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【食堂のおばちゃんの人生相談】37歳・会社員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.06.05 11:00 最終更新日:2020.06.05 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/逢魔が刻さん(37)会社員】
 私は、常に部内でトップクラスの営業成績を誇っていたが、直属の上司の命令で3カ月心血を注いだプロジェクトが、じつは上司の「越権行為」で、上層部の逆鱗に触れ、すべておじゃんになった。
 3カ月を棒に振ったおかげで、私の営業成績も平均以下に。上司は飛ばされるだろうが、私まで査定に響くのが納得できない。

 

 

【山口先生のお答え】
 これはまた、災難でしたね。多分本誌の読者の方々も、あなたの憤懣やるかたないお気持ちに頷いておいでのはずです。誰しも一度は、上司のとばっちりでひどい目に遭った経験があるでしょうから。

 

 松本清張の小説には、上司の不手際の身代わりに、会社や役所を無理矢理クビにされる中年男性の悲劇が幾つも登場します。短編に多いので、そういう作品を読んで「この人よりはマシだから」とご自分を納得させるのも、一つの方法かも知れません。

 

 あなたが頭にくるのはよくわかりますが、上司は相応の処分を受けるわけだし、怒りが収まったら、少し楽観的に考えましょう。

 

 あなたが非常に優秀な営業マンで、上司に代わって各方面に頭を下げて尻ぬぐいをしたことなど、上層部には報告が上がっていると思われます。そして、プロジェクト自体の内容も自信作とのことで、上司の越権行為には激怒したものの、中身の良さを理解している人も、上層部にはいるはずです。

 

 そのように考えると、決して悲観することはないと思います。これから別の上司の下で、十分に腕を振るえばよろしいのです。新しい上司も、今回の事件を他山の石として独断専行は慎むでしょうから、2回もとばっちりを受ける恐れはないと思うのですよ。

 

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やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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