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【食堂のおばちゃんの人生相談】34歳・会社員のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.05.22 11:00 最終更新日:2020.05.22 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/迷える大羊さん(34)会社員】
某スーパーで副店長をしています。最近店長が雇った、パート女性の体臭(香水ではない)が、きつくて困っています。まわりのスタッフも、お客様も気にしています。
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しかし、彼女(30代後半)は、「店長と男女の関係にある」という噂があり、店長にどのように言えばいいか、苦慮しています。
【山口先生のお答え】
それは困りましたよね。お気の毒に。もし噂が本当なら、その店長は最低です。自分の愛人を自分の職場で働かせるなんて、公私混同も甚だしいですよ。
下手なことを言って店長に睨まれたくないあなたの気持ちはよくわかりますが、このまま放置しておくのも良くないですね。
私は「お客様からの投書」という形で、店長に訴えるのが一番効果があると思います。文面を変えた手紙を2、3通書いて、店長宛に送ったら如何でしょうか。さすがにこれはヤバいと判断して、接客以外の部門に配置換えするのではないかと思いますが。
それにしても、周囲が一様に顔をしかめるほどの体臭を放つ彼女が、店長には少しも苦にならないのですね。鼻バカなのかしら?
人間の好みは本当に千差万別です。一週間くらい穿きっぱなしのパンツの臭いとか、普通なら悪臭に分類される臭いに異常な快感を感じる「悪臭好き」「臭いフェチ」は存在します。
そして、フェチは少数派です。世の中は多数派に都合良く出来ているので、少数派は不利です。私もあなたも多数派で、幸運でした。
それを踏まえた上で、小児性愛嗜好のうような犯罪性がない限り、少数派にも理解と同情を忘れないようにしたいと思います。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中