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【食堂のおばちゃんの人生相談】43歳・会社員のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.12.11 11:00 最終更新日:2020.12.11 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/匿名希望(43)会社員】
先週、可愛がっていた猫(ロシアンブルーの4歳メス)が心臓発作で急死した。獣医は、「ロシアンブルーには、突然死はままあること」と言うが、いまだに納得できない。
バツイチ独身の私の、たったひとつの心の安らぎだったのに。心にぽっかり穴が空いて、夢も希望もなく、この先どうすればいいか……。
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【山口先生のお答え】
本当にお気の毒です。実は私も十三年前、生涯最愛の猫に死なれ、どうしようもない寂しさに打ちのめされた経験があります。
我が家は私が子供の頃からずっと猫を飼ってきたのですが、その猫は他の猫とは違い、私と一心同体のように心が通じ合っていたのです。あの子を失って以来、私は死が怖くなくなりました。
自分の経験から言わせていただくと、猫によって被った悲しみは、猫でしか癒やせません。新しい猫を飼いましょう。身も蓋もない言い方ですがこれしかありません。
確かに、亡くなった子と同じ猫はこの世にいません。性格の違いに物足りなさを感じることはあります。でも、愛情表現は猫それぞれ違いますが、“母” である私に対する愛と信頼の総量はどの猫も変わりません。猫がこの世で頼れる人は、私以外にいないからです。
だからどんな猫も全身全霊であなたを愛し、頼ってくれますよ。どうぞ、新しい “養子” を迎えて、良いご縁を結んでください。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中