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ツイッターで話題の耳鼻科医に「花粉症治療の最終兵器」聞いてみた

ライフ・マネー 投稿日:2021.03.04 21:01FLASH編集部

ツイッターで話題の耳鼻科医に「花粉症治療の最終兵器」聞いてみた

 

 春めいた気候とともに、花粉のシーズンがやってきた。今年はコロナ禍ということもあり、例年と違う状況に不安を抱く花粉症持ちも多いことだろう。

 

 軽度な花粉症の場合、マスクが効果的という。

 

「ウイルスが含まれる唾液の飛沫は5マイクロメートル程度とされていますが、花粉は約30マイクロメートルとかなり大きい。コロナ対策でマスクをしているのであれば、それは十分、花粉症対策になるんです。

 

 

 今は誰もがマスク生活ですが、不織布マスクによって、アレルギー性鼻炎のような症状が出る方もいます。コロナ対策としては不織布マスクが望ましいですが、症状がつらい場合は、布マスクでもよいでしょう。無理せず、自分に合ったマスクを使用してください」

 

 こう話すのは、ツイッターのフォロワー3万5000超の「ひまみみ」こと、大阪大学耳鼻咽喉科助教の前田陽平医師だ。

 

 花粉症によって、コロナが重症化することは基本的にない。ただ、鼻づまりなど症状が重なる部分はあるし、気づかぬうちに感染した場合、くしゃみで感染を広げるリスクもある。そのため、花粉症がひどい場合、早めの治療が望ましいという。

 

 では、いまから治療を始める場合、どのようなステップを踏めばいいのか。

 

「まずは、抗ヒスタミン薬や鼻噴霧ステロイドなどの薬物療法で、症状を抑えることから始めます。大多数の人はこれで抑え込めますが、症状が重いと難しいこともあります。

 

 その場合、鼻の粘膜を変性させるレーザー手術などを検討していくことになります。

 

 ただし、シーズン中は基本的にレーザー手術や免疫療法はおこないません。レーザー手術は、術後に鼻の粘膜が一時的に膨張するため、鼻づまりが非常にキツくなってしまうからです。

 

 また、スギのエキスを皮下注射・あるいは舌の下に置くアレルゲン免疫療法は根治治療であり、よい治療です。しかし、シーズン中はアナフィラキシーなどの副作用リスクが高くなるため、シーズンが終わった後に始めます」(前田医師)

 

 2020年には、最新の治療薬も導入された。重症患者向けに皮下注射する「オマリズマブ」と呼ばれる薬だ。

 

 花粉症では、1日のくしゃみ・鼻をかむ回数が11回以上もしくは鼻づまりが非常に強い場合で重症、くしゃみ・鼻をかむ回数が1日21回以上の場合もしくは鼻が1日中完全につまっている場合に最重症となる。

 

「オマリズマブを使えば、花粉症の症状は非常に和らぎます。いまのところ、『最終兵器』と言ってもいいと思います。

 

 ただし、オマリズマブを使用するには、昨シーズンの治療状況や、アレルギー検査の結果など、いくつかの細かい条件があります。薬の価格も高く、検査結果によって投与量が変わりますが、安い人で数千円、高い人は数万円にのぼります。

 

 私の患者さんでも、使用している人はまだまだ少ない。さまざまに治療を試しても、なかなか効果が出なければ、一度医師に相談してみるのもよいでしょう」(前田医師)

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