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【食堂のおばちゃんの人生相談】38歳・会社員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.06.08 11:00 最終更新日:2020.06.08 11:00

 

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/匿名希望(38)会社員】
 長年同じチームで働いていた5歳年上の先輩は、「面倒見がよくて侠気のあるステキな人」だと思っていたが、私が社命で先輩の担当していた得意先を引き継いだ途端、急に冷たくなり、周囲に私の悪口を吹聴しているという。信頼していただけに、疑心暗鬼になって、どうしていいかわかりません。

 

 

【山口先生のお答え】
 お悩みを伺って、何とも身につまされました。いえ、あなたじゃなくて、その先輩の気持ちに。私には良くわかります。その先輩はあなたをまったく歯牙にも掛けていなかったんです。だから面倒を見てあげたし、愚痴も聞き、言いにくいことを上司に伝え、飲みにも連れて行きました。

 

 ところが、自分のはるか後ろを歩いていたはずのあなたは、ある日突然、自分の代りに大事な得意先の担当に抜擢されるほど仕事の腕を上げていたのです。気が付けば、可愛い後輩はライバルになっていたんです。この場合 “可愛い” というのは “ものの数に入らない” という意味です。

 

 でも、その後輩が自分の地位を脅かす存在になった途端、もう余裕かましてる場合じゃなくなったんですよ。今のうちに潰しておかないと、明日が怖いんです。自分が下になるかも知れない……。

 

 あなたは疑心暗鬼になる必要などありません。先輩と肩を並べるようになった今の自分を信じて、仕事に精を出しましょう。そして先輩に対しては、今の嫌な面は見えない振りをして、良い想い出だけを覚えていてあげて下さい。先輩も可哀想なんですよ。

 

やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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