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最年少タイトルの藤井聡太棋聖「名勝負10番」に人間ドラマ
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.07.21 11:00 最終更新日:2020.07.21 12:41
●朝日杯準決勝(2018年2月17日)VS.羽生善治竜王
棋界のレジェンド、羽生善治九段(49)との公式戦初対局だったが、落ち着き払っていたという藤井棋聖。
「対局は、藤井棋聖の勝利。終局後の大盤解説で、羽生九段は負けた棋士とは思えない淡々とした口調で話していました。しかし、最後まで藤井棋聖の強さを口にすることはありませんでした」。羽生九段の闘志にも火をつけた。
●竜王戦決勝トーナメント3回戦(2019年7月5日)VS.久保利明九段
華麗な駒捌きで知られる久保利明九段(44)だが……。
「別名は、“粘りのアーティスト”。藤井棋聖は、久保九段の追い上げを振り切り、深夜に及ぶ激戦を制した。ある棋士は、『これぞ人間の将棋!』という称賛の声を上げていました」
●王将戦挑戦者決定戦(2019年11月19日)VS.広瀬章人竜王
終盤まで藤井棋聖が優勢、王将位挑戦者まであと一歩だった一局。
「控室が、『あれ!?』とどよめいたそうです。持ち時間を使い切り、1分将棋となっていた藤井棋聖が、まさかの悪手を指したのです。“棋界一空気を読まない男” 広瀬八段(33)は、チャンスを逃しませんでした」
天才も、時には誤る。
●王位戦挑戦者決定戦(2020年6月23日)VS.永瀬拓矢二冠
永瀬拓矢二冠(27)は、6月4日の棋聖戦挑戦者決定戦でも、藤井棋聖に敗れている。
「永瀬二冠は対局後の会見で、『力負け。追いつけるように勉強したい』と言いました。タイトル保持者が、年下で段位も低い棋士に、こう言えるのはすごいことです。永瀬二冠の謙虚さですね」
●棋聖戦第2局(2020年6月28日)VS.渡辺明棋聖
“現役最強” の一角、渡辺明二冠との一戦。「その渡辺二冠が、藤井棋聖に連敗するとは思いませんでした。藤井棋聖の58手め3一銀は、AIが6億手以上を計算して最善手としたのに、23分で指した。最後、渡辺二冠が負けを悟り、敵陣に角を打って投了の形を作りました。トップ棋士をここまで追い込む強さに脱帽しました」
●王位戦第1局(2020年7月1日、2日) VS.木村一基王位
強靱な受け、勝負を捨てない棋風から、“千駄ヶ谷の受け師” の異名を取る木村一基王位(47)との一戦。
「藤井棋聖の鋭い攻めを、プロたちが唸る妙手でかわし続けていました。藤井棋聖が対局を制しましたが、少しでもミスをすれば、勝敗は入れ替わっていたでしょう」。七番勝負の行方やいかに。
※対戦相手の段位・肩書は、対局当時(渡辺二冠を除く)
写真・野沢亘伸
(増刊FLASH DIAMOND 2020年8月20日号)