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日本全国「愛され狛犬」ゆる顔にカッパやモアイ像似…ご利益やいかに?
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.01.01 11:00 最終更新日:2021.01.01 11:00
狛犬の正式名称は、「獅子・狛犬」。基本的に左右ペアで寺社に設置され、向かって右側、口を開けているのが阿形(獅子)、左側で口を閉じているのが、吽形(狛犬)だ。
全国約100社の狛犬を紹介する『狛犬さんぽ』(グラフィック社)を2020年12月に上梓した、狛犬愛好家のミノシマタカコさんによると、寺社で見かける一般的な狛犬は、「昭和初期、愛知県岡崎市の石工が作った狛犬がベースとなって全国に広がりました」という。だが、ベースはあっても、実際は千差万別。
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「狛犬の尾に特徴があるものや、垂れ耳のものなど、地域によって違いがあります。作り手の創作意欲や工夫が垣間見えるところが、トキメキポイントのひとつです。
誰かが思いをこめて石工さんに依頼し、その思いを受け止めた石工さんが創意工夫をして作り、100年~200年たって私たちが見ている。そのシチュエーションも、たまりません。狛犬の見どころはたくさんあるので、ぜひ、観察してください」(ミノシマさん)
災いから守ってくれる存在でもある狛犬。初詣は、参拝客で混雑する拝殿を避けて、愛され狛犬に「禍」を払ってもらうのも、粋かもしれない。以下では、全国からミノシマさんが厳選した狛犬を、解説つきでご紹介。
●盛岡天満宮(岩手/写真は冒頭)
・住所:岩手県盛岡市新庄町5-43
「石川啄木の小説『葬列』にも登場する、全国的にも有名な狛犬さん。モアイ像のような素朴なフェイスとシンプルなフォルムが魅力です」(ミノシマさん、以下同)
●新田神社(鹿児島)
・住所:鹿児島県薩摩川内市宮内町1935-2
「おなかの下に子供の狛犬さんを抱えている、親子の狛犬さんです。安産を願いながら頭を優しく撫でるといいそうです」
●江部乙神社(北海道)
・住所:北海道滝川市江部乙町東12丁目1-24
「性別がはっきりしている狛犬は珍しく、吽形(オス)、阿形(メス)の下半身に、その特徴が刻まれています。それぞれのお守りも好評です」(江部乙神社)
●間々田八幡宮(栃木)
・住所:栃木県小山市間々田2330
「猫背で『にへら』と笑っている顔がたまらない個性派。本殿に向かう途中、階段を上った脇にいらっしゃいます」
●宇多須神社(石川)
・住所:石川県金沢市東山1丁目30-8
「躍動感あふれる逆立ちに目を奪われがちですが、かわいい子供や、柔らかさを感じさせる毛並みにも注目してほしいです」
●阿禮神社(長野)
・住所:長野県塩尻市大字塩尻町433-1
「大きなお顔が、インパクト大。顔だけでなく、足先や太もも、尾と、どこを見ても表現が個性的。本殿前の、丸顔の狛犬さんもおすすめです」
●白鳥神社(愛知)
・住所:愛知県愛知郡東郷町大字諸輪字中市165
「出会った瞬間、腰砕けになった、ゆる狛犬さん。阿形(上)は、オッドアイの瞳がチャームポイント。吽形は、ねこさんみたいで愛らしいお姿です」
●岩木山神社(青森)
・住所:青森県弘前市大字百沢字寺沢27
「柱にじゃれつく、こちらの狛犬さん。逆立ちは恋愛運アップ、立ち上がりは金運アップのご利益があるといわれています」
●鎮西大社 諏訪神社(長崎)
・住所:長崎県長崎市上西山町18?15
「逆立ち&ちんちん狛犬さんは、頭がカッパなのが特徴です。地面に置かれているので、じっくり観察できるのも嬉しい」
みのしまたかこ
最新刊は『狛犬さんぽ』(グラフィック社)。「入門書なので、わかりやすさを重視して書きました。散策の楽しみのひとつに狛犬さんを加えてみてください」
写真・ミノシマタカコ、廣田賢司
写真提供:江部乙神社、間々田八幡宮、新田神社、鎮西大社 諏訪神社、ピクスタ
(週刊FLASH 2021年1月5日・12日合併号)