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カップ焼きそば頂上決戦「ペヤング」「U.F.O.」ネーミングからソースの秘密まで

ライフ・マネー 投稿日:2021.03.13 11:00FLASH編集部

カップ焼きそば頂上決戦「ペヤング」「U.F.O.」ネーミングからソースの秘密まで

 

 いまや国民食といえる「カップ焼きそば」の2大巨頭が、東の雄「ペヤングソースやきそば」と西の雄「日清焼そばU.F.O.」だ。

 

 約45年にわたり、しのぎを削ってきた両雄が、「試食は年間1750食」「名前の由来は、会議室で飛んだ“蓋”」など、秘蔵の「すべらない話」で戦う!

 

 

■「ペヤング」には愛が詰まっている

 

 誰もが知る「ペヤングソースやきそば」(販売数非公表)と「日清焼そばU.F.O.」(累計販売数50億食突破)。

 

 この両者の商品名の由来を、それぞれを製造・販売するまるか食品ペヤングと日清食品の担当者に訊いた。

 

 

「『ペヤング』が発売された1975年当時、カップ麺はまだまだ庶民にとっては高級品でした。

 

 そこで、若い(ヤング)カップル(ペア)に2人でひとつのものを分け合って食べてほしいという弊社の願いから『ペヤングソースやきそば』と命名されています。

 

 これまで弊社では500種類前後のバリエーション商品を発売していますが、オリジナルの『ペヤングソースやきそば』自体は、そのころのコンセプトのまま、ソースの味や麺の量、かやく、ふりかけなどの具材を一切変えておりません。

 

 46年間変わらぬ同じ味を、お子様からお年寄りまで世代や時代を超え楽しんでいただきたいと考えております」

 

 そう「ペヤング愛」を語るのは、まるか食品ペヤング事務本部・製品開発課の小島裕太氏。

 

 会社で「一日最低7回は『ペヤング』を食し、勤続10年間で1万7500回は『ペヤング』を口にしています」という。

 

 同氏によると商品の変更点は「容器の湯切り部分など、パッケージの部分のみです」とのこと。

 

 

 そんな「ペヤングソースやきそば」発売の翌年、日清食品より発売されたのが「日清焼そばU.F.O.」だ。こちらも、今年生誕45周年を迎える定番の商品だ。

 

「『日清焼そばU.F.O.』は日本初の皿型カップ焼そば麺として誕生しました。“焼そばは、お皿で食べるもの”という日本人の食習慣にこだわり、皿型の容器を採用しました。

 

 商品名の由来は商品開発会議でネーミングを検討していたとき、社員の一人が投げたプラスチック皿の蓋が、空飛ぶ円盤のように飛んでいくのを見て、UFOという名前をひらめいたのです。

 
 この商品名には、うまい(U)、太い(F)、大きい(O)の意味もこめられています」

 

 こう商品名の由来を語ってくれたのは、日清食品の関雅之氏。同氏はマーケティング部で「日清焼そばU.F.O.」の商品開発に携わるブランドマネージャー。

 

「年間365日、『日清焼そばU.F.O.』を一日数回は試食し、今日も午前中だけで5回食べました」という「日清焼そばU.F.O.」のすべてを知る男だ。

 

 変わらぬ味を守る「ペヤングソースやきそば」に対して、「日清焼そばU.F.O.」はソースや麺の改良を続けてきたのが特徴なのだ。

 

■「伝統」と「進化」 それぞれの開発秘話

 

「ペヤングソースやきそば」伝統の味はどのようにして生まれたのだろうか。前出の小島氏は味の要となるソースについてこう語る。

 

「1975年以前のインスタント焼きそばのソースは粉末のソースしかありませんでした。液体ソースを採用したのは日本で弊社が初めてです。

 

 粉末よりも液体ソースが、より焼きそばらしさを引き立てていると思います。なお、ソースのレシピに関しては企業秘密とさせていただきます」

 

「ペヤング」といえば「細めのちぢれ麺」も特徴だ。

 

「子供からお年寄りまで全世代が美味しく食べられるように柔らかい麺、ソフトな食感にこだわって製麺しています」

 

 かやくにも、独自のこだわりがあり、「かやくの肉は鶏肉で、キャベツは緑を感じられるよう、色の濃い部分をあえて選んで使用しています」という。

 

 また、味のポイントとなっているのは、意外にも『ふりかけ』の存在。

 

「ふりかけに乾燥紅生姜が含まれています。それが弊社の焼きそばを楽しんでいただく際の大きなアクセントになっていると思います。ぜひ忘れずにかけてほしいです」

 

 一方、「日清焼そばU.F.O.」の歴史は、「ソースや麺の進化とともにある」と前出の関氏。麺は「重量感のあるストレート麺」にこだわっている。

 

改良を重ねたストレート麺

 

「焼そばにはまっすぐで太い麺が最適です。ガツガツ食べて満足感が得られ、なおかつもちもちした食感にこだわり改良を重ねています。

 

 他社の一般的な焼そば商品より麺量が多いことも重要なポイントです。食感については、キャベツのサイズや量を『大きく多く』にこだわっています」

 

1955年に開発された「ターボ湯切り」

 

 また、麺だけではなく、ソースも進化を遂げてきた。

 

「発売当初から香りにこだわり、鉄板で炒めたときの香ばしさを再現しています。改良を重ね、2002年にはソースに天然のフルーツ(デーツ、ナツメグ、マンゴー)を使用し、まろやかな甘味を付与しました。

 

 2003年には、パパイヤとパイナップル2種を加え、デーツレモン、マンゴー、リンゴ、レーズンと7種類のフルーツを配合しました」

 

「ペヤング」と「U.F.O.」。長年愛されてきたカップ焼きそばには驚きの誕生秘話があり、弛まぬ商品改良によって進化し続けてきたのだった。

 

写真・福田ヨシツグ 

 

(週刊FLASH 2021年3月16日号)

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