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金村義明が語る「痛風の発作」薬をサボると…【チェック票つき】
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.06.01 06:00 最終更新日:2020.06.01 06:00
患者数は全国で約100万人。いまや “国民病” の痛風は、これからの季節が要注意だ。
「あれは2009年の初夏でした。ゴルフのラウンドの途中で、左足の靴の中に、大きな石が入っているような違和感があったんです。靴を脱ぐと、中指の付け根が1.5倍くらいに腫れていました」
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プロ野球解説者の金村義明さん(56)が、顔をしかめながら語る。
「そこから尋常じゃない痛みが襲ってきて、冷や汗がダラダラ。プロ野球経験者は痛みに強く、私も例外ではありませんでしたが、たまらず呻き声を上げてしまいました。靴のかかとを踏みつぶし、『ケンケン』をするようにして帰ったんです」
いつもは5分で歩ける距離に、40分かかったという金村さん。まぎれもない、痛風の症状だった。痛風の診療と研究を一貫しておこなってきた、山王メディカルセンターの山中寿院長が解説する。
「体内に尿酸が溜まると、結晶になります。結晶が溜まりすぎてはがれると、これを異物と認識した白血球が攻撃。激しい痛みをともなう、関節炎の症状が出ます。これが痛風です」
痛風の発作は一時的なことが多く、炎症を抑える薬を服用すると、1週間から10日ほどで治まり、まったく症状がなくなることもある。しかし、発作は繰り返す。
金村さんもその後、何度も発作を起こし、2018年には「第100回全国高校野球選手権大会」で始球式をすることになったが、数日前に意外な部位に発作が出た。
「痛みが出たのは、右手首でした。『痛風は足に症状が出るもの』と思っていたので、捻挫や骨折を疑い、整形外科に行くと、痛風の診断。当日は座薬を入れてマウンドに上がりましたが、見事に暴投でした(笑)」(金村さん)
金村さんは、「長く発作がなかったので、薬はサボって飲んでいませんでした」と言う。
「尿酸値の上昇を抑えたり、尿酸の排泄を促す薬を処方しますが、これらは、ずっと飲みつづける必要があります。薬を飲まず、食生活や日常生活を見直さなければ、多くの場合は1年以内に、また発作が起こり得ます」(山中院長)
健康診断では、尿酸値の正常値を「7以下」としている。
「7を一時的に少し超えただけでは、発作はありません。7以上の状態が5年から10年、場合によっては20年続き、やがて発作が起きるというメカニズムです。数値が9とか10で推移している方は、もっと早い時期に発作が起きる可能性がありますね」
次のページでは、山中院長が作成した「痛風チェックシート」をご紹介しよう。