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コロナ禍に負けない! 東京の「愛され百年食堂」人形町・小春軒
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.01.25 11:00 最終更新日:2021.01.25 11:00
長年愛される味を武器に時代を生き抜き、美味しいごはんを作り続ける店がある。創業100年を超える「百年食堂」は、受け継いできた味と料理人としての矜持がある限り、コロナ禍にも負けない! 今回は、人形町にある「小春軒」をご紹介する。
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店名の由来は、愛妻家の初代店主、小島種三郎さんが小島の「小」と妻・はるさんの「春」を合わせたことだという。
山縣有朋のお抱え料理人も務めた種三郎さんが、小春軒を開店したのは1912年。今は4代目店主の小島祐二さん(55)が、「店をまかせるには、まだまだの腕」と厳しく評価しながらも、目尻を下げる5代目の息子と厨房に立つ。
ちなみに店名の「軒」は、中華料理店の屋号でよく見かけるが、祐二さんによると「昔は洋食店を『軒』と言っていたそうで、古いお店という意味もある」そうだ。創業100年を超える店が多い人形町界隈を歩くと、老舗喫茶店の店名にも「軒」が使われていた。
祐二さんはホテルで10年ほど洋食のコックとして修業。小春軒に入ってからは、およそ25年になるという。
「ホテル時代に使っていたフォアグラ・トリュフもいいですけど、下町洋食はシンプルな食材を使って、煮る、焼く、揚げるが大切。これがとても奥深いんですよ」(祐二さん、以下同)
人気メニューはランチタイムで30食は出るという「小春軒特製カツ丼」。見た目は、いわゆるカツ丼とはかなり違う。
「初代が考えたメニューです。初代は和食も洋食も担当していたので、ビーフシチューにメンチカツを入れてお出ししていたそうです。それが評判になり、このカツ丼を思いついたと聞いています。当時は卵が貴重品だったので、目玉焼きはとても喜ばれたそうです」
カツは一口大にして揚げる。それをさっとデミグラスソースに潜らせて盛りつける。付け合わせは、ビーフシチューに入れる野菜を細かく切ったものだ。
そして、もうひとつの看板メニューが「特製盛合わせ」だ。
「特製カツ丼と、この盛合わせを召し上がっていただければ、小春軒の味がわかっていただけると思います」
【SHOP DATA/小春軒】
・住所/東京都中央区日本橋人形町1-7-9
・営業時間/11:00〜14:00、17:00〜20:00
・休み/日曜・祝日、土曜不定休
写真・宮川久
※緊急事態宣言により、紹介した店の営業時間は変更になる場合があります
(週刊FLASH 2021年2月2日号)