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ビットコインが過去最高値…年末年始に「仮想通貨」が沸騰中
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.01.04 17:00 最終更新日:2021.01.04 17:00
年末から年始にかけて、仮想通貨(暗号資産)の動きが慌ただしい。
誕生から12年を迎えたビットコインは、3日に過去最高値の3万4800ドル(360万円弱)を記録した。時価総額2位のイーサリアムも20%ほど上昇し、2年ぶりの高値をつけている。
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コロナ禍の経済不安や政府の借金増大、金利低下を背景に、ビットコインなどの仮想通貨にはいくつかの金融機関が興味を示しており、投資家が増えている。
2月8日には、北米最大のシカゴマーカンタイル取引所の先物市場でイーサリアムが上場する予定だ。
オンライン決済サービスの大手ペイパルでは、11月から米国ユーザーに4種類(ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコイン)の仮想通貨の売買サービスを開始した。同社CEOのダニエル・シュルマン氏は「世界のデジタル通貨へのシフトは避けられない」と語っている。
スペースXやテスラの共同創業者で、世界2位の資産家であるイーロン・マスク氏も、莫大な資産をビットコインに投資するかどうか模索しており、世間の注目を集めている。
行政も強い関心を示しており、マイアミ市長は、市の予算の一部を仮想通貨で保管し、税金などの支払いも受け付けられないか検討中である。
そんな数ある仮想通貨のなかで、最近、ドージコインの動きが面白い。ドージコインは、2013年末にパロディから生まれたもので、ドージ(doge)とはネットスラングで犬のこと。柴犬の似顔絵ロゴが使われているが、これは当時ネットで流行した日本の柴犬「かぼす」だと言われている。
ドージコイン1枚は現在0.01ドル強と、ビットコインに比べれば破格で、若者にも手が届き、また少額決済に向いている。パロディではあるが、歴史も古く、時価総額で上位25位に入っている。
これまでもネットでは時おり話題となってきた。ソチ冬季五輪では、ジャマイカ選手を参加させるための募金活動に使われたし、最近ではTikTokユーザーにより、コインの価値を1ドルにして、みんなでお金持ちになろうという「ドージコイン・チャレンジ」がおこなわれた。ユーザーがさまざまな動画を投稿した結果、価値が20%も押し上げられた。
前述したビットコイン投資を模索中のイーロン・マスク氏は、年末に一言「ドージ」とだけツイートした。マスク氏は以前、エイプリルフールのイベントで、ドージコインCEO投票でトップ当選したことがあり、自身のツイッタープロフィールを「ドージコイン元CEO」にしたこともある。そして、このたった一言でドージコインの価格は25%も上昇した。
さらに130万人のフォロワーがいるアダルト女優が、元日に「2014年からドージコインを保持している」とツイートしたところ、再び価格が上昇、0.004ドルが0.11ドルになった。価値としては1カ月で2倍以上になった計算だ。
世の中には数千種類の仮想通貨があり、それぞれ特徴ある値動きをしている。規模の小さな通貨ならTikTokチャレンジのように面白がって価格操作されることもあるだろうし、 米証券取引委員会から提訴されたコインもある。
仮想通貨の仕組みを理解するのは容易ではないし、取引によるリスクも大きい。ウォール街の専門家からは「現在のビットコイン価格はバブルだ」との声も出るが、今後も目の離せない分野であるのは間違いない。(取材・文/白戸京子)
※本記事は、仮想通貨の売買を推奨するものではありません。取引する場合は自己責任でお願いします