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ジビエラーメンがブーム!(1)東京編・ダチョウ肉スープはあっさり白湯風
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.21 11:00 最終更新日:2020.09.21 11:00
「2000年前後から、猪を使ったラーメンの存在は業界内で知られていました」
そう明かすのは、ラーメン評論家の山本剛志氏。いま「ジビエラーメン」が秘かなブームとなっている。
「2018年から、農林水産省がジビエ利用拡大のための施策を講じていることが大きく関係しているでしょうね。ジビエの肉だけでなく、骨も食用に使おうと考えたなかで、ジビエラーメンの発想が生まれたのだと思います」
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山本氏は2018年11月に開催された「ジビエラーメンセミナー」に参加し、ジビエにある可能性を感じたと語る。
「いまの日本のラーメンは醤油や塩、味噌と合わせたものが主流ですが、ジビエによって新しい味が生まれるのではないかと感じました。また豚と猪、牛と鹿のように、一般的に食されている肉と近い味のジビエもあり、そこがおもしろいところですね。
ただ、ジビエの食材は狩猟して獲るため、供給に波があるのが課題です。安定供給する仕組みが整っていけば、本格的なブームが到来するでしょう」
さて今回は、日本全国の人気ジビエラーメンから、東京・浅草橋の「獣 鉄板焼Tamaya」で提供されている「幻のダチョウラーメン」をご紹介する。
鮮度の高いジビエを、鉄板焼きで提供する同店。
「スープはダチョウの骨やガラから出汁を取っていて、チャーシューの代わりは、もちろんダチョウ肉。ダチョウ肉はしっかり血抜きしていますから、臭みを感じさせません」(店長)
ラーメン専門店でないから、と侮るなかれ。ダチョウ肉は薄くスライスされており、一般的な鶏肉にはない独特の旨味が感じられて、美味。スープは白湯風の味つけで、まろやかさがありながらも、あっさりとした口当たりで本格的だ。
「ダチョウ肉のほかに、ネギなどの定番や、ラーメンでは珍しい食材のスプラウト(※)をトッピングしており、シャキシャキとした歯ごたえ。柔らかなダチョウ肉との、食感のハーモニーも楽しめます」(同前)
彩り的に “映える” ビジュアルが、今風といえそうだ。柚子胡椒を入れると爽やかな後味が加わり、シメに相応しい一杯となっている。
“野生の旨味” を食して、残暑を乗り切れ!
やまもとつよし
ラーメン評論家。2000年『TVチャンピオンラーメン王選手権』(テレビ東京系)で優勝。「ラーマガ」の共同責任編集、「ラーメンWalker」の百麺人など、多くの媒体で活躍
【SHOP DATA/獣 鉄板焼Tamaya】
・ジビエの一杯/幻のダチョウラーメン[ミニサイズ]680円、[フルサイズ]1200円(ともに税別)
・住所/東京都台東区浅草橋2-29-4:JR中央線&総武線・浅草橋駅から徒歩2分
・営業時間/17時~27時
・休み/日、祝日
モデル・かえるちゃん
取材&文・A4studio
※ 穀類、豆類、野菜の種子を人為的に発芽させた新芽のこと
(週刊FLASH 2020年9月29日・10月6日号)