みたいに自由に流れるように生きていきたいというイメージと、赤よりも高温の、青く熱い炎のイメージと、両方の意味を込めています」(以下、カッコ内は伊東)
展示されている21点の作品では、女性の繊細な表情を捉えた絵のほか、馬やライオンなど、動物のモチーフも目立つ。
「モチーフは全部自分自身を投影しているんです。たとえば展示しているライオンの顔の絵は、ドイツで“暗黒期”だった、本当に色々とキツかったときに描いた絵で、なんかこう、自分を鼓舞するために、強い動物を描きたいという思いがあったんです。最近は馬の絵を描くことが多いのですが、こういう柔らかい動物が出てくるようになっているのは、自分の人生が凪モードというか、比較的おだやかな感じではあるのかなと思っています」
今回は絵だけでなく詩も展示されている。詩は「絵とほぼ同時に出てくる感じ」と話しながら、伊東は続ける。
「詩はドイツにいるときも絵と一緒にずっと書き続けていて。おかげで日本語を忘れずに済みました(笑)。絵と詩を見た人からは『このテーマは恋愛なんですか? 友情なんですか?』とよく聞かれますが、私が友情をイメージして書いていたとしても、観た方が恋愛だと思ったとしたら、その通りに受け取ってもらえればと思っています」
スポンサーには「サントリー ジャパニーズクラフトジン 六」の名前もあるが、古巣の同期とお酒の場で楽しい時間もすごしたそうだ。
「先日、TBSアナウンサー同期の山本恵里伽アナと日比麻音子アナと同期会をしたんですが、翌日、3人とも二日酔いになっていました(笑)。TBS時代の先輩も後輩も含めて、いまもちゃんとつながりがあって、本当に良い古巣ですね」
個展の会期は11月4日まで。「原宿というトレンドの流れが一番早く、ラグジュアリーなところも入り混じっているような場所で、自分の絵がどう受け入れられるかとても怖く、楽しみ」と語る彼女の渾身の作品は必見だ。
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