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【東京「古民家」再生記】(7)五右衛門風呂を作ったぜ!ライフ・マネー 投稿日:2016.09.04 07:00

【東京「古民家」再生記】(7)五右衛門風呂を作ったぜ!

完成した五右衛門風呂。最高だぜ!

 

 200万円で奥多摩に古民家を購入した。いよいよ風呂釜を設置するところまで漕ぎ着けたが、肝心の「五右衛門風呂」の風呂釜が見つかからない。

 

 近所のリサイクルショップや古物商をしらみつぶしに当たってみたが、「惜しかったねえ。2週間前まであったんだけどねえ」という一軒をのぞいては、「そんなものは見たこともない」という返事だった。

 

 インターネットでは新品も売られている。ただし値段は5万円~8万円。安い買い物ではない。ここはやはり中古の風呂釜を、なんとか見つけたいものだが……。

 

 半分あきらめかけて最後に訪ねた一軒で、ついに耳寄りな情報をつかんだ。とある回収業者にあるかもしれないというのだ。 期待に胸をふくらませて出向くと、うずたかく積まれた廃材のてっぺんに、黒い風呂釜が逆さになって積んであった。まさに五右衛門風呂だ。

 

 五右衛門風呂は、たいがい重機で壊され、割れた状態で持ち込まれるそうで、今回のようにキレイに出てくることは珍しいという。まさに掘り出しモノである。しかもわずか5000円という破格の値段で入手することができた。

 

五右衛門風呂の風呂釜ゲット

五右衛門風呂の風呂釜ゲット

 

 さて、それでは重量ブロックと耐火レンガを積み上げて、風呂釜を設置する作業に突入である。

 

 購入した耐火レンガは130個。これを床に敷き並べ、さらに筒状に組んでいき、最後に風呂釜をスポッと載せて、めでたく完成……のハズである。

 

 風呂釜の直径を測ると75cmだ。この直径に合わせてレンガを組んでいく。先日、完成したばかりコンクリ基礎に、75cmの円を引いてみて、設置位置を確認する。 「まあ、このへんかな」  何の根拠もなく風呂釜の設置位置が「だいたい」決まった。

 

 その上で耐火モルタルを練る。普通のモルタルよりもネッチリしている。粘度が高いのだ。さすがひと袋1300円もする高級品である(普通のモルタルは400円~600円くらい)。そして耐火レンガに塗りつけて、ひとつひとつ載せていった。

 

「おお。なんだかブロックを積むより、気分がいいぞ。このネッチリ感がたまんないなあ」

 

 などと喜んでいたのは、実はこのときまでであった。

 

風呂釜に合わせてレンガ積み

風呂釜に合わせてレンガ積み

 

 どんどんレンガを積んでいく。耐火モルタルは非常になめらかで、レンガとの相性が大変いい。キメが細かいので、微調整が容易なのだ。作業がはかどる。

 

 しかし我々は知らなかったのである。耐火モルタルは、一度高温に熱しないと硬化しないということを。

 

 翌日になって風呂釜をはめ込んでみることにした。そしたら案の定、入らない。なぜなら排水パイプの穴が開いていないからだ。

 

 そう。本体から30cmほど突き出た排水パイプを通すための穴を前もって開けておくのを、すっかり忘れていたのである。 なんとお粗末な失敗だろうか。恥ずかしくて穴があったら入りたいところだ。しかしその穴がないのである。

 

せっかくレンガ積みしたのに、排水口がなかった……

せっかくレンガ積みしたのに、排水口がなかった……

 

 仕方がないのでグラインダでレンガを切断して、ムリヤリ穴を開けることにした。だが、その作業途中、仕上げた耐火モルタルが乾燥していなかったため、釜全体のモルタルの継ぎ目にヒビが入ってしまったのである。

 

 これで昨日の作業の半分くらいがムダになってしまった。落胆してものも言えず、呆然とする我々であった。結局、作業はやり直しである。意気消沈しながら、もう一度レンガを積み直す。

 

 完成した風呂釜はなんとなく歪んでいるが、それはもうなかったことにして、次の作業に進むとしよう。

 

 まずはフロ小屋を囲むブロック壁を積んでいく。ブロック積みは、もう何度もやっているので、作業効率はすこぶるいい。しかしここは慎重を期さないといけない。これがそのまま外壁になるのであるからして、曲がったり段差ができてしまうとマズイのである。

 

 工事現場では「水糸」というものを使用するらしい。水平に水糸を張り、これに合わせて高さを調節しながら、正確にブロックを積んでいくのだ。

 

 しかし、素人作業だけに、積み上げたブロックをじっくり眺めてみると、やっぱりなんとなく歪んでいる。

 

20080920_16-20-53

風呂釜をブロックで囲む

 

 ともあれブロックを積み上げたので、次は内装の仕上げだ。仕上げについては、壁、天端ともにブロックとモルタルで塗り固めることにした。

 

 さっそく燃焼室と洗い場の間をブロックで仕切り、隙間にコンクリの破片や土砂を放り込んで突き固める。さらにその上からコンクリートを流し込んだ。

 

コンクリートの流し込み

コンクリートの流し込み

 

 そして仕上げ作業。白セメントは、通常の3倍も値が張り、主にタイル目地などに使われる高級資材だ。これにキメの細かい珪砂を混ぜ込むと、淡い褐色のモルタルができあがった。普通のモルタルと比べて、かなり高級感がある。これを左官コテでペタペタと塗りたくっていった。

 

 耐火レンガむき出しの無骨な風呂釜が、信じられないくらいオシャレに生まれ変わっていく。ほぼ仕上がったところで、後じさって眺めてみた。おお。なんと。まるで「南仏プロヴァンス」風の、ファンシーな洋風風呂ではないか。

 

「すばらしい。予想以上のデキだ!」

 

 さあ、さっそくフロに入ってみよう!……というのは早計である。五右衛門風呂に入るには、底に沈める「踏み板」が最低限必要なのだ。さらに、できることならフタとスノコ、踏み台、腰かけなども欲しいところだ。

 

 ということでホームセンターで材木を買ってきて、それらを自作することにした。なんとかフタとスノコを自作。よし、これで風呂に入れるぞ。

 

 さっそく焚き口に火を入れ、パタパタとウチワで扇ぐ。煙突からモクモクと煙が上がり始める。心配していた通気性も問題ないようで、不完全燃焼は起こらなかった。調子に乗って薪をバンバンくべていくと、火は音を立てて燃えさかった。

 

どんどんマキをくべるぜ

どんどんマキをくべるぜ

 

 30分ほどしてお湯に手を入れてみると……おお。生ぬるい。ちゃんと沸いているではないか。当たり前か。さらに30分経過。もう一度、手を突っ込んでみた。

 

「……よし、入ってみるか」

 

 私はおもむろに全裸になり、足先を湯に浸した。

 

「熱っち!」

 

 少々沸かしすぎたようだ。仕方がないのでホースの水で薄める。寒風吹きすさぶ晩秋の奥多摩で全裸……。

 

「……」

 

 もう一度、足先を触れてみる。今度は入れそうだ。「行くぞ!」というかけ声とともに、五右衛門風呂に踊り込んだ。

 

 ザバー……。湯が溢れて流れ落ち、心地よいぬくもりに全身が包まれる。

 

「おお……極楽……」

 

 苦節半年。ついに至福の瞬間がやってきた。寒さにささくれた細胞のひとつひとつが、ゆっくりと弛緩していく。身体の隅々まで快感が広がっていった。五右衛門風呂。サイコー!

 

しかし、雨が降ると傘が必要だ。トホホ

しかし、雨が降ると傘が必要だ。トホホ

 

●かかったお金●

風呂釜                   5000円

白セメント×2               2600円

珪砂7号×5                 3200円

ステンレス木ネジ              420円

フタ、踏み板、スノコ材木、踏み台用材木   6800円

ウレタン入りニス材×2           2500円

耐水セメダイン、木工用ボンド        1300円

「ゆ」印のれん、石鹸置き、手桶、バケツ   2000円

合計                   23820円

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