精神科医・樺沢紫苑の「読む！ エナジードリンク」恋愛で勝つ5つのポイント

【理由3】告白してダメでも落ち込むことはない

「告白してダメだったらどうしよう」と思い悩む人がよくいますが、そういう人には、こう答えます。

　もう一回、告白すればいい！

　私の友人であるCさんは、職場の大好きな女性に告白したものの、1回めは見事にフラれて撃沈。それでもあきらめずに、半年後にもう一度告白。そこでもまた撃沈。

　そして、さらに半年後に三たび告白して、ようやくOKをもらい、その後、めでたく結婚までこぎ着けました。

　多くの人は、物事を「失敗」か「成功」か、「0」か「100」かで考えがちです。しかし、告白してNGだったとしても、それでゲームセットになるわけでも、人生が終わるわけでもないのです。

　Cさんの場合、1回めの告白で撃沈して、そこであきらめていたら、意中の人とゴールインすることはありませんでした。

　女性は押しに弱いところがあります。フラれてもフラれてもあきらめないことで、「本気度」が伝わるのです。

　あるいは、女性は「断わる」ことで、男性を試している可能性もあります。相手がどのくらい本気で自分のことを好きなのかを。

「好意の返報性の法則」から考えて、1回めの告白よりも、2回めの告白のほうが、うまくいく確率が圧倒的に高いです。1回めよりも好意度が高くなっているからです。

　告白してNGだったとしても、それですべてが終了になるわけではなく、すぐにあきらめる必要もないのです。

【理由4】「告白しない」＝100％彼女をとられる

　多くの人は、「告白」して失敗した場合のシミュレーションに膨大な時間を費やします。

　しかし、「失敗した場合」ではなく、「告白しなかった場合」にどうなるかのシミュレーションも緻密におこなうべきです。

　もし、あなたが告白しなかった場合、1年後にどうなっているかを想像してください。たぶん彼女は別の男性とつき合っているはずです。

「告白しない」ということは、「100％、彼女を別の男性にとられる！」ということです。

　あなたが好きになるほど魅力的な彼女が、超モテない女性で一生彼氏もなく、一生独身でいるということは、あり得ないことでしょう。

　あなたが告白しないでいると、別の男性が彼女に告白するだけです。そのうち、あなた以外の男性とつき合い、あなた以外の男性と結婚するのです。

　つまり、「告白しない」というのは、「彼女を別の男性にとられるのを黙って見ている」ことと同じなのです。それって、楽しいですか？　嬉しいですか？　あなたが望むことですか？

　1％でも希望があるのなら、告白したほうがいいのです。「彼女からあなたに告白する」というレアなケースを除けば、あなたが告白しない限り、彼女を失うだけなのです。

【理由5】「失恋」のすごいメリット

　ここまで読んできても、まだ「告白してフラれたらどうしよう」「失恋して傷つきたくない」と思う人も多いはず。

　でも、「失恋する」のは、じつはものすごくいいことなのです。もしあなたが告白して、見事撃沈したなら、私はあなたに言いたい。

「おめでとう！」と。

　失恋して「おめでとう！」とはどういうことかと思うでしょうが、失恋にはメリットもあるのです。それは「レジリエンスが高まる」ということです。

　レジリエンスとは、「ストレスをやり過ごす力」「心のバネ」「心のしなやかさ」ともいわれます。

　失恋すると、心が傷つき、その直後は大きく落ち込むかもしれません。しかし、そこから立ち直ることは、メンタルを鍛えるうえで最高のトレーニングになるのです。

　ですから、できるだけ若いうちに、「失恋」や「失敗」をたくさんしておいたほうがいいわけです。

　レジリエンスが高い人は、多少のストレスがあっても、それを上手にやり過ごすことができます。つまり、うつ病などの精神疾患になりづらく、逆境に陥っても、うまく対応することができるのです。

　そんな素晴らしい力が、失恋によって養われるのですから、失恋したら「レジリエンスが高まった！」と喜べばいいのです。

　好きな人がいても告白するのをためらう人は多いのですが、「告白」することで自分に対する相手の好意度を高め、最終的には「よい結果」を引き寄せることができる。この心理学的な仕組みを活用してほしいと願います。

かばさわしおん
樺沢心理学研究所代表。1965年、北海道札幌市生まれ。札幌医科大学医学部卒。YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで、累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動

イラスト・浜本ひろし

（週刊FLASH　2021年3月23日号）