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東大卒の催眠研究者に学ぶ「ビジネス催眠術」相手も自分も操る3つのワザ

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.12.30 11:00 最終更新日:2021.04.05 18:57

東大卒の催眠研究者に学ぶ「ビジネス催眠術」相手も自分も操る3つのワザ

 

 万人にとって最大の関心事である仕事と恋愛を制するための、誰にでもできる方法がある。そんな夢のような技を教えてくれるのが、大手企業に勤めながら現役の催眠術師として活躍する漆原正貴氏(30)だ。

 

 

 同氏は東大で脳科学の分野から催眠術を研究し、在学中に延べ数千人に催眠をかけ、一度に600人に暗示を与えた経験もある、学問的背景を持つ日本でも屈指の識者である。

 

「ある意味、催眠術を最も効果的に使えるといえるのがビジネスシーンです。企画を通す、人を動かす、自分を鼓舞する。あらゆる場面で、催眠テクニックが活用できます」

 

漆原氏の弟子には、「催眠テクニックを駆使して、就職面接で負け知らずになったり、仕事ですべての企画を通してきた」強者もいるという。

 

「暗示を伝えるテクニックに、(1)『自明の理』と『イエスセット』があります。自明の理とは、どんな人でも『はい』『そうですね』といった肯定的に答えざるを得ないような事実のことです。

 

 たとえば、『どんな薬にも副作用はある』『新製品を作らなければ儲けのチャンスはない』といった、誰もがイエスと答えるような主張を積み重ねていくと、本来は相手が疑問に思うような提案でも、最終的に “はい” と答えさせてしまう。この自明の理を用いた一連の会話術が、イエスセットです」

 

また、(2)「ダブルバインド」という同種のスキルもある。

 

「ダブルバインドは、二者択一の質問を投げかけ、その前提となっていることを暗黙のうちにのみ込ませてしまう方法です。企画を通すときに、自分の思惑を前提条件にしたA案・B案を同時にプレゼンすることで、どちらが選ばれても目的を達成できるのです」

 

このダブルバインドは、営業でも用いられるテクニックだ。たとえば損保の営業マンが、「契約のオプションとして、がん保険か地震保険がつけられますが、どちらがいいですか」といった営業トーク。本当は選ばなくてもいいオプションを、あたかも前提であるかのように顧客に思わせる方法が、それだ。

 

 そしてビジネスにおいて最も身近で、使いやすい催眠は(3)「じつは自己暗示」だと漆原氏。

 

「催眠術はかかる側が8割、かける側が2割の『協力関係』で成り立ちます。つまり、ほとんどが自己暗示の結果なのです。『自分は、この企画を必ず通せる』『自分はモテる男だ』と思い込み、自信を得られれば、実際に能力を高められます。

 

 たとえば催眠で『暑くなる』という暗示を与えたとき、『暑い』と感じた被験者の体温は、実際に上昇します。脳が、そう認識した時点で、たんなる思い込みではなく、現実に感覚が変わるのです。

 

 また、多くのビジネスパーソンにとっての悩みの種であるプレゼンで緊張しないためには、『話せば話すほど自信が湧いてくる……』『ゆっくり呼吸すればするほど落ち着いてくる……』といった、気持ちを落ち着かせるフレーズを頭の中で唱えるのが効果的です。本当に心拍数が緩やかになるのが感じられます」

 

 自身の催眠術との出会いを振り返りながら、漆原氏は語る。

 

「僕自身、20歳のころに催眠術を初めてかけられ、握った手が開かなくなってしまったことに衝撃を受け、研究を始めました。詐欺や新興宗教などにハマる人を見て、疑問に思うかもしれませんが、催眠の本質を知れば納得できます。暗示によって、人はよくも悪くも、簡単に変わり得るのです」


モデル・ミスFLASH2020 藤田いろは

写真・梓沢真弓

 

(週刊FLASH 2020年12月8日号)

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