いつから我々は、こんなにも血圧を気にするようになってしまったのか。ところで、そもそも血圧って何なのか、ご存知ですか? 高いと何がいけないの? じつはあまり知らない「血圧のキホン」を、一緒に学びましょう。今回は、血圧の基準値について。
「最初に、医学の教科書に血圧の基準が出たのは1948年。当時は、最高血圧180mmHg(ミリメートル水銀)以上、最低血圧110mmHg以上が高血圧とされていました。
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1977年に国際的な統一基準が発表されましたが、そのときは最高160以上、最低95以上でした。現在の国際的な基準は最高140以上、最低90以上とされ、医師のあいだでは、これが共通認識になっています」(新潟大学名誉教授・岡田正彦氏)
これとは別に、日本高血圧学会では、74歳以下で「130以上/80以上」(2019年)など、さらに厳しい基準を発表している。いったいなぜ基準が変わってしまうのか。
「背景にあるのは製薬業界の意向」と、大櫛医学情報研究所所長・大櫛陽一氏は言う。
「基準をできるだけ厳しくして、『高血圧』となる患者を増やし、降圧剤の売り上げを伸ばしたい、という思惑があります。本来50歳なら、最高150でも大丈夫です。数値に一喜一憂する必要はありません」(大櫛氏)
おかだまさひこ
予防医療学が専門。LDLコレステロールの測定法を世界に先駆け開発した
おおぐしよういち
『高血圧のほとんどは薬はいらない!』(角川SSC新書)などの著書がある
(週刊FLASH 2020年5月5日号)