【食堂のおばちゃんの人生相談】51歳・会社員のお悩み

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える！

【お悩み／Mr.トットさん（51）会社員】
　このごろ妻の作る味噌汁が酸っぱかったり、変な臭いがする。古くなった豆腐やキノコを入れているのではないかと思うが、更年期でイライラしていて、怖くて聞けない。

関連記事：【食堂のおばちゃんの人生相談】36歳・会社員のお悩み

【山口先生のお答え】
　そうですか。それは困りますね。味噌汁の味は我が家の味です。それが悪い方に変ってしまうとしたら、辛いことです。多分、奥さんの更年期も影響しているのでしょう。味覚って、精神状態の影響を受け易いんですよね。よく「怒っている時に料理すると塩味がきつくなる」って言うでしょう？

　更年期の奥さんを持つ方のご相談は過去何回かお受けしましたが、結局 “奥さんの機嫌を取る” 以外、解決策はありません。精神的なゆとりを取り戻せば、イライラも八つ当たりも解消されます。

　あなたのすべきことは、まず優しい言葉をかけて、奥さんに「夫は私のことを心配している」とわかってもらうことです。「最近疲れてるみたいだけど、大丈夫？」「一緒に病院に行こうか？」「××が疲労回復に良いって聞いたから、買ってきたよ」等、とにかく「愛」をアピールして下さい。

　次に、食事や映画など、奥さんが喜びそうな場所に誘ってあげて下さい。高いレストランでなくても、おでん屋や焼き鳥屋だって良いんです。週末を夫婦で楽しく過ごす工夫をして下さい。

やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合（東京都千代田区）の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』（徳間書店）が発売中