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新型コロナでもやっぱり保険はいらない!社会保障のプロが断言
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.01.12 06:00 最終更新日:2021.01.12 06:00
日本での生命保険(個人年金保険含む)の世帯加入率は88.7%ときわめて高い。年間に支払う保険料は平均で38.2万円にのぼり(※)、教育費や住宅ローンなど家計負担が重い40代~50代の保険料支払額が最大となっている。
「いまの時代に年間38万円の負担はあまりに大きい。9割の世帯が生命保険に加入し、保険に入るのは当然と考える人が多い我が国ですが、もはやその考えは捨ててください。
かつて金利が高かった時代には、貯蓄型の生命保険で得することもありましたが、いまは必要なものにだけ入る時代。『保険は貯蓄』は、昭和の常識。令和の常識にアップデートしてください」
では、必要な保険はないのだろうか。
「『自動車事故の加害者となる』『家が火災に遭う』などのリスクには、保険で備えるしかありません。未就労の子供がいる方なら生命保険は必要ですが、子供が独立すれば保険は卒業。独身者には、そもそも生命保険は不要です」
がん保険はどうか。
「がんでも、通常は健康保険を用いて治療を受けるので、『高額療養費制度』で負担は軽減されます。『保険のきかない先進医療への備えを』ともいわれますが、先進医療は『素晴らしい最先端の治療』ではなく、いまだ安全性、有効性が確認されていない技術だと知る必要があります。
また、最近はがんでも入院期間が短かかったり、通院のみで治療をおこなう場合がある一方、治療が長引き家計に影響が及ぶ場合もあります。そんな事態に備えたいなら、安い掛金で、がんと診断確定されたときに100万円程度を受け取れる、診断給付金型のがん保険がおススメ。入院の有無や治療方法を問わず、まとまったお金を最初に受け取れるからです」
コロナ禍において本当に必要なのは、保険の知識ではなく、公的支援を受けるための情報だと清水氏は言う。
「コロナは、いうまでもなく災害です。支援策は、被災時並みにある。収入減で困ったら、なんらかの支援を受けることができます。ただし、その支援策をメディアや行政の広報で自ら見つけ、申請する必要があります」
情報を味方にして、生活防衛をすべし。
しみずかおり
1968年生まれ、東京都出身。独立系ファイナンシャルプランナー。社会福祉士。家計の危機管理の観点から、社会保障や福祉、民間資源を踏まえた生活設計アドバイスに取り組む。おもな著書は『 “もしも” に備える新しいお金の使い方』(小学館)など
※生命保険文化センター「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」より
(週刊FLASH 2020年12月29日号)