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最年少タイトルの藤井聡太棋聖「名勝負10番」に人間ドラマ

ライフ・マネー 投稿日:2020.07.21 11:00FLASH編集部

最年少タイトルの藤井聡太棋聖「名勝負10番」に人間ドラマ

2020年7月16日の棋聖戦(写真・代表撮影)

 

「まだ、天井が見えない」
 藤井聡太棋聖(18)の強さについて、渡辺明二冠(36)は、こう表現する。史上最年少でのタイトル獲得を果たし、最年少での二冠獲得すら視野に入った藤井棋聖の進化は、いったいどこまで続くのか。

 

 将棋界の師弟関係を追ったノンフィクション『師弟』(光文社刊)の著者であるカメラマン・野澤亘伸氏は、その過程が三段階に分かれると話す。

 

 

「デビューからの連勝劇、初黒星までが『黎明期』。トップ棋士たちとの対戦が増えた『成長期』と続きます。そして今年、異次元の『第三形態期』に入ったといえます」

 

 7月19日に18歳になったばかりの藤井棋聖の成長ぶりは、“天才だらけ” といわれる棋界の人間の常識をも超える域に達しつつあるという。

 

「中学生のころの藤井棋聖は、序盤や中盤で経験値の差が出ることがありましたが、終盤で取り返すという展開が多かった。しかし、現在はどの局面をとってもとてつもなく強い。渡辺三冠をして、『天井が見えない』と言わしめたのは、空恐ろしさすら感じます」

 

 名人位を史上最年少の21歳で獲得した谷川浩司九段(58)も、かつて本誌の取材に、こう答えている。

 

「藤井棋聖はこの半年ほどで、急な勝負の流れを緩やかに戻す “ギアチェンジ” を身につけた。これは、羽生(善治九段)さんが10代後半のころでも、持っていなかった力です。

 

 いまの将棋界は、渡辺二冠、豊島将之竜王・名人(30)、永瀬二冠の “三強時代” です。そこに藤井棋聖が、どう割って入るのか。将棋の内容を見ていると、楽しみですね」

 

 以下では、ここで紹介するのは、野澤氏が選んだ「名勝負10番」だ。最年少での二冠獲得となれば、“藤井一強” 時代の到来が近づく。


●新人王戦(2017年3月10日)VS.大橋貴洸四段
 観戦記者たちの多くは、大橋貴洸六段(27)に負け、“藤井初黒星” を予想したという。

 

「対局は、藤井棋聖が大橋六段のミスを誘い、大逆転。“絶対に諦めない” という、藤井棋聖の持ち味が表われた一局でした」(野澤氏・以下同)

 

写真・朝日新聞

 

●上州YAMADAチャレンジ杯2回戦(2017年6月7日)VS.阪口悟五段
 終盤、藤井棋聖は激しく膝を叩いた。

 

「ミスをして、勝勢から一気に敗勢になったんです。しかし、土壇場で阪口悟六段(41)が痛恨の敗着。それを藤井棋聖は逃さず、勝利しました。対局後、2人ともぐったりしていましたね」

 

 

●竜王戦決勝トーナメント1回戦(2017年6月26日)VS.増田康宏四段
“東の天才” と呼ばれる増田康宏六段(22)に勝利し、藤井棋聖は、公式戦29連勝の新記録を樹立。

 

「のちに増田六段に話を聞くと、『(報道陣に囲まれて)正直、うざかった。でも、自分が唯一食らいついていかなければならない相手です』と、藤井棋聖に闘志を燃やしていました」

 

 

●竜王戦決勝トーナメント2回戦(2017年7月2日)VS.佐々木勇気五段
 端整な顔立ちで女性人気が高い、佐々木勇気七段(25)。だがこの日の顔は、殺気に満ちていた。

 

「対局前、藤井棋聖は神経質な表情をしていて、雰囲気が違っていました」。藤井棋聖は敗北し、連勝記録は29でストップした。

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