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【食堂のおばちゃんの人生相談】49歳・会社員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.09.28 11:00 最終更新日:2020.09.28 11:00

 

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/匿名希望(49)会社員】
 出世争いに敗れて、縁もゆかりもない地方都市に左遷された。妻子は休日に会いに来てくれることもなく、支社内は誰もやる気がなくて、飲みに行く機会もない。会社人間で趣味もなく、これから定年までどう過ごしたらいいのだろう。

 

 

【山口先生のお答え】
 つまり、血縁地縁のない地方都市に単身赴任で、仕事はゆるくて終業後も拘束されないってことですね? それって天国ですよ!

 

 あなたは退社後の時間と休日を、家族サービスに費やすこともなく、自分のために使えるんじゃありませんか。うらやましい限りです。これまでの人間関係に縛られず、新しい地縁を結びましょう。

 

 まず、そういう地方都市には必ず地域のサークルがあります。文化系・スポーツ系・農業漁業関係など、探せば必ずあなたの興味をそそる催しが見つかりますよ。地元の食材を使った料理の講座とかね。そこで女性と知り合えたら、楽しいでしょ?

 

 私のお勧めは地酒愛好者の集まりに参加することです。 実は『日本酒ドラマチック』(講談社)という本の書評を担当したのがきっかけで、近年全国の蔵元で次々と新しい美酒が誕生し、今や日本酒の品質は史上最高に高まっていると知りました。もう、蔵元巡りしたくてたまりません!

 

 あなたのお住まいの地方にも、きっと何代も続く蔵元があるはずです。小さな会社で、若い社長兼杜氏さんが頑張ってお酒を造っていたら、まず間違いなく美味しいはずです。

 

 そして、そういう蔵元杜氏の周囲には、応援してくれる酒販店や飲食店のご主人、愛飲するファンがいます。その方たちと仲良く交流しませんか? 新しい土地で、新しい人間関係を結んでいくうちに、これまでとは違った生き甲斐や幸せの形が見つかるかも知れませんよ。

 

やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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