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【食堂のおばちゃんの人生相談】47歳・会社員のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.11.13 11:00 最終更新日:2020.11.13 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/とんがり課長さん(47)会社員】
コネ入社の部下(20代後半)は、クレーマーで仕事も出来ない。伯父が親会社の主要取引先の役員なのだが、その会社は経営危機に陥っている。
それなのに出来ない部下の面倒を見る必要があるのか、上司に相談しようかと迷っているのだが、「上司が部下の伯父の会社とつながりがある」という情報があるので、やぶ蛇になったら……。
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【山口先生のお答え】
うわ~、サラリーマン社会の縮図を見せられたようなお悩みですねえ。森村誠一の小説に出てきそうな設定じゃありませんか。人間関係が込み入っているような場合、図にすると分かり易いです。社内相関図ってやつですね。
まず、部下の伯父さんの会社はつぶれかかっているわけで、あなたの親会社に対する影響力はすでにない、と考えられます。
そしてあなたの上司は伯父さんの会社とつながりがあるらしい。それが本当なら、上司はその会社との関係を清算したいと思っているのではないでしょうか? 誰だって沈み掛かった船からは逃げ出したいですからね。
人間社会に情実はつきものなので、コネ入社が必ずしも悪いとは思いません。でも、入社後に周囲となじむ努力を一切しないのは、給料をもらう資格がないと思いますよ。コネで入社したけど能力がないのなら、仕事以外の場面でアピールしないと。
ほら、仕事は出来ないけど、何となく憎めない人っているでしょ? 職場の雰囲気を和やかにしてくれるとか、明るくしてくれるとか。
私はあなたの上司も、コネ入社の出来ない部下のことは苦々しく思っていると考えます。ハッキリ言って利用価値ゼロですから。今や件の部下に “コネ” はありません。ただの部下です。
だからあなたも特別な目で見るのでなく、普通の部下と考えて行動なさったらよろしいのではないでしょうか。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中