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昆虫食ブーム!「ゴキブリ」を食べてみたら川エビの味がした
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.27 11:00 最終更新日:2020.09.27 11:00
昆虫食は、過去にも何度かブームが起きている。キュウリュウゴミムシダマシの幼虫は「九龍虫」といわれ、漢方では強精剤とされ、健康にいい虫とされていた。『虫を食べる文化史』(創森社・梅谷献二著)によると、1936年・1950年代・1965年前後の3回にわたって九龍虫食ブームが起きている。
当時は、エチオピア出身のマラソンランナーであるアベベが九龍虫を食べて金メダルを獲ったとか、某野球選手が首位打者になった、喜寿(77歳)の女性が妊娠した……などなど、ずいぶん盛り上がっていた様子。
「どれも、確認のしようがない噂なんですよね。盛り過ぎといいますか。良くも悪くも『虫を食べる』というのは規格外、神秘的なイメージもあったのでしょう。そういった歴史のひとつとして、解釈するのが妥当ではないでしょうか。
虫は多くの国で日常的に食べられてきた伝統的な食材ですし、食習慣がなくなった現代でも、きちんと調理すれば食べられます。こういう都市伝説がなくなり、日本でも当たり前のように虫を食べる未来が来るかもしれません」(ムシモアゼルさん)
というわけで、自称 “虫少年” だった本誌記者が、マダガスカルゴキブリ(食用)の実食に挑戦した! もぐ、もぐ、もぐ……ゴクン。
香りは少しクセのある感じで、殻はかなり硬め。エビの殻に近い。しっかり揚げたものや、多めの油でじっくり炒めたものは、殻ごと食べることも可能だそうだが、歯の隙間に挟まることもあるのでご注意を。茹でたものは外皮が固いので、内臓や肉をほじり出して食べるが、ほぐした蟹の身に近い見た目。
味わいは川エビがいちばん近いが、もっと香りが強く、歯ごたえがある。繊維質も感じるので、筋肉が強靭なのだろう。肉の量自体は少ない。
内臓は生臭さも感じるが、香味野菜などを使って調理すれば気にならないレベルにはなるだろう。内臓や肉だけ取り出して、混ぜてオムレツなどにしてしまえば、違和感なく食べられそうだ。
好き好んで食べるほど美味しくはない……が、ほかに食べるものがなければ、ためらわずに食せるレベル。見た目への生理的な嫌悪感さえ克服できれば、食材としては問題ない。
都市伝説は、あくまでも噂でしかない。ひとまず、「ゴキブリを食べても死ぬことはない」ということを、本誌記者が身をもって検証いたしました。