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いまこそ知りたい「肝臓の真実」健康診断の注目数値は「A/G比」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.06.30 16:00 最終更新日:2020.06.30 16:00

 

【健康診断の数値の見方】
●TP(総たんぱく)/基準値:6.5〜8.3g/dl 
 血清中のたんぱく質は、アルブミンとグロブリンに分かれる。アルブミンは、血液中でもっとも多いたんぱく質で、肝臓で作られる。栄養源として、また血液の浸透圧を保つ役割を果たしている。もっとも小さいたんぱく質であるため、腎臓疾患などで容易に尿中に出てくる。

 

 グロブリンは、細菌やウイルスからの感染を防いだり、血液の凝固因子、鉄や銅などを運搬する役目をしているたんぱくの総称。アルブミンとグロブリンを合わせたものが総たんぱく、その比がA/G比。

 

 TP値が高いと脱水状態による血液の濃縮・グロブリンたんぱく異常などが、低いと栄養不良・肝臓障害・ネフローゼ等の腎臓疾患・慢性消耗性疾患が疑われる。

 

●Alb(アルブミン)/基準値:3.8〜5.3g/dl
 アルブミン値が低いと、肝臓障害、ネフローゼ等腎障害、栄養不足、慢性消耗性疾患などの可能性がある。

 

●A/G比(エージー比)/基準値:1〜2
 A/G比が低ければ、肝臓障害、ネフローゼ等腎障害、栄養不足、慢性消耗性疾患、多発性骨髄腫などが疑われる。

 

●T-Bil(総ビリルビン)/基準値:0.3〜1.2mg/dl
●D-Bil(直接ビリルビン)/基準値:0.1〜0.4mg/dl
 血液は毎日、全体の120分の1が生まれ変わっている。ビリルビンは、血液中のヘモグロビンから作られた色素で、最初に間接型となり、肝臓で直接型に代わり胆汁中に排泄される。血液中には両方が存在し、直接型と間接型を合わせて総ビリルビンという。

 

 総ビリルビンの値が高いと肝臓や肝胆道系疾患、溶血性貧血が、直接ビリルビン値が高いと胆道閉鎖や肝臓病による黄疸の兆候となる。

 

●AST(GOT)/基準値:8〜40IU/L
●ALT(GPT)/基準値:5〜40IU/L
 いずれも、肝臓・心臓などに多く含まれているアミノ酸代謝酵素で、肝臓や心臓機能の検査項目にある。どちらも高ければ肝臓疾患、心筋梗塞などの心臓疾患などが疑われる。

 

●LDH/基準値:115〜229IU 
 糖代謝酵素で、全身の組織に分布している。おもに各種疾患の有無を調べるための、ふるい分け検査に使われる。数値が高いと肝臓や、閉塞性黄疸などの胆道の病気、肺や腎臓の病気などの疑いがある。

 

●ALP(アルカリフォスファターゼ)/基準値:109〜321IU/L
 アルカリ化してリン酸化合物を分解する酵素で、肝臓や骨、小腸に多く含まれ、肝臓から胆汁中に排泄されるため、肝臓やその流出経路に異常があるかどうかわかる。数値が高ければ、肝炎・閉塞性黄疸などの肝臓や胆道の病気、骨疾患、悪性腫瘍などが疑われる。 

 

●γ‐GTP/基準値:10〜68IU/L
 肝臓の胆管や胆道の細胞に多く含まれている、アミノ酸代謝酵素で、とくにアルコールに敏感に反応する。数値が高ければ、多量飲酒者、アルコール性肝障害、胆道閉塞などの指標となる。

 

●Ch-E(コリンエステラーゼ)/基準値:207〜463IU/L
 肝臓で作られる酵素で、作られたあとは血液中に放出され、その量は肝臓のたんぱく合成量と比例する。数値が高ければネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症、栄養過多などが、低ければ肝臓障害、栄養障害などの可能性がある。

 

※資料提供・奈良県 国保中央病院

 

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