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いまさら聞けない「血圧のキホン」(5)なぜ数値が変動するの?
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.05.08 16:00 最終更新日:2020.05.08 16:00
いつから我々は、こんなにも血圧を気にするようになってしまったのか。ところで、そもそも血圧って何なのか、ご存知ですか? 高いと何がいけないの? じつはあまり知らない「血圧のキホン」を、一緒に学びましょう。今回は、血圧の数値変動について。
医師や看護師の前で測定すると、緊張して血圧の数値が高くなる……。それが「白衣高血圧」だ。逆に、医師の前では正常で、家庭で測ると高くなる「仮面高血圧」もある。
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「測る場所によって血圧の数値が変わるのは、交感神経の作用によるものです。精神的な緊張が、交感神経を興奮させるのです」(新潟大学名誉教授・岡田正彦氏)
また、血圧は1日のなかでも、絶えず変動している。
「日中は、脳の活動や運動量が増えて、体内にまわす血液量を増やすため、血圧が上がります。夜はそれらが減るため、血圧は下がります。これは、正常な変化です」(大櫛医学情報研究所所長・大櫛陽一氏)
要は、急激な変化でない限り、血圧の上下はそれほど気にしなくても大丈夫ということだ。しかし、岡田氏はこんな心配をしている。
「本来、家でゆっくり過ごせば血圧は下がりますが、いまは多くの人が家に閉じこもっています。運動もせず、ストレスを溜めながら家にいるのは、血圧には最悪です。2〜3年後、高血圧による死亡率が、格段に上がるかもしれません」
おかだまさひこ
予防医療学が専門。LDLコレステロールの測定法を世界に先駆け開発した
おおぐしよういち
『高血圧のほとんどは薬はいらない!』(角川SSC新書)などの著書がある
(週刊FLASH 2020年5月5日号)