
STU48森末妃奈
2026年、14枚目シングルで悲願の初選抜入りを果たしたSTU48の3期生・森末妃奈。シングル選抜という新たなステージに上がった彼女の目には、存在感を放つ先輩、背中を押し合う同期、そして、刺激を与えてくれる後輩たちの姿が映っていた。
初選抜と同期への眼差し
2026年5月30日。東京 Kanadevia Hallで行われたSTU48の9周年コンサート『STU48 9th Anniversary Concert THE STU SHOW 〜Sailing〜』で、彼女は14枚目のシングルの選抜に選ばれた。
新選抜メンバーで「注目してほしいメンバー」を聞いてみると、意外な答えが返ってきた。
「みんなです! 私のことももちろん注目してほしいんですけど、ちょっと謙遜しました。でも、みんなすごいから、選べないです。 それでも個々の話をすると、同期の濵田(響)は、四六時中アイドルのことを考えています。アイドル、というか仕事のことですね。彼女、すごいおバカちゃんではあるんですけれど、すごく考えていて、それをきちんと行動に移すというか、考えているだけじゃなくて頑張っているんです。
でも、それをあまり見せないタイプでもあります。例えば、難しいダンスがあって『できない、ヤバい!』と言いながらも、次の日には完璧に近い状態にしてくるんです。そこは同期として頼もしいというか、私は濵田がいることで今回のシングルの期間、多分助けられることが多いんだろうなと思います。逆に私も濵田を助けてあげたいな、と思いますね」
ここまでの言葉からも分かる通り、森末妃奈は周りの仲間たちの目に見える姿だけでなく、その陰で行われているであろうことや少し先のことを考えられる視野の広さがある。彼女の目から見たSTU48のメンバーたちについて見てみよう。
先輩でありライバル
選抜メンバーとして、これまで以上にグループの楽曲の良さを広げ、そして、彼女自身がSTU48の入口になるために、「瀬戸内のグラビアNo.1」と「バラエティ」を「密かな野望」として挙げていた。
グラビアとバラエティといえば、2期生の工藤理子の名前が思い浮かぶ。
「先輩ですけれど、ちょっとだけライバルとも思っています。けれど、まだ同じステージに立てるとは全然思っていないです。工藤さんとは、会う機会がまだ少なくて…」
森末妃奈と同郷の岡山県出身で2期生の内海里音も、グラビアの経験があり、写真集も出している。
「内海里音さんとは少しグラビアの話をしたことがあります。『お仕事が決まったのでアドバイスを』というのではなく、『水着グラビアの仕事してみたいんですけど』という感じで。そしたら、めっちゃ「え゛〜!」みたいな感じの反応をされて。『でも、できるよ。ひめちゃんならできるよ。絶対できる』と言ってくださったんです。今までのお仕事で肌を見せることとかなかったんで、『緊張しますか?』って聞いたら『いや、もうなんか仕事!って思ったらイケるから!』とも教えていただきました」
グラビアのポーズの研究も余念がない。
「歴代の48グループの先輩のグラビアも見ましたし、ポーズも色々と。実際にそれを撮影の時に実践できたかと言われたら不安なんですけれど。いろいろ見た中では、本郷柚巴さんが年齢も近いですし、NMB48の時からグラビアをなさっていて、今も続けられていることから印象に残っています」
先人たちの背中を追いかけながら貪欲に学ぶ彼女の姿勢は、すでに「STU48の入口」として輝く片鱗がある。
同期の背中と帰ってきた先輩
STU48の3期生の選抜入りとして印象的な出来事がある。2024年の11月に11枚目のシングル「地平線を見ているか?」の選抜発表で、彼女の同期の曽川咲葵がセンターに抜擢されたことだ。キャリア1年半ほどでの大抜擢だった。
「さっちー(曽川)は入った時から、何かが違っていましたね。『確実に私たちより先に輝く子、選抜入る子だな』とは思っていたんですけれど、センターと聞いて『いやすごいな』と。本来、アイドルとしては多分『悔しい』と思わなきゃいけないのかもしれないですけれど、『STU48の3期生、初選抜初センター』とニュースとして世の中に広まることが、『3期生』が広まることが誇らしかったです。
こんな言い方したら良くないのかもしれないですけれど、自分が選抜に入るっていうのはまだまだ本当に先のことだと思っていて。もちろん、グループに加入してから選抜に入るために頑張っていたんですけど、さっちーの初選抜初センターはすごすぎて、頑張ろうと思っている半面、手が届かないくらいのことをやっていました」
それから1年半。彼女も初の選抜入りを果たす。歩みを続けて『手が届かない場所』に辿りついたのだ。シングルでセンターに立ったのが、1期生の甲斐心愛だった。
その甲斐心愛はかつてのインタビューで「シングルの初選抜メンバー注目してほしい人物」として、森末妃奈の名前を挙げていた。それでは、彼女の目から甲斐心愛はどう見えているのだろう?
「いるだけで空気が変わる人、です。3期生の私たちからすると、(KLP48に移籍していたので)いない時間の方が長かったので、特にそれを感じます。例えば、レッスンでも心愛さんが別の仕事でいなくて、途中で戻ってきただけでパッと明るくなる。それだけじゃなくて、空気が締まる。そんな存在です」
甲斐心愛自身はインタビューの中で「妹的な面」を語っていたが、3期生の視点から見ることで、甲斐心愛の凄みも伝わってくる。
先輩や同期に追いつこうと努力する中で、森末自身の立ち位置もまた、着実に変わっていった。そして、彼女に更に刺激を与える存在が登場する。4期研究生だ。
後輩が出来た刺激
初めての後輩である4期研究生は、どのような存在だろうか?
「めちゃくちゃ刺激がありました。4期研究生を意識するようになりました。2.5期生さんが言っていたことが今になって分かりました。
2.5期生さんも3期が入った時に『すごく燃え出した。いちばん下じゃなくなったからこそ、すごく意識するようになった』とおっしゃっていて。今はもう(2.5期と3期は)仲がいいですけれど、当時は正直意識していた部分はあったそうです。
私たちからすると『いやいやいや、経験がある2.5期さんがそんなことを』みたいな感じで理解できなかったんですけど、後輩が入ってきて少しその意味がわかりました。『ヤバい、抜かされる』とか、『抜かれたくない』という気持ちが芽生えてきました
選抜に入った4期研究生の曽我部あこちゃんも島田紗香ちゃんも、まだグループに加入して1年も経っていない状態です。今回、ツアーの初日は次のシングル選抜メンバー16人で迎えたんですが、2人にとっては初めての曲がたくさんあったはず。それなのに仕上げてきていて『いつ寝ているんだろう』と思うくらい、しっかり練習してきているんです。歌詞も、ダンスも、立ち位置も、そして、もちろんそのほかの仕事も決しておろそかにしていない。先輩たちについていく上で、辛いこともあったり、涙がこぼれちゃったりすることも多分あるはずです。でも、それを先輩たちの前で絶対に見せない。裏に行って、見えないところで涙を拭っていると思うんです。みんなの前で泣くと空気が硬くなっちゃう。そうさせない彼女たちは、すごいです。
一緒に選抜に入った濵田をみても、4期研究生ちゃんをみても負けていられないな、とすごく思います」
自身が選抜になり、先輩になることで、「抜かれたくない、負けていられない」という熱い気持ちが芽生えていく。かつて、同期がセンターになったことを「手の届かないこと」として見ていた彼女とは違う。自身がニュースになり、STU48を外の世界に広める当事者の一人なのだ。
遠い未来よりも今を
立場が変わることで、彼女の内面にも変化が生まれてきた。それでは、変わらないものもあるだろうか?
「ずっと変わってないのは『とにかく何でもやりたい精神』なところ。好奇心旺盛なところです。あとは人との接し方です。
変わったなっていうところは、いい意味であまり『遠くの未来を考えないようになった』ことです。どうなるかわからない未来のことを色々考える癖があったのですが、今はとにかく目の前にあること、自分が今なにをすべきかを考えられるようになりました。現実的になったんですかね」
そう語った後、「大人になったのかもしれません」と彼女は笑った。
「遠い未来」はわからない。だが、STU48に新たな風を吹かせるため、これからも仲間たちを思いながら、彼女は最高の「今」を積み重ねていく。
もりすえ ひめな
24歳 2002年6月20日生まれ。岡山県出身。2023年4月にSTU48の3期生としてデビュー。2026年10月7日発売の14thシングルで初の選抜メンバー入り。特技は「球技スポーツ」。そのほか最新情報は、公式X(@_HIMENA_48)、公式Instagram(@stu48_himena_)にて。
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