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年金保険、再雇用、ご近所づきあい…そんなもの「全部いらない!」定年後の “新常識”
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.20 11:00 最終更新日:2021.03.20 11:00
定年まで、あと数年。そろそろ出世の限界も見えてきた。きちんと勤め上げたら、退職金をもらって家でゴロゴロするんだ――。そんなささやかな希望を胸に、日々を過ごす中年男性も多いはず。
しかし、巷で言われるのは「定年後の資産運用」だの、「再雇用」だの、あれをしろ、これをしろ、と窮屈なものばかり。定年後を楽しく過ごすのに、本当に数多の “対策” が必要なのか。
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「過度に心配する必要はありません。むしろ、不安を煽られて間違ったことをしてしまうほうが、よっぽど危険です」
そう語るのは、経済コラムニストの大江英樹氏(69)だ。大江氏は9年前に大手証券会社を定年退職し、その後、資産運用やライフプランニングに関する講演と執筆活動をおこないながら、多くの “定年後ライフ” を取材してきた。
そんな大江氏が、自身の経験をもとに上梓した『定年前、しなくていい5つのこと』(光文社新書)が、発売直後に増刷を重ねるヒットをしている。
「定年が見えてきた40〜50代に響いたのでしょう。とくに『老後2000万円問題』が報じられてから、『自分の老後は大丈夫か』と不安を覚える方が増えました」(大江氏・以下同)
だが実際には、何も不安になるようなことはないという。
「まず大前提として、一般的なサラリーマンは65歳から90歳までの間、公的年金のみで6600万円ほど受け取れる計算です。月額だと22万円。これだけあれば、多くの人はやっていけますよ。
実際、私は父の事業失敗を穴埋めしたりして、定年退職時の預金は150万円だけでしたが、お金に苦労することはありませんでした。『年金崩壊』を謳う一部メディアもありますが、日本の年金は積立額も安全性もトップクラス。年金制度が崩壊することはあり得ません」
つまり、「老後資金のために」と、無理に貯蓄をする必要はないし、退職金で慌てて投資を始める必要もないという。
「投資経験のない定年退職者は、金融機関にとっていちばんのカモです。とくに銀行は、退職金の振り込みに気がついたら、すかさず営業にやってきます。
しかし、2020年のコロナショックを思い出してください。タイミング次第では、株価暴落で財産の3分の1を失った人もいます。退職金を元手に、経験のないまま大きな投資をしてしまうと、ほとんどの場合、損をしますよ」
それでも投資がしたいのなら、できるだけ少額かつ「儲からなくてもいい」という気持ちで臨むのがよいという。