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【食堂のおばちゃんの人生相談】56歳・自営業のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.02.19 11:00 最終更新日:2021.02.19 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/匿名希望(56)自営業】
 私はバツイチで、中古の分譲マンションにひとり暮らし。隣室は子供のいない40代の会社員夫婦だが、月1度、真っ昼間に嬌声が聞こえる。どうやら、奥さんが不倫しているらしい。地味な奥さんなのにビックリだ。旦那とは管理組合の活動で顔を合わせることもあり、うっかり口をすべらしそうで怖い……。

 

 

【山口先生のお答え】
 うわ〜、すごい! 松本清張の『黒い画集』か週刊新潮の「黒い報告書」、はたまた「火曜サスペンス劇場」みたいですねえ。

 

 最初に言っときますけど、あなたは間違ってます。「あんな地味な奥さんが……」というのがミソなんですよ。日頃からエロい女が何やったって、当たり前すぎて面白くないじゃありませんか。地味で堅実な主婦、真面目で清廉な女教師、有能で献身的な看護師、そういう人が普段とまったく別の顔を見せるから、エロいんですって。

 

 いにしえの日活ロマンポルノの人気シリーズに「団地妻」がありましたね。あれはエロが、バーやキャバレーやソープランドなどの特殊な場所でなく、身近に存在するという意外性が受けたんですね。つまり “ご近所エロ”。壁の向こうにエロスの世界が広がっている。どうです、思いっきり妄想が広がるでしょう? ムフフですよ。

 

 さて、たっぷり妄想を楽しんだところで、次はどうしますか? 小説やドラマだと隣りの奥さんに「旦那にバラされたくなかったら」とちょっかいを出して、返り討ちに遭っちゃうのが一般的です。1人暮らしだと、殺されても闇に葬られるかも知れないし……。

 

 私はやっぱり、沈黙は金だと思います。旦那はすでに気付いているかも知れないし、もしかしたらセックスレスで、夫婦で代理人を雇って奥さんの相手を頼んでいる可能性だってありますから。


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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