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【食堂のおばちゃんの人生相談】51歳・会社員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.01.25 11:00 最終更新日:2021.01.25 11:00

食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/Bセットさん(51)会社員】
 行きつけのランチの店で、同じメニューを頼んだのに、あとから来た人に先に出された。スタッフとは顔馴染みのつもりだったのに、私より親しい客がいる。そのことにムッとして、それ以来行っていない。私は狭量すぎですか?

 

 

【山口先生のお答え】
 狭量云々は別として、共感する方は大勢いらっしゃるのでは? 向田邦子さんのエッセイに、「行きつけのバーでいつも自分にだけ大福を出してくれるのを自慢にしていた常連客が、ある日早い時間に店に行くと、ママは別の客にも大福を出していた」という有名な話がありますが、人間って、特別扱いが好きなんですよ。

 

 老若男女関係なく、自分だけ特別扱いされるのは得意だし嬉しいものです。ところが実は自分だけじゃなかった……と分かると、がっかりするし、時には気分を害します。自然な感情ではないでしょうか。

 

 でも、常に特別扱いを求めるのは無理なので、どこかで折り合いをつける必要があります。その基準をどうするかは人それぞれですが、私の場合は「他人よりいくら余計に払っているか」です。2倍も払ってるんだから、3割くらい丁寧に扱ってほしい……とかね。

 

 というわけでBセットさん、新しいランチの店を開拓して、もりもり食べてあげてください。

 

やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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