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【食堂のおばちゃんの人生相談】27歳・会社員のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.07.17 11:00 最終更新日:2020.07.17 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/摩天楼さん(27)会社員】
新しい上司の酒癖が、異常に悪い。ふだんは物腰も柔らかく、高圧的な姿勢は一切見せないが、ある一定の酒量を超えると突然「あいつはここがダメ、あなたはここがダメ」と、強烈なダメ出しの嵐。しかも翌朝になると、まったく記憶がないらしい。これから酒の誘いを断わったほうがいいでしょうか?
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【山口先生のお答え】
ドキッ! 実は私も最近、酔っ払って帰って寝ると、昨夜の記憶が一部消えてるんですよね。もしかして、一緒にいた人たちに迷惑を掛けたんじゃないか、ものすごく不安になります。
まあ、私の場合はいたって陽気なお酒で、酔って泣いたり絡んだり暴力を振るったりはしないはずなんですが。あ、血まみれになったことは何度もありますよ。でも、それは自分で転んだり駅の階段を踏み外して転落したからで、喧嘩とかじゃないですから。
摩天楼さんの上司は「絡み酒」の変形ですね。こういうタイプは一般的に気が弱くて、お酒の力を借りないと思ったことが言えないんです。私、素面でも酔っ払っても言うこと変わりませんから。
それで、あなたのお悩みですが、私には人間観察の絶好の機会のように思えます。素面の時と全然人が変っちゃう上司って、なかなか面白いじゃありませんか。あんまり巡り会えない存在ですよ。
上司に酒に誘われたら、それを「呑み会」と思わず「貴重な修行の場」と思っては如何でしょう? この経験は、あなたの人を見る目を養ってくれますし、将来、きっと何かの役に立ちます。
酔っ払った上司の発言は、なるべくICレコーダーで記録しておきましょう。使わないですめばそれに越したことはありませんが、上司と険悪になった時は、あなたの強い味方になってくれますよ。
というわけで、お酒の飲み方・お金の払い方・異性との付き合い方は人間の本性が出ますから、お互い気をつけましょうね。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中