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【食堂のおばちゃんの人生相談】39歳・公務員のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.27 11:00 最終更新日:2020.04.27 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/ナシゴレンさん(39)公務員】
私はよく、「なんでも相談に乗ってくれて面倒見がいい」と褒められます。でも、いままでの人生で他人からいわゆる「深刻な悩み相談」を受けた覚えがありません。もしかして、「薄っぺらな人間」と思われているのでしょうか?
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【山口先生のお答え】
ナシゴレンさん、絶対にそんなことはありません。あなたのことを薄っぺらな奴だと思っている人が、わざわざ悩みを打ち明けると思いますか? 言葉通り「なんでも相談に乗ってくれて面倒見がいい人」と思っているからこそ、悩みを打ち明けたくなるんですよ。
そもそも、本当に深刻な悩みというのは、顔見知りの人間には相談しにくいものです。だって、例えば不倫・出生・遺産争い・心の闇等、その人の人生を破壊してしまう可能性もあるわけで、赤の他人にそんな秘密を知られてしまうのは、危険が大きすぎます。
唯一何でも打ち明けられるとしたら、相手が運命共同体か、共犯関係にある場合だけです。私は足かけ4年このご相談を続けて参りましたが、本当に深刻なお悩みは約4分の1、あとはラブリーなお悩みがほとんどです。
そしてご相談者さんが深刻なお悩みを寄せて下さるのは、皆さん匿名で、尚且つ私とはまったく見ず知らずの関係だからです。もし私がご近所や親戚や、会社の食堂のおばちゃんだったら、多分どなたも秘密を打ち明けてはくれないでしょう。
ナシゴレンさん、あなたはきっと人間関係の潤滑油のような方だと思います。これからも気軽に相談に乗ってあげて下さいね。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中