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資産2倍男が指南「ホントに得するiDeCo」3つの税制優遇で最強

ライフ・マネー 投稿日:2020.12.14 06:00FLASH編集部

資産2倍男が指南「ホントに得するiDeCo」3つの税制優遇で最強

 

 10月1日、新型コロナウイルス感染者増加のニュースに隠れてしまい報道は少なかったが、改正された年金法のひとつが施行された。

 

「正直に言うと、取材の依頼を受けて、そうだったなと思い出したぐらいです(笑)」

 

 そう話すのは、「ほったらかしで資産を2倍にする」投資法を本誌で伝授してくれた、ファイナンシャルプランナーの横山光昭氏だ。

 

 

 では、何が変わったのか? iDeCo+(イデコプラス)という、聞き慣れないものも登場しているが……。

 

「iDeCo+の正式名称は、『中小事業主掛金納付制度』。企業型確定拠出年金や確定給付企業年金などの『企業年金』が実施困難な中小企業が、iDeCoに加入する個人が拠出している金額に、会社として上乗せしてくれるというものです。『iDeCoに加入している個人を、会社が応援してくれる制度』と思っていいでしょう。

 

 2018年に始まった制度で、これまでは従業員が100人以下の会社が対象でしたが、300人以下の会社の規模まで拡大されました。加入できる人が増えると思います」

 

 ここで一度、iDeCoのおさらいしておこう。iDeCoとは「個人型確定拠出年金」の愛称で、自分が拠出した掛金を自分で運用し、資産を形成する年金制度だ。

 

「税制優遇がある制度は、NISAとiDeCoがあります。NISAは運用益が非課税になりますが、iDeCoは同じく運用益が非課税なうえに、掛金が全額所得控除され、受け取るときも所得控除が受けられます。

 

 NISAのなかでも、20年運用できる『つみたてNISA』が、非常に注目を浴びて口座数も増えていますが、スペックでいえばiDeCoが星5つ、つみたてNISAは星3つぐらいの差がありますね。

 

 ただ、つみたてNISAはいつでも引き出せますが、iDeCoは60歳まで引き出せません。流動性でいうと弱いですが、3つの税制優遇があるので、最強といっていいでしょう」

 

 もうひとつ大きな変更は、2022年からiDeCoの運用期間と受取り開始年齢が延長されることだ。

 

「これまで、『掛金が掛けられるのが60歳まで、受取り開始は60歳以降70歳まで』でした。それが2022年4月以降は、『掛金が掛けられるのが65歳まで、受取り開始が60歳以降75歳まで』になりました。

 

 運用は75歳までできるので、“いまはお金があるから、いらない”という人は、65歳まで拠出して10年間置いておくこともできます。長期保有は投資で勝つための大きな要素のひとつ。5年延長されたことは大きなメリットだと思います」

 

 60歳から65歳まで延びたのはいいが、「60歳で定年退職した場合、掛金を払い続けられるだろうか」と懸念する人もいるのでは。

 

「掛金の変更は可能なので、5000円まで下げられます(iDeCoの掛金の最低金額は5000円)。たとえば60歳までは3万円だったが、それ以降は5000円で5年間頑張っていただく。0円も可能ですが、手数料は取られてしまうので。

 

 60歳以降も積み立てをすることで、複利がついて元本としてまわっていくので、たとえ掛金が少額になったとしても、長く続けることに大きな意味があります。5年より10年、10年より15年。長くやったほうが明らかに後半の伸びが違いますし、果実(資産)の出来上がり具合がまったく違いますよ」

 

 利用枠の上限まで掛金を掛けるのがいちばん得だが、横山氏は、こう注意する。

 

「投資は、家計に無理のないようにやることが大前提です。実際、iDeCo加入者の掛金は、『自営業者は約2万7000円、企業年金のない会社員は約1万6000円が平均』というデータがあります。枠のマックスまでは、できていないようです。

 

 iDeCo+の対象となっている会社で、iDeCoを枠いっぱいまでやっていない人は、その一部を会社に出してもらえますし、300人以下の規模の会社の方は、会社に『iDeCo+をやりましょうよ』とリクエストしてみるチャンスです。会社も、求人の謳い文句になると思いますよ」

 

 iDeCoは年末調整が必要だが、iDeCo+は必要ない。これを読んでiDeCoに興味を持った人、二の足を踏んでいた人は、さっそく口座を開いて始めてみよう。

 

「コロナ禍で、投資熱は高まっています。手数料も低くラインナップも豊富なネット証券、SBI証券や楽天証券がおすすめです。インデックス型の投資信託を選んでいただけば、難しいことはありません。

 

 月にいくら積み立てて、利回り何%でまわしていけば自分が目標とする金額になるかは、金融庁ホームページ内の『資産運用シミュレーション』で簡単に計算できます。これからは国に頼らず、自分で資産を形成していく時代です。しっかり準備をしましょう」

 


よこやまみつあき
株式会社マイエフピー代表。3000人以上の家計の問題を解決してきたファイナンシャルプランナー。著書に『37歳独身、年収300万円知っておきたいお金のこと』(毎日新聞出版)

 

(週刊FLASH 2020年12月8日号)

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