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44歳主婦が明かす “寂しいおじさん” たちの泥沼課金「1時間6600円払って本気で怒られたいみたい」【チャトレにハマる男たち】

大人のエンタメ 記事投稿日:2026.06.16 20:00 最終更新日:2026.06.16 20:00

44歳主婦が明かす “寂しいおじさん” たちの泥沼課金「1時間6600円払って本気で怒られたいみたい」【チャトレにハマる男たち】

1対1の “個室” でのビデオチャットの様子

 

 インターネットを介して画面越しに人々が交わる「ライブチャット」。その国内市場は現在、およそ200億円規模にまで膨れ上がっている。この巨大なライブチャット界の一端を担い、男性たちの相手をする女性キャストが「チャットレディ(チャトレ)」だ。

 

 その主戦場は、総務省が管轄する電気通信事業の「ノンアダルト」と、警察が管轄する風営法(映像送信型性風俗特殊営業)の許認可に基づく「アダルト」に分かれる。

 

 ノンアダルトは脱衣も禁止されており、アダルトでも局部露出は規約上は厳禁。チャトレたちは、完全歩合制の個人事業主としてこれら法的な制約のなかで、トークやパフォーマンスを駆使し、入室した男を「いかに1分でも長く引き延ばせるか」という、秒単位の心理戦を強いられている。

 

 2年前の春、当時42歳だった古賀由香里さん(44・仮名)もチャトレとして登録した。彼女はかつて、食品系の業界誌を扱う出版社で記者や編集者として働き、その後、取材先でもあった関連企業へ転職した経歴を持つ。

 

 転職先での人間関係になじめず、浮いた存在になってしまった彼女に助け舟を出してくれたのが、後に交際することになる上司だった。

 

「その人とは前の職場にいた頃から接点がありました。『妻とは別居していて、もう別れるつもり』という話で、会社の人たちも大半が『前の奥さん』みたいな呼び方をしていたから信じてしまったんです。でも、総務課の人と話をしたら、まだ籍が入ったままでした」

 

 関係が続くなか、由香里さんは予期せぬ妊娠をする。

 

「実はその前に不正出血があったんですが、それを普通の生理だと思い込んでいたんです。だから、妊娠しているのに気づくのが大幅に遅れてしまい、相手に告げたら、下ろすように言われたんですが、法的に許される時期ギリギリで、母体にも不安があったので、産む覚悟をしたんです」

 

 母も「育てるのを手伝うから」と言ってくれ、未婚のまま一人産み育てる決心をした由香里さん。なのに相手は「そうするほかないか」と、冷めた反応だったという。

 

 結局、妻と離縁もせず、何一つけじめをつけなかったにもかかわらず、生まれた娘をかわいがる素振りは見せ、由香里さんの元に通い詰めていた。

 

「このままでは互いがダメになる」と思った由香里さんは、別れを決意。その際、法的拘束力のある念書などは交わさなかったが、「最低でも10年間は払ってくれないと困る」と訴えたため、相手は娘が10歳になるまで月5万円の養育費を機械的に振り込み続けた。しかし、10年が過ぎると約束どおり支払いはぷっつりと途絶えた。

 

 そもそも当時の由香里さんは、昔の知り合いから編集やライティング業務を在宅で請け負い、糊口を凌いでいた。だが、自営業だと保育園の審査になかなか通らず、仕事の時間に制約が生じて収入を増やせなかった。月5万円とはいえ、養育費は家計の大事な柱だった。その途絶の打撃は大きく、それでチャットの世界へ足を踏み入れた。

 

 由香里さんは身バレや子供への影響を考慮し、当初はノンアダルトサイト最大手から始めたが、やがて単価の高い人妻系のアダルトサイトにも登録した。不思議と由香里さんのルームには、入室した途端に局部を見せて自慰を始めるような、「直球の客」はほとんど来なかった。自身で “防波堤” を築いていたからだ。

 

「サイトには女の子のプロフィール欄があって、趣味や好みのプレイ、エッチ度の指標となるハートマークの数などを書くんです。

 

 直球でエッチなことだけをしたい客はハートが5つの子に行く。私は最初からプロフィールの書き方を工夫して、お話をしたい人向けの受け皿を作っていたので、変な客をあらかじめシャットアウトできていました。

 

 もし男の人が『パンツ脱いで』と言ってきても、画面の外に見切れた状態で『脱いだ設定』にして、スカートで中を隠しながら画面に戻れば規約的にもセーフになる。そうやってかわしていました」

 

 直接触れ合わない非接触のサービスだからこそ、遠隔での見せ方が重要になる。由香里さんは大人のおもちゃの使い途を例に出した。

 

「おっぱいを出すのは大丈夫なんですけど、局部露出は絶対NG。下着の中に手を入れて触るような所作を見せたり、画面外で見えないように何かを入れたり出したりする演出をします。その中で、ディルドは疑似フェラチオのパフォーマンスをするためにどうしても外せない必須アイテムでした。それくらいの生々しさがないと、お客さんはついてくれません」

 

 ただ、そんな過激なサービスを求める客ばかりではない。女性に話を聞いてもらえる喜びから泥沼課金にハマっていくシニア層の生態を、由香里さんは数多く目撃してきた。

 

「50代後半から70代の、お金はあるけれど寂しいおじさんがたくさん入ってきます。数カ月にわたり万単位の課金を続けた元大手ゼネコン幹部なんて、服を脱ぐことさえ、いっさい要求しませんでした。

 

 現役時代の武勇伝や若い世代への不満をひたすら喋っていて、私に意見を求めてくるんです。これまでの経験を交えながら私が、『それは今の時代には通用しませんよ』とか『おじさんの自己満足です』ってズバズバお説教すると、その人はものすごく嬉しそうな反応を示しました」

 

 ふだん誰も相手をしてくれないから、1時間6600円を払ってでも本気で怒られたい。そんな初老たちも、ある日を境に「もうお金が続かない」と漏らすようになり、突然ログインしなくなるのだという。

 

 こうした客の多様な要求をやり繰りするシステムに「パーティーチャット」がある。メインの客とプレイしている画面を、別の客たちが「覗き見」する。1分100円の客が5人になれば、女性側の時給も跳ね上がる。

 

「覗きの人からタイピングで『おっぱい触って』とかリクエストが飛んでくる。メインの人に嫌な思いをさせないように、『おっぱい触っていい?』と流れを作り、双方の要求に応えるようにパフォーマンスをするんです。

 

 2人目以降の客がタイピングで乱入してきて、画面上の履歴を共有しながら3Pの疑似演出を始めることもあります。どうしたらお客をキープできるかを常に考えながら、こっちがイニシアチブを握ってやり繰りしなければいけません」

 

 客に「マジ」になられてストーカー化されるリスクを避けるのは、この業界で身を守るための絶対の鉄則。由香里さん自身、チャットを介した男女の生々しいトラブルを客側の視点からも聞いていたという。

 

「男性会員さんに聞いた話だと、逆に女の人からリアルでの出会いを持ちかけられることもあるみたいです。パパ活に持っていきたい女の子がチャットを出会いの場に使っていて、『デートしてくれたらリアルで会っていいよ』と言って、ブランドバッグをおねだりして買わせる。

 

 男の人がまたチャットしようとサイトに行ったら、もう女の子のアカウントが消えていたとか、お金を貸してくれと言われて貸し、返済の催促をしたときにはもう影も形もなかった、なんて話はよく聞きます」

 

 ガチ恋営業はどんな水商売にもあるわけだ。由香里さん曰く、「女の子の7~8割は男の人と接触したくないから相手にしない」というが、男のほうは「あわよくば会いたいと思っているのが100%」。ダメ元で「ちょっとご飯にでも行こうよ」などと、由香里さん自身、よく誘われるという。

 

 客に深入りするリスクを誰よりも理解し、一線を画していたはずの由香里さんだったが、彼女自身が運営するnoteの連載には、その鉄則を覆してしまった顛末が綴られている。

 

「チャットを通じて、ある妻子持ちの初老の男性会員さんと出会いました。ほかのお客みたいに一方的な性欲やマウントをぶつけてくることはいっさいなくて、私の生活や一人の人間としての姿に、仮に画面越しであっても、誠実に向き合って言葉をくれたんです」

 

 何百人もの男たちの剥き出しの欲望を見てきたからこそ、その嘘のない優しさが胸に刺さった。

 

「彼の優しさに触れるうちに、ビジネスとしての割り切りが完全に消えてしまって。私が本気で恋に落ちました。彼のほうもチャット上の疑似恋愛で終わらせるつもりはなかったみたいです。奥さんとは長年、家庭内別居状態で、子どもたちも巣立って、家庭はもぬけの殻だったようなんですけど……」

 

 男はそれまでの生活を捨て、由香里さんのもとへと走った。

 

「離婚の手続き自体はまだ成立していなくて、いまだに曖昧な状態ではあるんです。でも、彼は完全に家を引き払って、今は私の自宅へと毎日のように足を運ぶ、『通い婚』みたいな状態になっています」

 

 チャトレ稼働を続けるなか、由香里さんは一時期、事務所(代理店)に籍を置いたことがある。個人経営の小規模エージェントを含めれば、その数も1000を超えるという。

 

 フリー契約に比べて、プロフィール文の細かな作り込みや、客がつきやすい時間帯のアプローチ法など、効率よく稼ぐためのノウハウを指導してもらえるメリットはあったが、売上の60%近くをマージンとして抜かれるシステムに限界を感じ、現在は再び、50%以上の高還元率を確保できるフリーの直接契約に戻っている。

 

 しかし、いかに工夫を凝らしても、チャット全体の収入は下降線をたどっている。コロナ禍で打撃を被ったホステスらの流入などの影響で、最近では一晩中、画面の前で待機しても、数千円にしかならない日が増えた。客の抱える孤独の重さに付き合い続ける心理的な疲弊もあり、由香里さんは「この仕事にはすでに見切りをつけ始めている」という。

 

「画面越しに聞いた男性たちの話は、たしかに今の日本社会の縮図だと思います。でも、精神的にはこのあたりが限界です。私はやっぱり、もう一度ちゃんとした昼の仕事、かつてのようにOLとして普通に社会に出て、地に足をつけてしっかり稼ぎたい。子供を育てるためにも、それが今の私のリアルな目標です」

 

 そう将来への展望を語る由香里さんは、一方でこうもこぼす。

 

「でも、長年染みついた夜型の生活から抜け出すのは容易じゃありませんね。 娘の朝食を用意した後、パソコンの画面に向かい合うのもたびたびですから」

 

 すっかり夜行性になった由香里さんへの取材は、実際、深夜近くに始まり、明け方まで続いた。長らく画面越しに語り合ううち、当初は顔出しNGの約束だったのが、由香里さんはいつしか素顔を晒し、アカウントや実名まで明かしてくれた。

 

 彼女が放つ儚げな色香に自然と心を奪われ、取材者という立場を忘れてしまいそうになる。“ミイラ取りがミイラになる” を地で行く経験だった。

 

取材・文/鈴木隆祐

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出典元: SmartFLASH

著者: 『FLASH』編集部

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