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【食堂のおばちゃんの人生相談】44歳・会社員のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.19 11:00 最終更新日:2021.03.19 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/独り酒さん(44)公務員】
妻の更年期障害がひどく、いつもイライラしていて、とくに休日は、私や子供に当たり散らす。私も、休日は家事に協力したり外食したりと気を遣っているが、もう限界に近い。
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【山口先生のお答え】
独り酒さん、大変ですね。お気の毒です。そして家事に協力したり外食に誘ったりと、涙ぐましい努力は本当にご立派です。ただ、私は奥さんも辛いだろうと思います。
更年期障害になると、自分でも精神をコントロール出来なかったりします。イライラしてご主人やお子さんに八つ当たりしていると、奥さんもきっと分かっています。それでもどうにもならず、また八つ当たりして自己嫌悪に陥ってしまう……そんなことの繰り返しではないでしょうか。
更年期障害は時機が来るまで治りません。だから、ここは割り切るしかないと思います。奥さんに八つ当たりされていると思うから辛いので、この状況をシミュレーション・ゲームと捉えましょう。「更年期障害妻攻略ゲーム」です。あらゆる有効な手段を駆使して、攻め落としましょう。
外食と家事手伝いも良いですが、一番効き目があるのは「言葉」です。とにかく機会あるごとに「僕に手伝えることはない?」「君、疲れたでしょ?」「本当に大変だね」「ありがとう」「後は僕がやるから、少し休んだら?」「これは僕に任せて」等々、優しい言葉をかけてください。
一日に何度でも。同じように家事を手伝っても、優しい言葉があるのと無いのとでは、有効度が俄然違ってきます。月並みですが、女は甘い言葉に弱いんです。
そして、あまりにも奥さんのイライラがひどいようなら、家族の幸せのために、奥さんには婦人科を受診なさることをお勧めします。薬を飲むだけで症状が改善する場合も多いので、是非どうぞ。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中